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投資AIを自作するVol.2

現時点のAIは、データがないと作れない上、指示を出さないと何の役にも立たない事は前回書いた。生成AIのChatGPTを始め、世の中のAIは過去の何らかのデータを学習し、その知見を元に何らの事象を予測するのが基本的な仕組みだ。Googleの検索ワードの予測も、アマゾンの「あなたにオススメ」も、顔認証のカメラも同じだ。

株価予測に必要なデータは

本題の投資AIで解決したい課題は、株式で儲ける事である。そのためには、何らかのデータを集めてAIに学習させ、将来の株価を予測できれば良い。

上がる予測が出たら買い、下がる予測が出たら売る。完璧だ!

口で言うのは簡単だが、もちろんそんなに甘くない。

では、どんなデータがあれば、株価の予測ができるのだろうか。実はここが一番難しい。それが分かれば苦労はないのである。しかし大事な点なので、実際のAI構築に入る前にしっかり考えてみたい。

株価分析の二流派

株価の分析は大きく分けて2つの「流派」がある。一つが「ファンダメンタル分析」、もう一つが「テクニカル分析」だ。

・ファンダメンタル分析…企業の業績に着目
・テクニカル分析…株価の動きに着目

ファンダメンタル分析は、主に企業の業績に着目する。これは「株価は長期的には利益の増減に連動する」という原則が根拠で、売上高や利益がどれだけ成長しているか等がポイントになる。

ファンダメンタル原理主義者は、日々の株価の動きには一喜一憂しない。「これだけ利益が伸びているのだから、いずれ上がる」と考えるからだ。

テクニカル分析は、企業の業績は考慮せず、株価の動きを見る。「この株は長期的に上昇しているから」とか、「過去にこの値動きのパターンがあれば上昇したから」などを元に売買する。

テクニカル至上主義者の場合、企業の業績はおろか、人によってはどの企業の株を買うのかも考慮しない。「このシグナルが出ているから、この株は買い」という理由だからだ。

多くの人はファンダメンタルかテクニカルか、どちらかの流派に属する。しかし20年以上の投資歴で分析を進める中で、最近はこの色分けに違和感をもつようになった。

というのも、どれだけファンダメンタル要素が優れている銘柄でも、知名度が低くて気づかれなければ、いつまでも上がらないからだ。また逆に、どれだけテクニカルが良くても、業績の裏付けがなければあっという間に急落する事がある。次回はこの点について書きたい。

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