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書の創作は楽しい。

日頃の臨書(お手本を見て書く書法)も好きです。

創作は、臨書とはまた違った楽しさがあります。

臨書ばかりやっていると、

いざお手本がない状況において何も浮かばないなんてことも

起こるようです。

でも、創作ってすごく面白いと思うんですよ。

自分が面白いと思うことを自由に表現することができるって楽しいです。

ただ、私の中の基準では、

「文字として成立していること」というルールは持っています。

パーツは確実にあって、その上でいかに遊ぶか。

それに尽きると思います。

今回は創作の好きなところについて考えてみました。

まず何が楽しいかというと、

自分の思うイメージと書きたい文字とを合致させるところです。

例えば、「楽」の一文字を書くとして、

「らく」なのか「たのしい」なのか

あるいはその両方なのか、とかあれこれ考えるわけです。

そしたらそれをどう表現すれば相手に伝わるか考えます。

もちろん文章や漢詩、かな文字で短歌などを書く場合もありますが

基本は同じです。

作品として出来上がったときに、

自分の考えているイメージを相手に伝えられるような

そんな作品にするにはどんな風にするか考えるのが楽しいです。

紙に書くか、そのほかのものに書くかでも違います。

紙に書くにしても、真ん中に書くか、ずらして書くかでも違います。

書く墨をどんな墨にするかも考えます。

色のついた墨もありますが、基本は黒です。

黒は黒でも、茶墨や青墨で印象派ガラッと変わります。

淡墨にするか、濃墨にするかでも違います。

たっぷりと墨をつけるのか、

途中でかすれを出すのかでも違います。

小さく書くか、大きく書くか、

細い線で書くか、太い線で書くか、

またはそれを組み合わせるか。

いろいろなやり方で、思うようなイメージを伝える作品に仕上げます。

そういう自由なところがとても面白いです。

大きい紙に太い文字で大きく書いた作品と、

大きい紙でも細くて小さい文字がぎっしりある作品では

受ける印象が全然違いますよね。

紙一つとっても、

真っ白な紙だけではなくて料紙のような色や模様のついた紙を使えば

それだけでも印象派ずいぶん変わってきます。

いろいろな方法でいろいろな作品を試作してみるのが

とても楽しい時間です。

私の場合はまず出来上がり図が頭にあって

それを取り出す作業に近いかなと思うんですけど、

この辺は人によって違うんじゃないかなと思います。

自由な発想で自由に文字を書くときには

これまでの臨書の知識がとても役に立つので、

臨書と創作は両輪だな、と思うわけです。

どっちも楽しいので、

やったことない方にはぜひやってみていただきたいです。

おすすめです。

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