リーダーの人

昨日の事件が衝撃的で、まだ呆然としている。
ネット上にさまざま溢れる情報を読む。
意見を読む。思いを読む。
それぞれの立場で、考えがある。
それぞれの「正義」で語っているのだろう。

私は。

リーダーという立場が、とても孤独な場所であることを、
秘書時代に、痛いほど感じたことがある。
決断すること、指示すること、その立場が背負う責任の重さ。
会食での己の振る舞い一つで、部下を、会社を、
路頭に迷わせる可能性があるということ。

国を引っ張るリーダーとなれば、規模は比じゃない。

以前、総理大臣を経験されたの講演会に行ったことがある。
原稿を持たず、データが記載されたペライチで、1時間ほど熱弁されていた姿が強烈に印象に残っている。
知識、経験から発する話、桁違いに重厚で濃厚だった。
国を背負うって、こういう人なんだと思い知らされた。

講演会が終わって、少し会話を交わした時、
冗談混じりで笑顔でお話ししていただいて、そのサービス精神にも感激した。
何においても秀でていた。

人前に立つ人、リーダーの人。

でも、リーダーといえども人間だ。
私となんら変わらない、生身の人間。
完璧な人間なんていない。間違いだってある。

国を引っ張るという重責の中で、リーダーを全うしたこと。
到底、私にはできないことだ。私にはできない。

それを長らくやっていた人。
国のリーダーを長くやっていた人。

そういう人を失ってしまったのだと、昨日感じた。
喪失感に打ちのめされた。今もなお。

いろんな言葉がネットに溢れる。
私のこの戯言もまた、「いろんな言葉」の一つだろう。

私は、感謝したい。
この国のリーダーを引き受けてくれて、ありがとうございました。

ご冥福を心からお祈りいたします。