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chieri_36
花束を、私に
またしつこく、元旦那の話
やけに勘が鋭いというか
虫の音というか
知らなくてもいいことに辿り着くのは
私がドMってことなのだろう
⁂
結婚したのを知ったのは、今年の春
地元のクリエーター同士、と言うのだろうか
それはそれは祝福される結婚だったようだ
奥さんは私も元々知っていた人で
文句のつけようがない
素晴らしい人だ
たくさんの人から好かれて応援される
それでいて、しっかり自分のビジョンも持っている
何というか、心底素敵な人だ
結婚もさることながら
何がきつかったかって、
子どもができてたことだ
これはなかなかに、胸を貫いた
不妊治療をしてたけど授からなかった過去
そして今、子どもを授かったという事実
自分とはもう何の関係もないし
これからも繋がることはない他人だけど
やっぱりどうして、この事実はキツイ
⁂
先週、無事誕生したとのこと
各種SNSで報告されてるのを
ご丁寧に見て回る元嫁←ワタシ
そっかーそっかー
おめでたいことだよね
おめでとうです
溢れる祝福の言葉の外で
その光景を眺める私がいた
これは虚しいのか?
虚しいかもしれない
悲しいのか?
悲しいかもしれない
⁂
ポツンと外から眺める私に、
花束を持って近づく私がいた
去年の春、離婚して5年目にして初めて元旦那に会いに行ったことがある
お互いの十字架をおろした日だったと思っている
その後、彼は新たなパートナーと人生を共にすることを決意し、新たな命も授かった
彼や彼女は祝福する人で囲まれている
私は、私に近づく
「あの春の日があったからこその、この光景だよ」
そう、自分に言いたい
誰もそうは思わないだろう
でも、自分は知ってる
あの春の日のことを
一歩踏み出したのは、私だったってことを
そう思ったら
もう少し素直に「おめでとう」が言える気がした
私に、花束を送ろう
悲しいことではない
勇気を出した私を、誇りに思う日だ