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一日一句【菜根譚】#31『出汚泥而不染、近智巧而不受』自制力を鍛えることで、誘惑に打ち勝つ

「出汚泥而不染、近智巧而不受」は、中国の古典文学『菜根譚』の一節です。意味は、「汚泥の中にあっても汚れず、巧妙なものに近づいても影響を受けない」ということです。この言葉は、高潔な品格を保ち、外界の影響を受けないようにすることを表しています。

この言葉は、大きく2つの意味に分けて理解することができます。

  • 第一の意味は、「出汚泥而不染」です。これは、たとえ汚れた環境の中にあっても、自分の高潔さを保つことができるという意味です。これは、強い意志と高い道徳心がなければ実現できないことです。

  • 第二の意味は、「近智巧而不受」です。これは、巧妙なものに触れても、その影響を受けないという意味です。これは、冷静な判断力と独立した思考力がなければ実現できないことです。

この言葉は、私たちの人生において重要な示唆を与えてくれます。私たちは、日常生活の中で、さまざまな誘惑や試練に直面します。もし、この言葉に示される品格を身につけることができれば、誘惑に打ち勝ち、冷静な判断を下すことができるでしょう。

具体的には、この言葉を実践するためには、以下の3つの点が重要です。

  • 道徳心を高める

  • 冷静な判断力を養う

  • 自制力を鍛える

道徳心を高めることで、汚れた環境の中でも自分の高潔さを保つことができます。冷静な判断力を養うことで、巧妙なものに惑わされることなく、正しい判断を下すことができます。自制力を鍛えることで、誘惑に打ち勝つことができます。

このように、「出汚泥而不染、近智巧而不受」は、人生をより高尚なものにするための、重要な指針となる言葉です。私たちは、この言葉を胸に刻み、常に高潔な品格を保ち、外界の影響を受けないように努力していきましょう。

蘇武は、中国の漢代に活躍した外交官です。匈奴に捕らえられて19年間も抑留されましたが、漢への忠誠を貫き、ついに漢に帰国することができた人物です。 蘇武の物語は、「出汚泥而不染、近智巧而不受」の精神を体現したものとして、中国の古典文学の中でよく取り上げられています。 蘇武は、匈奴に捕らえられた後、匈奴の王に漢への忠誠を棄てるように迫られました。しかし、蘇武は漢への忠誠を貫き、匈奴の王の誘惑に屈しませんでした。また、匈奴の王に漢の文化や礼儀作法を教えるなどして、漢の文化を匈奴に伝えることにも貢献しました。 蘇武の物語は、たとえ汚れた環境にあっても、自分の高潔さを保つことができることを示しています。また、外界の影響を受けることなく、自分の信念を貫くことができることも示しています。 蘇武の物語は、私たちの人生においても、重要な示唆を与えてくれます。私たちは、日常生活の中で、さまざまな誘惑や試練に直面します。しかし、蘇武のように、自分の信念を貫き、外界の影響を受けないことで、より高尚な人生を送ることができるでしょう。

一日一句【菜根譚】#32『恬淡適中 剛柔有度』理想の人格を追求


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