悲報館

文豪系専門学生はスペースシャトルの夢を見るか?

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文豪系専門学生はスペースシャトルの夢を見るか?

最近の記事

一人にしてごめん

いま1人になったら死んじゃうな、と思ったから外に出た。たぶん怯えてるんだってわかった、どれだけ隣に居ても私のあなたはあなたとは別人だし、あなたの私が分からないのが怖かった。手を取って深夜徘徊への1歩を踏み出させてくれる人はもういないけど、カラコンを外していない夜はいつだって外に出られるし君はもう必要ないや、今まで長い間ありがとう。 痛くたって逃げ道は無くすんだ、夢のために生きる人間が愛のために生きられるわけが無いし、じゃあ2番目って超嘘じゃんねって思うし居なくたって生きてけ

    • 吐き溜め⑧

      東京に住んでから毎週誰かが泊まりに来る。私の矮小な城は常に人で埋め尽くさねばならない気がするからだ、つまりこの部屋は私自身ということなのだろうけど。 小さい頃から屋外が苦手で、体質のせいだと思っていたけど案外そんなことなかった。誰かに見張られている感覚になるのが堪らなく怖くて、側溝に引きずり込まれたらどうしようとか(実際側溝に落ちたのは一度や二度ではないが)急に自転車が飛び出してきたらどうしようとか、そんなことを考えているうちに家に着いていて、今日は何ともなかったな、と小さ

      • 君なんかのために君を忘れてやらない

        君の顔を思い出さない日が増えた、救世主が救われることはまず無く、夢を抱き留めた若者に手を振られた処で何になろう?思い出すのは同じ景色と、最後の温かさが震うだけ。閉じた瞼に射止められるのは、いつも、いつも濡れて乾いた魂で、他は全て些末な脚注によって完結する。寒しい瞳で私を諦める顔が忘れられない、どの男と知らない道を歩いても脈は打たない、もうお終いだ、桜並木を歩いたこともないくせに、私の中枢に居座るなよ。 生きていくためのもの全てが無いけれど、パンツを売る勇気も無くて。何かをも

        • RAIN望

          3月は通り雨だった。ざぶざぶ進んでもローファーはどんどん重くって、もう前に進めないんだなって気づいて涙が出た。仕方ないから冷えていく爪先も全てあなたのせいにしたよ、私の自由のための些細な不自由、もちろん思ってるだけだけどね。そのうち絶対終わるって、初めからわかってた。わかってるから大切に出来たかもしれないし、わかってるから大切に出来なかったかもしれない。でも私は、全身全霊を持ってあなたが好きだったよ、それだけはほんと。例えば美味しいものを食べたとか、猫のかわいい写真が撮れたと

        一人にしてごめん

          てかもう飽きた。

          つまんなくない?あーーーーーつまんないつまんないつまんないもう飽きたよそれ。与えられた楽しみと与えられた夢のために生きるもうつまんないんだよ。見たことないもの欲しいのに東京歩けばテレビで見た煌めきばっかでつまんなかったし。同じことしか言わない君の面白さって何、聞いたことあることしか言わないのってなんでなのそこになんの気持ちが乗せられてたの?夢って何憧れって何?わかんないよ当たり前に。何回違うよって言っても君は毎度同じ間違いをするよね。恋愛中にいつも呟いたその名前、それって本当

          てかもう飽きた。

          吐き溜め⑦

          憂鬱は咲く。 どこからともなく唯じいっと鎮座するミサンドリーが邪魔して、私の被破壊欲は行き場を無くし、両手の白んだ爪先の歪さを持って自らの存在を示す。私はここだよ、これも私だよと一生懸命藻掻いたってなーんにも届かない。誰だっていい、どんな足りないものがあったっていいから、私の真ん中から掻き乱してどこが末端かわからなくなるまでぐちゃぐちゃにして、私を物言わぬ肉塊にして。 真黒な網膜に焼け爛れた目尻、悲しいニュースばかりここぞとばかりに囃し立てる奴等、世界が想われた時、私は沈

          吐き溜め⑦

          ミッドラブベリー

          ひとりここに閉じこもって、ロシア兵の夢を見ている。 夢の始まりはいつだって気づいたら訪れている。いつもひんやりとした午後に初めて後ろを振り向くから、もう手に入らない憧憬はいつも10℃の大気の記憶と共にやってくる。結局さあ、幸せって思った瞬間からそれは過去になるわけなんだから、私たちは1秒ごとに幸福を見つけ続けるしか方法はないんだよ。でもそれってさあ、すごく疲れるよね。 形骸化されたステレオタイプ人格に無理矢理押し込めた自分に一体、何の価値があるのさ。と言いつつも、心の永久凍

          ミッドラブベリー

          吐き溜め⑥

          フェイクパールのネックレスが弾けて横たわる私の眼球を模している。からりと艶んだ乳白色、多分、私はもうずっと、一人で生きていた。 もしも、魔法が使えたらどうする?と聞いた時の貴方の目は悲しかった。涙も溢さず泣いていた。きっとこの人の奥はすでに砂漠なんだ、そこに私が混じったって、決して二人は溶け合ったりしない。泣いている、凪いでいる、精巧なドールを扱うかのように、いつもそっとへっぴり腰で私を抱きしめた。陶器人形の私に体温が奪われても、ずっとずっと、死体になるまで離さないでいてく

          吐き溜め⑥

          美しいうつしみ

          ベビィピンクの額が剥き出しで涙が出た。ここ最近は辛くても苦しくてもカラッカラだった目の奥を染み渡って、チョコミントが煌めく。ハーゲンダッツの量に納得出来たのはつい最近です、濃密な幸せは微量でいい。夢はひそかにしかし執拗に私に付き纏い続けるのに、春の畦道のようにぱらぱらと足蹴にされる。大好きだった本も映画も今の私には問いかけてくれなくて、最近は宗教書を読んでる。自分に対して問いかけてくるものにはいつも飢えている。ソファと床の隙間に横たわりひとつひとつ煩悩を数えたら余裕で108個

          美しいうつしみ

          女性性を持つことの絶望

          今日の書き物が少々愚痴の吐き出しのようになってしまうことをお許しください、本心だから、書かずには居られないのです。 初めて1人で訪れた東京で痴漢を経験した。高校の制服姿でローファーの先を見つめ、ただじっと耐えた。思えば私は生を受けた時からずっと、女性を生きさせられている感覚が抜けない。それは性自認的な話ではなく、あくまで「社会的に女性として眼差されること」への窮屈さだ。私は本質的に人間で、人間の身体を持ち人間の解像度で物事を見ているつもりでいたが、この世界では私は女の身体を

          女性性を持つことの絶望

          愛してるなど烏滸がましい

          iPhoneを閉じたところで真暗な6畳半には灯りが微かに震えて居座り、私が膝を抱えて眠りにつくのを嘲るように見張っている。ずっとちいさな頃から私は、幸せになるのが恐ろしかった。 タイツ嫌い、なんだかつま先が蒸れてそこだけ別の感覚になっちゃって気持ちが悪い。帰宅即脱ぎ捨てたいけれど、太腿にひきつれを見つけてしまったから暫く履いておくことにした。壊れかけた物はどうにも情けなくて、再起不能になる迄使い倒してしまう、多分、私という陶器のお茶碗も同じことだからなんだろう。君が全てを犠

          愛してるなど烏滸がましい

          明日は来ない、よくお眠り

          会ったら終わりだと思った。私あなたに言いたいことがだだ漏れてぐちゃぐちゃ肥大化したゴーレム女子高生(!)だったのに、すすがれて洗い流されてころんと残ったのはくだらない真っピンクに脈打つ孤独だけでした。 もう冷められちゃったかな、こんな風に塗り固めた土人形の私じゃもう愛せないかな、もう男の子と連絡とらないから、2番目にかわいいあなたをInstagramに残さないから、夢で逢いたいな、瑠璃色の花弁が瞼の裏からだはだば溢れて、痛い痛いや。白木蓮の男はまるで足りないといった風情で私

          明日は来ない、よくお眠り

          吐き溜め⑤

          北極点を見たことはないけれど、そこが最北であると云うことは私とて知っている。まあ何が言いたいかって言うと、あなたの姿が見えなくてもあなたは私の中心ですよってこと。 ハロー、虚像からまろびでた私たちの姿が見えていますか?あなたに会う約束がある日だけ、丁寧に1本1本睫毛を突き上げている浅薄さ、あなたにはどうせわからないでしょうに。知ってるよ、いつだって素肌の私を綺麗だと思ってくれていたこと。だけどもう自信が無い、生身の私で勝負出来るほどこの恋を愛せない。好きでいちゃいけなかった、

          吐き溜め⑤

          なのに、歩いてる。

          歩いてるのを車から眺めた。 あなたに知るよしは無いけど。 小さい街だからよくある事だし男友達と歩いてただけだし全然なんとも思わないよ、思わないけど、私のつまんない土曜にもあなたがどこかで生活してること辛かった。なんて、ひとりぼっちにも程があるよ(笑) わざと不穏な雰囲気で約束を取り付けてわざと心配させる私のこと知ったら、あなたは怒るかな、怒ってくれるかな。多分、笑われそうな気がする。いつもそう、いつも少し高いところから私を眺めて、傷つけられてもはは、と笑っている。仕方な

          なのに、歩いてる。

          新宿に行けば私なんて幻でしょう?

          なんとなくゆるゆるかな。あたしが疑っているってことにあなたが気づいてしまったようだから。 自分のどこを好きになってくれたのか分からない、と言いましたね、高慢にも。自分に秀でている部分がないから、とも。その時は上手く答えられなかったのでここで語りかけます。あなたが地を這うなら私も共に行きます、あなたが深く呼吸をするなら私は心から喜んであなたに届きます、理由など、私がそうしたいと願うからで充分なのです。エゴイストだね、と寒しく笑うでしょう、そうです、私はあなたを愛したいという欲

          新宿に行けば私なんて幻でしょう?

          読まなくていい才能が欲しい

          才能、なかった!!!!! 知ってたけれども。 これしかなかったから必死だった。始めたのは10歳、コンクールに初めて出場したのは15歳。私はその時に歴2,3ヶ月の同級生にボコボコに負けてそれからはひたすらやるしかなかった。生活の中心だった、部活がない日だって基礎練習を怠けたことはない。成績はどんどん落ちていったけれど、友達もどんどん減ったけれど、これでいつか結果が残せればそれでいい、と思い続けた。まだ1年生、これからどんどん上手くなれるはずだから。 16歳、今まで見たこと

          読まなくていい才能が欲しい