自分の力と経験は常に無駄になると思え

しばしば、自分の力と経験を頼りにするものがいるが、今後、無駄になると思え。

なぜか、その経験は特定の一例に過ぎず、実際には、その経験にそぐわない場合もある。

はっきり言って、博士課程に安易に引き込もうとする輩はトラブルに繋がっていると思う。

実際、学生のためにはなっていないから、若者は企業なり、学校で教員になるなり、社会に出る方が重要になる。

ただ、問題は、失敗者の話が爆発的に広まりすぎて、なぜ、失敗したのか?という点が明らかになっていない。

実際問題、雇用契約のやり方とかを考えていなかったりするだろうし。

例えば、給料が安い場合、多少仕事ができなくても、副業で家庭教師をやるとか、いろいろと手はあるだろう・・・。

そういったことをやってきたか?と言われると、恐らくやってないのだろう。

さて、それで、結局、大学でやってきた専門分野と別の分野に就職することがあるだろうが、それが普通のことだと私は考えている。

むしろ、自分の専門分野に凝り固まり、他の分野のことを学ばない方がよっぽど害悪だと考えている。

その理由は二つあり。

一つは、自分の分野に凝り固まり、相手の需要を満たせないから、どこにも就職することができないことに繋がる。もしくは、共同で何かをやる時に、相手との交渉ができず、共同でやる機会自体を失う危険性があること。研究者の場合は、共同研究で、そういうことが起きうる。

二つ目は、自分の分野に凝り固まった結果、チャンスを失う場合が多いこと。そもそも、本来なら、いろいろと自分の力が発揮できるところがあるし、ある分野を一応学べたというなら、その時の基礎学力を元に他分野も学べるはずなので学べばよく、それをすれば、チャンスを得ることができるかもしれない。しかし、自分の分野に凝り固まると全くチャンスを失う。

無論、そのためには、他分野の基礎学力と自分の持っている基礎学力をすり合わせる必要があるので、いきなり、相手方の難しい問題集や教科書を見るのではなく、かなり優しめの、自分の分野だと、さすがに簡単すぎるだろ?と疑問に思いそうなレベルの参考書や教科書や問題集をまずはやる必要がある。相手の分野は自分の分野ではないので、本当にミーハーなものでもいいので、相手方の専門の基礎を身につけることができる本を自力で探す必要がある。

なお、相手方に聞くとバイブルになりそうな教科書や参考書を教えてもらえるかもしれないが、ここで、注意が必要なのは、相手方は自分よりもその分野のことを知っている。そして、大いにして相手方は教師ではないということ。つまり・・・相手が簡単だと主張しているそのバイブルの本は、自分にとっては難しすぎるという場合が大いにしてある。そのため、そのバイブルの本を元に何が足りないのか?をキチンと考え、自ら、本を選ぶ必要がある。

私の場合は、具体例が書いてあるものと、基礎的な本を重視して選んだ。結局、基礎から行かないと、何が何だか、分からないという結果になって、専門知識を表面的に知るだけ(知ったと自分で勘違いしている危険性もある)という結果になりうる。

それと、相手方の分野と自分の分野のずれの部分は我慢しなければならない。例えば、自分の分野が計算でごり押しできるかもしれないが、相手の分野は暗記でごり押ししなければならないかもしれない。

時間があれば、いろいろと本を読んで、どういう事情なのか、キチンと調べ、暗記をできるだけ回避すべきだとは思うけど、それが難しいということもあるのと、暗記が多いところの場合、実は、コアになる観測や実験以外は、単なる推測に過ぎないということもあるので、あまり深く考えるだけ、無駄ということもある。

特に、他分野とコネクションをつけるために大学院試験を受けたり、相手の話を聴きに行ったりするという短い時間の間にいろいろとやらなければならない場合は。

特に、化学のイオン化傾向の暗記を批判している学者先生をしばしば、ツイッターで見るけど、私からすれば、レベルが低いといわざるを得ない。

なぜならば、暗記をする効用として、全部ではなく信頼できる順番の範囲ではあるが、「よく使うので覚えておかないと先に進まない」という事情がある。また、信頼できない区間についても、同様に「とりあえず」覚えておくことを推奨する。

例えば、信頼できる区間では、亜鉛と鉄ではどっちが、イオン化しやすいか?となったら、亜鉛の方がイオン化しやすい。この性質を利用してトタンという建築や工業を行なう上で必要な技術に繋がる。後、メッキをする際も、信頼できる区間の知識が使われる。

また、信頼できない区間、例えば、ナトリウムとカリウムだと、標準水素電極を用いて実験をしたら、イオン化されやすいものとされにくいものについて、結果が、逆転する場合もある。

だが、それでも、覚えておいた方がいいと考える。なぜならば、カリウムと銅を比較した場合、イオン化されやすいのは、カリウムになる。そして、この結果は逆転することはない。

そのため。信頼できない区間にあるものと信頼できる区間にあるものをごっちゃにしないためにも、とりあえずの順番を覚えておく必要がある。

こんな感じで、他分野の事情を伺いつつ、知識を得ていく必要があるのだが、それができるかどうかが、他分野を習得できるか、それとも、自分の分野について殻に閉じこもるかの違いになると思われる。

ただ、結構、他分野を学ぶ際には、労力がいるので、自分の専門分野の殻にこもりがちになってしまう危険性にいつも晒されてきたが・・・そんな時には「自分の力と経験は常に無駄になると思え、そして、自分の力と経験以外のところを学ぶことは未知への挑戦だ。」と考えるようにしていた。

まあ、実際、自分の学んだこと以外にもいろいろな考え方があって、その考え方が、一部の急進的な政治思想のように、世の中に「害悪」をもたらしたり、「虚偽」に基づいたものでなければ、それは学ぶ価値があると思うし、それは楽しいと思えた。

だから、他分野だろうが、必要だと思ったら、周囲が止めようとも、勝手にやるし、そして、「自分の力と経験は常に無駄になると思え。」と考えるようにしている。

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