曖昧
学生のふたりが歩く距離
駅へ向かうサラリーマンのスーツから片方だけ少し浮いてる襟
大きく揺れてるただひとつの葉っぱ
ヒールで歩く違う2つの音
上擦った声のあいさつ
ぷかぷか浮いてる火のついた鍋蓋
扇風機に吸い込まれそうな洗濯物
今にも落ちてきそうな黒い雲
全てに終わりがあるように
この曖昧さもいつか無くなっていくのだろう
瞬間を切り取れればとても美しい世界なのに
それは常に動き続けている
何かがあって曖昧は生じる
それは良くも悪くもない
ただ美しいだけ
アリが自分より大きな餌を運んでいた
一所懸命に
人間も見えないけれど
みんな大きなものを運んでいる
それを誰にも奪われませんように…
それを美しいと感じれますように…
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