DTM制作裏話『あの日音楽を諦めた僕へ』
どうも、ロックが好きなボカロPの本田あいるです。今回は8/24に公開した新曲『あの日音楽を諦めた僕へ』について書いていきたいと思います。
制作のきっかけ
この曲は、アレンジにも携わっていただいた友人のペケさんから無色透明祭のことを教えてもらったことがきっかけで作り始めました。その時点で残り10日程しか時間がなく間に合わせることが出来ませんでした。結局それから1ヵ月もかかってしまいました。
コード進行
KEY=B♭
イントロ E♭ F Dm Gm ×4
Aメロ B♭M7 Cm7 Dm7 Cm7 ×3 /B♭M7 Cm7 B♭M7
Bメロ E♭ F7 F#dim7 Gm7 ×3/ E♭ D7
サビ E♭ F Dm Gm×2/E♭ F Adim Gm7 FM7 E♭ Dm7 Cm7 FM7 Adim
基本的にはシンプルな4536の王道進行です。時折入るディミニッシュコードがアクセントになっています。あとサビの一発目のコードの半音下のセブンスコードでBメロを終わらせるのが個人的にメッチャ好きなパターンですね。
楽器隊に使用したプラグイン
ドラム SSD5
ベース MODO BASS2
ピアノ THE GAIANT(KONTAKT音源)
ドラムの処理はめっちゃシンプルです。SSD5をパラデータに書き出してバスに送って先日セールで購入したIK MultimediaのMIXBOXにあるドラムバス用のプリセットでまとめています。MIXBOXはEQやコンプなど70種類以上あるエフェクトを8スロット使用できるプラグインです。各エフェクトのパラメーターが少ないので直観的に操作できるのとプリセットが充実しているのが良いですね。かなり使いやすいです。
ベースはMODO BASS2のプレべをDIで書き出してWAVESのJJP BASSで音作りしてTR5のBlack76でがっつり潰して安定させた後でHG2で少し歪ませて存在感をだしてます。個人的にベースの音作りは一番難しいと感じているのでWAVESにはいつも助けられてます。
ピアノはKOMPLETE13に入っていたTHE GAIANTをプリセットのまま使っています。かなり地味な音ですが曲に馴染みやすくてミックスが楽でした。
ギターの音作り
今回のギターの一番のポイントは新しく手に入れたYamahaのRSS20の音ですね。
最近はずっとテレキャスを使用していたんですがハムバッカーの分厚いサウンドはやっぱりロックに合います。アンシミュとの相性もシングルコイルより良くて音作りも簡単でした。
アンシミュはずっと使っていなかったBIAS FX2にしてみました。ギターを変えたことで音の印象が変わり「意外と使えるんじゃね?」てなったんですよね。イントロのカッティングはFender系、それ以外の歪んだパートはBognerのEcstasyで鳴らしています。ギターパートのアレンジで工夫したのはイントロのラジオ風の部分です。
イントロはとにかくインパクトが欲しかったのでDOTEC AUDIOのDeeFXで高音をカットして上部にあるレコードストップをオートメーションで操作しています。このあたりの飛び道具的な使い方が簡単に出来るのが嬉しいですね。
バストラックにはSonibleのSmartcomp2を挿して-2dBほど潰して各パートを馴染ませています。このプラグインはAIで自動にコンプを設定してくれるのでメッチャ楽です。恥ずかしながらコンプの操作は苦手なのでありがたいですね。
ドラム、ベース、ギター、ボーカル、ミックスなど色んなトラックに使えるし細かい設定も出来るので初心者~上級者まで使えるプラグインです。
バスコンプでまとめた後にTR5のBritish Channelを挿して仕上げです。これもエンジニアのギター用プリセットを少しだけ調整してるだけですね。全部自分でするより時短できるし音も良くなってくれます。
ボーカルの音作り
いつもボーカルはizotopeのNectar3を使っていたのですがせっかく新しいプラグインを買ったんだから使ってみようと思いMIXBOXを中心に音作りしています。
2サビの歪んだボーカルにはWAVESのRetro FIを使いました。衝動買いしてから一度も使っていなかったので今回使えて本当に良かったです。
空間系はディレイがEchoboy、リバーブがSunset Studio Reverbでどちらもアナログぽい温かいサウンドになるので気に入って使っています。特にEchoboyは「これがあればもうディレイいらないんじゃね?」てくらい素晴らしいです。値段も高いけど…。
歌詞について
これは完全に僕の実体験をもとに作詞しています。僕は音楽をやめていた時期が2度あります。1度目は資格を取る為のポジティブな理由ですが、2度目は自分の現状に耐えられなくなってしましました。再生数も少なく誰にも聴いてもらえないことが辛くて寂しくて音楽が嫌いになったんですよね。でも音楽のない日常はもっと辛かったです。自分の存在が本当に無くなってしまったように感じていました。ボカロを初めて少しずつ聴いてくれる方が増えて音楽仲間もできて今は本当に幸せです。
アレンジについて
この曲は本当にアレンジに苦労しました。ここだけで2週間くらい悩んでました。ペケさんに相談した時にすごく適切なアドバイスをもえらえた事で完成させることが出来ました。イントロのギターソロも2番サビのラジオボイスもペケさんのおかげです。
ペケさんの新曲である「アマガエル」は個性の塊みたいな作品です。この雰囲気は他のボカロPさんには出せないと思います。
今回もすごく長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
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