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FaceAppの「女性化」人気について

 ここ数日、「FaceApp」という加工アプリが流行し、自らの写真を自動的に異性らしく加工し、その写真をSNSにアップする、という状況が多く見られた。
 そして少なくとも私のTwitterの観測下では、それは「女性の男性化」よりも「男性の女性化」の人気が圧倒的に高く、本人や他人からの評価も高いように見られた。

 なぜFaceAppにおける男性の女性化はここまで人気を博したのだろうか。
 また、そういった加工における満足度はいかなるもので、それを実現することは可能なのだろうか
 この記事では、主にこの2点について掘り下げる。
 なお、私自身は当該アプリを使用しておらず(セキュリティ上の疑問点があったため)、この記事における意見や推測は、あくまでも観測上におけるものとする。


・綺麗になりたい、自分の好きな自分になりたい
 自分だって加工すればこんなに綺麗になれる
 多くの場合、化粧品やプリクラ、加工アプリ(snow、Beauty Plus、SODA等の自撮りアプリとも呼ばれるもの)のユーザーは女性だ。女性である私も非常に高い頻度でこれらの力を借りて、簡単に自分を美化し、楽しんでいる。
 FaceAppの場合、化粧の工程を飛ばし、そのままの状態の写真を用いて、「自動的に」自分をより「かわいく」加工することができる。上記に挙げた加工アプリを自ら積極的に使う男性は、女性と比べて圧倒的に少ない。しかし、FaceAppを通じて、男性は「化粧や加工アプリを使用した簡単な自分の美化」による「快感」を感じたのではないだろうか。
 また、これは余談だが、「自分は化粧なんてしなくても女性化すればこんなにかわいい」と思っている男性ユーザーを目にすることがあった。思い違いも大概にしてほしい。これは個人的な意見です。


・FaceAppの加工における「幼さ」
 一般的に男性が女装をする場合、その結果は同じ歳の女性よりも年上らしい外見になることがほとんどだ。
 しかしFaceAppではほとんどの場合、実年齢より幼く見えるように加工されているように見られた。これによって「女装感」は低くなり、「女性化」という言葉がしっくりくるのではないだろうか。また、これは一般論だが、日本人男性は「自分より幼い女性」を好む傾向が高い。この二点は人気の大きな原因であると考えられる。
 


・「綺麗になる」ってハードル高くない?
 ここまでの記事では、FaceAppを使用するといかに簡単に、綺麗な「女性化」ができるかについて書いてきた。
 しかし、現実世界で同じ結果、あるいは「綺麗な自分」になるには、どうしても時間や手間が必要になってしまう。私はメイクに興味のある女性で、出かけるときは必ず自分がかわいいと思えるメイクをするし、加工アプリを使って自撮りを楽しむ。
 綺麗になりたいという思いや、それにかける時間やお金、手間の具合は、人それぞれであり、自由だと思う。しかし、FaceAppで綺麗になった自分に喜んだ男性は、簡単な化粧とかに手を出してみれば、現実世界でもアガるんじゃないか???
こちとら好きでやっているとはいえエブリデイFaceApp並みの化粧してるし、その手間が面倒だと感じることは多かれど、かわいくなれて嬉しいという気持ちは強い。自分に自信がつくし、(今日めちゃ盛れたな)って日には特に気分も良くなる。
 「男性の化粧」=「派手でおかしい、笑いを誘うもの」とされてきた時代やそういうコンテンツもあるけど、今や化粧はそれだけには留まらない。最近は男性用化粧品や化粧の度合いも充実している。
 肌や生活の悩みとしてよく聞く髭についても、髭脱毛が安価かつ手を出しやすくなっているし(脱毛する箇所や回数も選べる)、クマやちょっと気になるシミや赤みを消すためだけに使える化粧品もあるし、顔の凹凸に少し工夫を加えるだけでかなりコンプレックスが解消されるような化粧方法もある。今や化粧は、女性やエンターテイメントのためだけのものではない
 各種デパコス(デパートで売っているような、少しお値段の張るコスメ)から、プチプラコスメ(ドラッグストアで売っているような、安いコスメ)まで、男性専用化粧品の種類は広がっている。さらに男性が「化粧」という新しい行動を「日常的に取り入れられる」よう、簡略化や化粧講座なども充実してきている
 私のように化粧への興味が高い人は、日々コスメ情報を調べているうちに自然と男性用コスメについての情報も手にしている。そういった趣味を持つ人に話を聞いてみるのもアリだと思う。私だったら、自分の好きなものに興味を持ってくれただなんてと大喜びで相談にのるし、お買い物にもついて行くだろう。邪魔だったら言ってください。
 これは筆者の経験談だが、以前会ったことのある男性の一人で、とても肌が綺麗な人がいた。会話の終盤になって初めて「化粧をしている」と本人が発言し、驚いた。化粧の仕方がすごく上手だったからだ。自然なトーンで顔のコンプレックスや髭をぼかし、必要最低限の工程で、自分をより綺麗に魅せていた。素晴らしいと思った。


 以上が、今回の「FaceAppブーム」について考え、さらにお化粧好きとして最終的に化粧品のダイレクトマーケティングをしているかのようなお話
 みなさんは今回のブームについて、どう思いましたか?


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