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ああ、穴があったら……

 YouTube『山田五郎オトナの教養講座』に見入ってしまいました。いつも楽しく観ているのですが、このときばかりは「穴の開く」ほどに。

 洋画家の佐伯祐三(大阪生まれの天才画家)を紹介しており、何と私たちが電子雑誌『旅色』で連載する文学旅行に丸かぶりだったんです。こ、こ、これは、宣伝する絶好のチャンスではないか! と思った次第なのですよ、はい。厚かましいにも程がありますよね😅


YouTube『山田五郎オトナの教養講座』と丸かぶる

「佐伯祐三 絵の道へ!」 
佐伯は、まだ学生だったにもかかわらず、目白文化村にアトリエを建てるほど裕福な家に生まれた

 山田五郎氏は、佐伯祐三が高校の先輩でもあることから思い入れも強く、今まで番組で取り上げることを逆に避けていたとのこと。しかし、4月15日(土)から6月25日(日)まで大阪中之島美術館で「特別展佐伯祐三──自画像としての風景」が開催されていることもあって、このタイミングで取り上げることにした、ということでした。

 番組は「顔のない自画像の謎」を追いかけるかたちで進みます。途中、佐伯がアトリエを置いた場所は、同時並行的に目白文化村として開発されていく地域だったことに言及。以後、そこには多くの芸術家が集まってくることになり、現在、新宿区は彼らの遺構(って、そんなに古くないか)の保存に努めているのです。佐伯のアトリエだけでなく、佐伯が影響を受けたとみられる中村つねのアトリエ、また小説家の林芙美子の邸宅などがそれで、山田五郎氏も「新宿区は偉いんだよ〜」と感嘆。目白文化村は、今の住所でいえば新宿区落合や中井になり、東京の知られざる〝良い場所〟として、紹介されています。

地域には小説家も集まった。『放浪記』の林芙美子もその一人
佐伯よりも少し先に目白文化村にアトリエを建てた中村彝。二人の関係やいかに

 で、この地域を、私たちは、電子雑誌『旅色』で芸術散策プランとして造成しています。それが以下。落合から中井にかけての地域は、昭和レジェンドマンガ『バカボン』作者、赤塚不二夫の自宅があったことでも知られ、『旅色』では赤塚先生行きつけのお寿司屋さんを紹介しました。

文学旅行では、ちょっと違う視点で謎を追う

https://tabiiro.jp/plan/1103/

 上記のプランは、山田五郎さんとは少し視点が違います。落合、中井、そして一部中野を含めた地域名称なのに、目白文化村はなぜ「目白」と称したのか、その謎を追うかたちをとりました。
 東京近郊にお住まいの方なら、落合から中野にかけての地域と、JR目白駅とは、ずいぶん離れていることに違和感を持つに違いありません。いや、実際、離れているのですよ、はい。

 う〜ん、なぜだろう。。。
(答えは『旅色』の連載でね)

 また、この地域は、神田川と妙正寺川が「落ち合う」場所だったことから、落合(おちあい)の地名になったとされています。その豊かな水量を利用して、明治の頃から染め物業者が集まって来、地域産業化されてゆきました。その面影は現代にも色濃く残っていて、毎年2月下旬には、染色作家と商店街店舗とが協力し、周辺地区を染め物でいっぱいにするイベント「染の小道」が行われます。ちょっといいでしょう↓

イベント「染の小道」

 ↓こちらは佐伯祐三アトリエの内部。

佐伯祐三のアトリエ付き住居。裕福だっただけあって住居としてもシャレオツ

 地域は、大変に風情のある、そして近代からの歴史を感じさせる高級住宅地なのです。そして、同時にそこは、文学と芸術を散歩する旅の「穴場」なのですよ、はい。

 いつも楽しく観ている『山田五郎オトナの教養講座』との丸かぶりに驚き、厚顔無恥にも、思わず私たちの連載と結びつけてしまいました。ああ、あ、穴があったら……覗きたい。
 何のこっちゃ。

 おしまい。


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 日常に想像力の旅行を。

鹿子沢ヒコーキ 拝

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