偉大なるMO
おはようございます🌞藍郎です。
勤めている(バイト)除草屋の仕事もだいぶ慣れてきました。少しづつ点と点が繋がり場面ごとに適切な動きができる様になってきました。
それと共に私の人格も理解される様になり周りの仲間が様々な配慮をしてくれます。
理解力の乏しい私に対して・二言三言の呟き指示・では伝わらない事がわかってくれた様で文章化した説明をジェスチャー付きで披露してくれたりします。
大変に嬉しい出来事でひと安心😮💨。
始めて1〜2ヵ月は激烈苦労しましたが、そもそも日本中から天使の様に愛され神の如き畏敬の念を持たれている私が能力的にも人格的にも通用しない訳がない。それが証明された訳だ。
ワッハハハハ🤣🤣‼️。
このまま除草屋さんになるのも悪くないかなぁ…なんてね🌱🌱。
…
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さて、この手の現場仕事では様々な経歴の人がいます。同僚の一人にMO(も)さんと呼ばれている人がいます。
もちろん彼にも列記とした名前があるのですが頭文字だけで呼ばれているオジサン。
MO(も)は60代のオジサンで前職は特許事務所で働いていたらしい。3年前に退職して除草屋に転職(バイト)。現在は猫と二人(一人と一匹)で暮らす準高齢者🧓。
この男は60代前半ながら朝から疲れ切った表情に哀愁を感じさせる目でまるで70代以上に見えます。顔には老人性のシミがポツポツといくつもあり大きめのゴミか鼻糞がくっついている様にみえる…。
彼は職場では能無しとして認知されており多くの人から軽く扱われております。
特に上層部からの扱いは厳しく現場監督(43)から呼ばれる時は…、
・MO(も)、又はMO(も)太郎、そうでなければ・ハイハイおじさん。ボケ老人。
監督「おい、MO(も)太郎!バッテリー持って来い!!」
も「あっ、はい!バッテリーっすね、はい!!」
監督「間違えんなよ、40ボルトのバッテリーだからな!分かった!?このハイハイおじさんが!!」
も「あっ、はい!はい、取ってきます!!」
MO走り去る
監督「チッ…、ボケ老人め。」
と万事こんな調子である。
も、さんと私は度々(たびたび)一緒に組まされて同じ仕事をやらされるのだが控えめにいっても彼はポンコツである。
少し重い荷物をトラックから降ろしたりする作業等で、
も「おぃ、篠田〜。前にも言ったけど俺は肋(あばら)にヒビが入ってるから重いもんは持てないんだわ〜。」
と、何故か得意げに言う。
同じトラックに同乗すると、
も「毎晩、寝る時に足がつってつってどうしようもないよ…。明日、仕事に行けるかどうか不安になる。そんな気持ちはお前には分からんだろ?」
と、これまた何故か不敵にニヤリと笑う。返す言葉を私は思いつかない。
も、は別のあだ名で小舅(こじゅうと)とも呼ばれているのだが仕事中は私に対して大変に小うるさい。特に(私の様な)何も知らない新人が入ってくると親切ヅラをしながらマウンティングをかましまくるのである。
やれ私の箒(ほうき)の使い方がどうの、動線の動き方がどうのこうの、車のバック誘導があーだこーだ、刃物の研ぎ方が何たらかんたら…、と隙あらば言ってくる。言ってくるアドバイスは役に立つ事とたたない事が半々といったところ。
彼の理屈としては自分自身50代後半で入った(この)会社で誰にも仕事を教えてもらえず酷い目にあったので後輩である人(私とか)には親切心から教えてあげている、らしい。
それは非常にウザく時には極めて不快だが、なまじ正論めいているので上層部も黙認している。もちろん全て親切心というわけではない。こんな事があった。
私とも、で草が散らかった道を掃除していた。二人とも疲れているので無言である。
そこにさっきまで別現場にいた専務(一番偉い人)が通りかかった。
も、が専務を認識した刹那(せつな)、、!
も、「おぃ〜篠田〜!!何度も言わせんなよ。箒の持ち方はコウ(やってみせる)だよ。これが力が入るし率がいいだろ!?ホラ、やってみろ。」
私「あっ、はぁ…(仕方なくやってみる)。」
も、「なっ!率が全然違うだろ?お前は何度言っても分からない様だが俺が入った頃はコイツ駄目だってなったが最後…。」
専務通り過ぎ気配がなくなる
も、「うん…、まぁそういうアレだな。うん。」
も、再び無言になる。黙々と作業をする…。
別の日
私とも、は昼休憩中である。午前の作業で二人ともクタクタ。座り込んでしまっている…、
そこへ例によって専務が通りかかる。
も、突如目の前の熊手(くまで)を数え始める。
も、「3..4...5...。えっ〜とぉ、、、おい篠田!お前の熊手は現場にあるよな?」
私「えっ?えっとぉ〜、ああ、、はい。確か有りますね…。」
も、「うん、、って〜事はぁ…6...7....。うん、良し!あるな。」
専務通り過ぎる。
も、スイッチが切れた様に無言になる…。
…
…
彼は保身で一生懸命。そのために使って問題がなさそうなもの(私の様な新人)はなんでも使う。彼の挙動は中々にシュールである。
こんな風に書くと読者に私が彼を見下している様に捉えられてしまうだろうか?
容姿が悪く無能で常にビクビクしている哀れな老人をブログのネタにしていると思うだろうか?
断じて違う。
私は彼を尊敬している。無能で周り中の年下から馬鹿にされても必死で生きている。なりふり構わず仕事にしがみつく彼の姿は時に強く胸を打つ。
その彼の生き方は
生きる、
とは何なのか?
を教えてくれている、もっと言えば問いを投げかけてくれている…。
そんな気がしてならない。
snsの普及により冷たくなる一方の世の中で彼の様な人材に気付けた事は私にとって幸運である。
彼は明日も明後日(あさって)も私に問いを投げかけてくれるだろう。
彼の声が聞こえる…。
、お前は草刈りをやりたくてやってるの?
、いま金があったとしたら何がしたい?
、お前が死ぬ5分前に何を思うかな?
、お前の娘の幸せをどう定義する?
どれも厳しい質問である。だって答えがないんだもん…。
…
うむ、こう思わせるMO(も)は偉大な人である。私も彼の様な人になりたい。
誰からも馬鹿にされ、軽く扱われ、気が弱くケチでせこい…、
一方で誰からも愛され誰もが必要としている。
そんな人に…、偉大なも、さんに…、
私もなりたい。
その辺の名もなき人にこそ学ぶべきものはあるのだ。
ではまた👋