朝日の思い出、秋と共に
朝の仕事はいつも憂鬱だ。
なにせここは北海道だし、まだ雪も降っていないのに白鳥が早くに空を渡っていて寒い。
そんな中の唯一の楽しみが、職場から見下ろす景色だった。
心なしばかりの防風林がわずかに色付き、昇り立ての太陽を木漏れ日が輝いて美しい。
昔、あそこに住んでいたんだったか。
自ら選んだ委員会だって、子どもの頃は朝早い活動がどこか嫌に思っていた。その時見た、人もまだらな教室から射し込む朝日の廊下が、今も鮮明に思い出すことが出来る。
学生生活、楽しいことばかりではなかったけれど、やはり、自然の美しさに敵うものはないのだろう。
ひやりと冷たい風が、もうすぐ冬を告げる。
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