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Something is missing.

2回目のエッセイ。わたしのかんがえてること、垂れ流していきます。

映画を観に行ってきた。 もう、終わりだね。 からはじまる映画。オフコースの曲とは感慨深い。わたしが生まれる前から聴いている曲である。小田和正さんによる英才胎教育。24年経っても好きです。わたしのいちばん尊敬する脚本家が書いたわたしのいちばん好きなドラマの主題歌、『ラブストーリーは突然に』。母のお腹で聴いていたからか、イントロからもう最高に懐かしい。赤名りかさんのファンなのでドラマ観るたびにカンチ・三上・さとみちゃんにブチギレかますのはお家芸です。

冬景色ってすごく好き。というか雪国に住んだことがない無知ゆえの理想化が凄まじく、いちめん真っ白の景色に強い憧れがある。まだだれも歩いたことのない雪の上を、自分のものにするときの高揚感。わたしの足跡の神秘は想像の域を超えない。雪は積もったままの姿が美しい。なんて、処女信仰はしないけれど。白い床に寝転んで、手足をバタバタさせて、天の使いを生み出すあの作業も、郷愁があっていいなあと思う。非雪国育ちなので、やったことはたぶん、ないんだけどね。

夏よりも冬が好き。圧倒的に。やさしくないところがいい。変に期待を持たせないところがいい。切なさそのものみたいなところがいい。そう、冬という季節はそれ自体、哀しいのだ。だから夏みたいに、明るいくせに陽が沈むと途端に暗くなってわたしを怖がらせたりしない。冬はただ静かで、ただそこに存在するだけ。

現実は想像を超えない(と思う)。わたしが『東京ラブストーリー』を観て、ひたすら固定電話で連絡を取り合ったり、伝える手段がなくて行き違いが起きたりする、あのもどかしさに憧れること。眩しくて分厚い雪に膝まですっぽり覆われたり、吹きつける冷気に頬や鼻を真っ赤に染めたりしてみたいと想うこと。それは知らないからこそ見つづけられる夢であって、体験すると案外いいことばかりでないということが分かってしまう。でも、それをも愛することができるとも思う、無知ゆえに。

寒くなってくると、ドラマ『カルテット』を観たくなる。

「音楽っていうのはドーナツの穴のようなものだ。何かが欠けてる奴が奏でるから音楽になるんだよねって」

『カルテット 合本版』 坂本裕二

その方法に拘らず、表現にはそういうところがあると思う。わたしは確かに、この言葉に救われた。欠けていて良かったとさえ、思うこともある。だからわたしはこうして言葉を紡ぐ。 “Something is missing” (なにかが足りない)は、わたしの人生のテーマだ。いつも何かを求めている、なにかを探している。

いつか巡り会えたとき、わたしの世界は完全になる(とおもっている)。その瞬間まで、表現よ、どうかわたしを生かしていて。

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