『We Can Funk (1)』朗読
プリンスの曲を聴いて
浮かんできた情景・物語・言葉等を
オリジナルの詩として起こした
【プリンス曲妄想文】の朗読
*
フロアで踊る彼女を何人もの男が眺めている。
僕もその一人。
その体のラインと動きに見とれてしまって、
時が経つのも忘れてしまう。
きっと誰もが彼女に抱きつきたいくらいだろうけど、
決してそれを許さない。
悩ましげな表情に
誘われているかのような錯覚に陥る。
かと思うと、
あまりの清らかな表情に
指一本触れてはいけない気すらする。
その腰つきは露骨に女を感じさせるものだから、
今すぐにでも腕をつかんで押し倒したくなる。
かと思えば、
母のような圧倒的な力強さがあって、
ただただ、すがりたい気持ちになる。
彼女に対する駆られるような想いと、
何故か満たされるような想いの中を、
行ったり来たりする。
そんな風に思っているうちに曲は終わり、
彼女はどこかへ行ってしまった。
僕は彼女の姿を反芻しながら、
彼女がまたフロアに戻るのをぼんやり待つだけ。
*
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