異常遠征狂記(21)〜2020年春の卒業旅行(遠征)が全部潰れた話〜

2019年の夏旅が終わって、次を考えていたオタクに飛び込んできた情報。

「世界一好きなバンドDark Fortressが2020年に新譜を出してそれに伴うライブをする」

オタクは舞い上がりました。これまでの遠征狂記に書いているように何度か彼らのライブ自体は観ていましたが、全てフェスでの公演でセットは長くても1時間弱だったので、箱でフルセットをやるのは観たことがなかったからです。
発表された新譜リリースに伴うライブはドイツとオランダで計4公演のみでしたが、遂にフルセットのライブが観られるし、しかも6年ぶりに新しいアルバムも出るなんて、最高に嬉しかった。推しの新作ほど心躍るものはありません。

そしてライブの時期が翌年の春だったのもとても都合がよかったのです。
オタクは翌2020年春に卒業を控えており、卒業後にちょっとしたイベントで家族での渡欧を検討していたため、卒業旅行やんけ!と大盛り上がりでした。

Dark Fortressのライブの他にも、25周年記念で凄まじいメンツだったノルウェーのブラックメタル系フェスInferno Metal festivalや、さらにBlutengelDYNAZTYTriptykonElvenkingTwilight Forceなどの大好きなバンド達の公演も加えて遠征日程が固まり、航空券もそろえ、チケットを買ってワクワクしながら指折り数えて待っていましたが、2020年の2月頃、不穏な気配が漂ってきました。

そうです。やつ(コロナ)です。


連日報道される未知のウイルスの情報に戦々恐々としながらギリギリまで待ってみたものの、ElvenkingやRagnarok festivalが延期され、出入国が厳しくなり、3月半ばにDark Fortressのライブ4公演全てが中止になった時点で心が折れました。これ、日本から出られないやつだわ。

航空券やホテルは全てキャンセルし、Dark Fortressのチケットは払い戻しになり、何もかも白紙になってしまいました。
新譜だけは予定どおりに出たのがせめてもの救いでした。

あえなく中止になった新譜リリースライブ


ただ、この春の時点では誰もあんなに長引くと思っていなかったので、まだ同年の秋に延期になったり、秋頃の新しいツアーの日程はどんどん発表されていました。
しょうがないから秋に行くか、と思うなどしていましたが、それも次々キャンセルや延期になり玉砕。この辺りで先が見えないことを確信して益々生気が失われていきました。

国内でのライブもほとんどなくなり、遠征に行かない、好きなバンドのライブが観られないなんて時が止まったも同然。日々虚しく同じことを繰り返し、時折出る新譜だけが心の拠り所でした。
遠征民の間で慰め合いというか傷の舐め合いをしていたのもかなりストレスの解消になったと思います。同志というのはありがたい存在ですね。

翌2021年、欧州は少しずつ規制が緩和されたり強まったりを繰り返し、開催されるライブとまた延期になるライブが混在している状態だったのを覚えています。前半はまだまだ延期や中止になるライブの方が多かったですが、年末にかけては国を跨がない小さな国内ツアーや単独の公演などは開催されるようになっていました。2021年末にはThulcandraのツアーなど開催されていた記憶があります。

また、この年はライブに行けない分音源を聴く時間がかなり増えました。この年は出る新譜の量や質がかなり高かったような気がします。ジャーマンブラック界ではHFTSThronAgrypnieDWeFなど、それ以外でもTribulationHelloweenTriviumなどなど強力な作品が沢山あって耳は幸せでした。
でもやっぱり、というか曲が良かったので尚更ライブで五感全部を使って音楽を味わいたい...!という思いが強くなりました。この年は国内のライブに1回行っただけ、とかそういう感じでしたね。ライブがないとほとんど記憶がなくて、丸々1年消滅した感覚です。2020年と2021年は職が変わったくらいしか大きなことがなく、私の中ではほぼ存在しなかったことになっています。時間が飛んだような変な感覚です。

さて、2年タイムスリップして2022年の初め頃も同様に規模の比較的大きいライブやツアーは延期になっていましたが、少しずつイベント規制の緩和が進んでいき、2022年2月に入ったあたりでの海外の入国規制緩和と日本再入国時の規制緩和がなされ始めたことにより、ようやく私の日常と非日常が帰ってくることになります。
遠征に行けなかった期間は2年ほどではありましたが、当時は途方もなく長い時間が経ったように感じていました。まだまだ不安はありつつも再びライブに行ける喜びはひとしおでしたね。

とはいえ、延期先の日程が合わなかったり、2021年とか行けない間に開催されてしまったライブも多々あり、この2年ちょっとの間に買っていたチケットはかなりの枚数が紙くずと化しました。南無。遠征同志とお焚き上げ行くか?とか言ってた気がします。

2022年の初めはこんな状態だった

また、制限が緩和されても今度はみんなが延期公演のチケットを既に持っているからか新規公演のチケットの売れ行きが芳しくないとか、コストの上昇などでライブやツアーが中止になったりすることは続いており、不安定な状況であることは変わりがなく、実際2022年の遠征中にも公演が中止になる事態が起きていました。はよう推しが笑顔で音楽活動いっぱいできる状況になってほしい。

そんな中、次回は2022年4月の遠征狂記です。
気長にお待ちください...

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