見出し画像

【火の用心】おみそ汁、危機一髪!

時折、note投稿に関するHow to記事などを読ませてもらっていますが、もしも書くことに困ったら、成功体験よりも失敗談を書いた方が面白い、ということが書いてありました。

私はむしろ幼い頃から失敗ばかりしてきたので、どうして周りのみんなは上手く出来るんだろう、どうして自分だけ間違えてしまうんだろうとずっと思っていました。誰だって最初から成功したいのです。失敗なんてしないに越したことはないと思うのです。

しかし今こうしてnoteと出会い、今までの数々の失敗を糧に出来るのであれば、私にとって大きな武器になるのではないかと思い、さっそくではありますが、お味噌汁を温めるつもりが危うく大事になりかけた話を書きたいと思います。

小学4年生のある休日、その日は一人で家に居て、お昼ご飯を食べようと思い、鍋の中の味噌汁をお椀に注ぎ、炊飯器からご飯をよそい、テーブルに置きました。一口飲んだ味噌汁は、冷めているというほどではないものの、若干ぬるい気がしたので温め直そうとしました。

普通は、一度お鍋に戻して温め直すか、耐熱性のお椀であればラップを掛けて電子レンジに入れて温める、という発想になると思います。しかし私は、一度口をつけたものを鍋の中に戻すことに気が引けて、味噌汁の入ったお椀をそのままガスコンロの上に乗せました。

通常の鍋やフライパンは底が平らなので、ガスコンロの五徳(ごとく)の部分に鍋の底が接地するようになっています。しかし小さなお椀の形状では、コンロ中央の窪みにちょうどよく填まり、直火に近いバーナーキャップの上に直接乗ってしまうのです。

無知とは本当に罪なものですが、私はただ、温かいお味噌汁が飲みたかっただけなのです。お椀をコンロに置き、着火しました。

ベリッ、メリメリメリメリッ!

直火にかけたお椀は瞬く間に黒く焦げつき、元の形が分からなくなるほど、ぐにゃぐにゃに形を変えていきます。当然ながら中の味噌汁はすべて火の中にこぼれ落ち、大きな音と、天井まで届きそうなほどの激しい炎が上がりました。

怖くなった私は慌てて火を消しました。やがて炎は収まったものの、コンロの真ん中には、ほんの少し前まではお椀だったはずの、黒焦げの何かが残りました。目の前の光景に、私はただ呆然と立ち尽くすことしか出来ませんでした。

その後、私はその真っ黒に焦げた何かをそっと持ち出し、家の裏に穴を掘って証拠隠滅…いや、丁重に供養しました。

それからというもの、その土の下からは、次々と新しい芽が顔を出し、春が訪れるたびに綺麗な花を咲かせ…てはいませんでした。

子供の頃とはいえ、我ながらみっともない話でしたが、最後までお読み頂き、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?