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自分の弱さから、目を逸らさずにいて

 
まず最初に今回のタイトルは、2000年9月にリリースされたKAB.さんの『本当は泣きたいクセに』という曲の一節を使わせて頂きました。記事内でも歌詞の一部をいくつか引用させて頂いております。

いつも皆さんのnoteを楽しく拝見させてもらっていますが、つい先日、ミモザさんの『強い人』というnote記事を読んで、深く感銘を受けました。

個人的にお気に入りのnote記事は、いつもありがたく「スキ」を押させてもらっていますが、この時はなぜか、それすらも忘れてしまうほど、言い知れぬ感情が心の深い場所で何かを探しているような不思議な読後感が残りました。

同時に、昔どこかで同じような気持ちに出会ったことを思い出したのです。「あれは確か…」と頼りない記憶の糸を手繰って行くと、20年前によく聴いた、KAB.さんの『本当は泣きたいクセに』という曲に辿り着きました。


友達の幸せに 頷きながら
「よかったな」と 大げさに肩を叩き
今日は朝まで付き合うよ、だなんて
飲みかけのビールを 流し込む君

そんな楽しそうにしなくていい
自分の弱さから 目を逸らさずにいて

ミモザさんの記事でも語られていた、弱さを見せない強い人と、弱さをさらけ出せる強い人。また、見せない強さと、見せられない弱さの違いについて。

周りに心配を掛けまいと気丈に振る舞うことと、強い人と思われたいがためのアピールは、明確に違いがあります。『本当は泣きたいクセに』の歌詞を読み取る限り、歌の中の「君」は、友達の幸せを一緒に喜ぶ思いやりの持ち主だということがわかります。しかしながら、「大げさに」「楽しそうに」という言葉から、おそらく当人は、その友達のような幸せを味わえていない状況なのかも知れません。

笑顔が多いほど 淋しがり屋で
はしゃぐことばかりを 考えている
辛さを掻き消すように おどける度に
“君は強い人”と 呼ばれてくの?

悩みを一人抱えなくていい
自分を飾る言葉 選ばずにいて

心優しい人ほど、自分の沈んでいる姿を見せないようにするものですが、「淋しがり屋」「辛さを掻き消すように」などのフレーズから、本当はとても苦しい胸の内を隠している「君」のもどかしさが伝わってきます。

素直になれ 憂鬱の日々が
少しでも 消えてゆくように

温かい心を持っている「君」だからこそ、時々は素直になって、周りの人を大切に思う気持ちと同じくらい、自分のことも大切に思ってあげてほしいということ。時には弱さをさらけ出せることも強さなのだということが、この歌の切実なメッセージとして感じられました。


今回は柄にもなく真面目なことを書いてしまいましたが、きっかけとなったミモザさんのnote記事、KAB.さんのミュージックビデオ、共にご視聴頂けたら嬉しいです。最後までお読み下さり、ありがとうございました。

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