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大航海と500年後のファンファーレ

作曲家すぎやまこういち先生の訃報を知り、今年の東京五輪の開会式でも使われたドラゴンクエスト『序曲:ロトのテーマ』を真っ先に思い浮かべた方も多いと思います。その功績については、ぜひ熱い記事を書いているおひたちさんの記事へ↓↓↓

ゲームについてあまり詳しくない私でも、ドラゴンクエスト3のサウンドトラックのCDを買ってもらって、枕元のラジカセで何度も繰り返し聴いていた程ですから、すぎやま先生の音楽が今日までどれだけ多くの人々の胸に刻まれたのだろうと思うと、途方もない気持ちになります。実は私がドラクエのサントラを好んで聴くようになったのは、小学6年生の時の学芸会がきっかけでした。

私の通っていた小学校では毎年、1年生、3年生、6年生が演劇、2年生、4年生、5年生が器楽演奏をステージで披露します。ちなみに4年生の時に演奏した曲の話もぜひ↓↓↓

そして最上級生になった私たちの最後の演目は『コロンブス』でした。

1492年にコロンブス一行が大西洋航路を発見しアメリカ大陸に到達、そして私達が6年生になったのが、それからちょうど500年後の1992年。これ以上ない巡り合わせのために何年も前から脚本を温めていた先生方の熱の入りようも相当なもので、後に「今年のテーマは、君たちが入学する前から決まっていた」とも言われたほどです。

ところで本筋からは大きく逸れますが、ここでコロンブスの功績を「新大陸を発見」ではなく「大西洋航路を発見」と書いた理由は、

① まず「新大陸」という表現そのものが西洋人から見た視点であって、大陸では原住民が長い期間をかけて築いた独自の文化と歴史が存在していること

② その以前にバイキングが漂流の末に大陸へ到達している説が立証されており、コロンブスが最初に大陸を発見したという説はすでに覆っていること

③ コロンブス上陸以後の原住民への弾圧と迫害の歴史は、西洋の側から見れば英雄だとしても、美談として語るには個人的に抵抗があること、の3点です。

しかしながら実際の演劇のシナリオは、まだ一部では地球が平面であると信じていた者も居た時代に、長い航海の途中で陸地の見えない焦りから仲間割れや争いが起こるものの、最後まで希望を捨てずに突き進み、ついに黄金の国(ではありませんでしたが)へ辿り着く、という感動的なシナリオであり、世紀の大発見の功績と、幾多もの苦難にも負けず彼らをまとめあげた、大提督コロンブスの求心力を魅力的に描いた脚本となりました。

蛇足になりますが、1年生の演目は『桃太郎』でした。しかし創作とはいえ、別の視点からこの物語を「桃太郎一味による鬼ヶ島住民への略奪行為」と捉えてしまっては演劇そのものに嫌味が付いてしまいます。従って今回の『コロンブス』の脚本もまた、偏った側からしか描くことが出来ないのは致し方ないと理解はしています。そもそも小学生の当時は「コロンブスがアメリカ大陸を発見した」程度の知識しかなく、疑問や違和感を覚えることもありませんでした。

話は戻って学芸会の本番当日。この演劇に使われた劇中音楽が、ドラゴンクエストの交響組曲でした。

体育館の照明が落ち、館内が静まり返り、ステージにスポットライトが灯ります。そして舞台の幕開けと同時に『序曲:ロトのテーマ』が流れた瞬間、会場いっぱいに揺れるような大歓声が起こりました。

演じる6年生はリハーサルで既に知っている訳ですが、下級生たちにとっては思いも寄らないサプライズで、どこからともなく「ドラクエだぁぁぁ!!!」と幾つもの声が上がりました。さらに劇中ではスペイン宮廷での歓迎シーンや、航海中の仲間同士の切迫したやり取りなど適材適所に各テーマ曲が使われていて、ドラクエ音楽の効果もあり演劇は大団円、小学校の思い出としても特に強く印象に残る出来事になったのです。

 

最後に、色々と騒がれた東京五輪ですが、開会式の入場行進のファンファーレは鳥肌が立つほど感動したとの声も多くあります。日本だけでなく世界に誇れる音楽として、すぎやまこういち先生の偉大な功績は今後も何一つ色褪せることはないと思っております。

 

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さて、水曜土曜はすまスパの日。

今回は初めてのピリカ&カニ&こーたの3人トーク。今までの放送回の振り返りと、なぜかいつものご飯トークです。そして何を言っても結局はお姉さま二人に負けてしまう末っ子なのでした。

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