観了記録25「あのコはだぁれ?」
あのコはだぁれ?を見た。清水崇の最新作だけあっていい雰囲気で面白かった。前作の皆ミンナノウタを観ていなかったが怖い雰囲気は伝わって来た。
初っ端からインパクトのある映像で始まっている。宣伝で見たトラックに吹き飛ばされる映像はどこなのだろうかと思っていたが、まさかの最初のシーンだった。退場最速を飾った主人公の恋人は染谷将太だった。ここら辺のシーンからミンナノウタの関連シーンがあったらしい。パンフレットでよんだだけだが。
恐怖シーンは流石に清水崇で最高だった。呪怨や村シリーズもそうだった気がするが、とにかく雰囲気作りがうまいと感じる。足音や音のない歩行、無音などそういう恐怖の演出が本当に気持ちいい。基本的に恐怖は余白から生じるが、その作り方が本当に背筋が凍る。
逆に雰囲気はいいが、肝心のホラー演出やオチがいまいちだった。さなとしての都合上なのかいまいち雰囲気ホラーの域を出ない。女学生の幼馴染は本当にふっと消えるし、不良っぽい生徒の片割れも夢遊病のようにプリクラの中に消えていく。一番は主人公がさなの家にいったあたりとUFOキャッチャーのあたりだったと思う。飲み込まれるかと思うほどの恐怖体験だった。UFOキャッチャーの方は怖いと言えば怖いが、どうしても見た目がエレキテル連合のあの人形がチラついて集中できなかった。
オチが一番納得いかなかった。校長や先輩教師、生徒たちが続々と消えていく様が怖いというのに、エンディングでは何事もなかったかのように元の場所に立ちすくしている。さなの呪いは一体何だったやねんという感想が第一に出てしまう程度には不満だった。結局死んだのは最初に落とされたギャルだけである。
取り込まれてから呪いが発動するまでのタイムラグもよくわからない。そんなナーヴギアみたいなことしなくてもいいから全員殺しといてほしい。間一髪という感じでもなく、実は生きてます、とかされたら興醒めもいいとこである。
好みの差と言ってしまえばそれまでだがホラーに求めているのは理不尽な呪いや悪意で奮闘むなしく死んでいくのが醍醐味だと思う。病院の廊下の電気が端からどんどんと消えていく様なんて絶頂物だろうに。そういうオチでいえばリゾートバイトやきさらぎ駅の方が良かった。あの監督の作品は後半が問題なのだが。
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