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小さな恋の物語

こんにちは、メザニンです。

私の住んでいる地域では沢山の温泉郷があります。
千人風呂として有名な酸ヶ湯や、(混浴です)、湯瀬温泉、
八幡平温泉郷、花巻温泉、浅虫温泉、つなぎ温泉等、
軽くドライブしながら、温泉を楽しめます。

そんな訳で、私の車には常に温泉に入れるよう、
お風呂道具が積まれています。

少し話は、変わりますが、青森の漁師町では
魚を取る網で体を洗ったりしていました。
というか、今でも温泉に行くと、使っている方を見ます。
リサイクルです。

さて、そのお風呂道具はこんな感じなのですが、

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シャンプー、ボディソープ、洗顔やタオル等が、はいっています。

これを抱えて、反対の手には、バスタオルや着替えを入れたバックを持っているので両手が埋まっています

*こんな感じ

あ

そんなある日、温泉を満喫して、
帰ろうと車に向かっていた時の事でした。

対面からくる奇麗な若い男の方と目があったのです。
その方は約束のネバーランドでいうと、ノーマンのような、
鬼滅の刃でいえば、富岡義勇のような、お方でした。

そのノーマンは、これから温泉に入るのでしょう、
湯上りの私をちらっと見て、すぐ目線を外しました。

私もあんまり見ては、失礼になると思い視線を外し、
自分の車まで歩いて行きました。

季節は秋ごろです。
今よりもまだ風は優しく夕方という時間帯も手伝って、
ノーマンと私はお互いすれ違いに軽く顔を斜めに会釈をしました。

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私は物凄く振り返ってみたいという、衝動にかられました。
が、我慢しました。
そして車に着き、
車のカギを探すため、お風呂道具を一旦車の上におき、バックの中をあさっていました。

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そうすると、なぜか視線を感じます。
まさか、と思い、ノーマンの方を見ます。

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すると、ノーマンは温泉の玄関先で私の方を見ているではありませんか!!

私はどぎまぎしながら、車のカギを探しますが、なぜか見つかりません。
あれ?いつもこの辺に入ってるのに、、
だんだん緊張してきて、
ますます視野が狭くなっていくのがわかります。
頭の中は鍵よりも、ノーマンの事でいっぱいです。

”まさか、もう見てないよね。温泉にいったよね?

いなかったら寂しいと思う気持ちと、
まだ見てたらどうしようという
ドキドキの混ざった感情でもう一度、
ノーマンの立っている玄関先を横目で軽く見ました。

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きゃ~、まだ、見ています!しかもとてもやさしい目線です。
ドキドキしていた時、探していた車のカギが手にあたり、
急いで、車に乗り込みました。

そして、エンジンをかけ、最後にもう一度ノーマンの顔を見ます。

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彼は、口をあけ、私に何かをいいたそうでしたが、
私はゆっくり目をつむり、さよならと、心で言いました。

そして、車を走らせ、彼の事をバックミラーでもう一度見ました。

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ノーマンは私に何かを伝えたいような様子でこっちを見ていました。
それでも私は、もう振り返りません。

さよならノーマン。 一瞬のやすらぎをありがとう。

と、言ってハンドルを切った時、
ドッシャーンっという音が、響きました。

なんだ?なんだ?と
音のする方を見ると、
私の風呂道具が道路にぶちまけてあったのです

あ!!と、気づきました。
車の上に風呂道具をおいたまま、私は発車してしまったのです。

道路に散乱する私の風呂道具、、、、

そして、後続車両に次々に踏まれていきます。

その時私は、ハッと気がつきました。
ノーマンが私に伝えたかった事。

それは、きっと
”風呂道具を車の上にのせて走ってるよ”
と、いう事だったのです。

一人で盛りあがり、勘違いしていた自意識過剰のおっさんと、
無残に飛び散った風呂道具が夕日と共に沈んでいきました。




今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!!






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