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働くってどうなにょ? #01

「公私混同と属人主義を求める会社は世に逆行しているの?」

さて、前回は会社としてというか、私として社員には「一騎当千」の能力を求める的なお話をしましたが、「じゃあお前はどうなんだよ」というブーメランが戻ってきそうなので、少々私のお話とその働いてきた経験を紹介しておきます。


・私のキャリア

私はデザイン会社、官公庁の外部団体、広告代理店、メーカーデザイン部、コンサルティングファーム、IT企業を経て、現在に至るわけなんですが、30代のほとんどをフリーランスとして過ごしました。転職の数はまあまあの回数なのはご想像の通りです。

雇われ社長のような役職も経験しましたし、事業部長として事業トップを務めたこともあります。また、アートディレクターとしてクリエイティブのコントロールも行ってきましたが、根本的な意識は変わっていません。何をしようが、しなければならなかろうが、私はどこまで行ってもデザイナーという人種でしかなく、思考はそこから始まるのです。私にとって、デザイナーは職業ではなく、生き方、人種という捉え方です。したがって、デザイナーのまま他の職種をしているに過ぎないという感覚は今も同じで、デザイナーのままで代表をしています。

・フリーランス時代の働き方

フリーランスといえば現在は当たり前のような存在ですが、今から25年以上前はまだ、周辺の理解は現在とは違い、自由業のようなものとも混同されていました。まあ、自由って思われがちなんですかね。もちろん、それまでのキャリアの延長でクライアントと直接仕事をするんですが、テンポラリーな案件というよりも、年度更新の契約で、基本の月額があって都度の予算は別という感じの、サブスクプラス別予算という感じのものが多く、最大で60社と契約を行っていた時期もあります。死にましたが。

エディトリアルデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、映像、webデザイン、イラストレーション、展示会など多岐にわたってのプランニングからデザイン、シナリオやライティング、撮影、編集などなど、一人でもできるんですが、案件ごとにフリーランスを何十人もアサインして日々を過ごしていました。グループ会社の事業立ち上げなんてのもありましたね。

こうなると、24時間365日は当たり前に勤務している状態になりますので、一見大変そうなんですが、そもそも自分でコントロールできるように契約をしているので、わりと休み時間はあったんですよね。ただ、スイッチが切り替わる感じでONとOFFではないんですよこれが。

・信頼の重要性

上手に説明できるかわかりませんが、起きている間はずーっと仕事モードですが、そのまま映画館に行ったり、飲みに行ったりしているんです。必要な際に必要な能力を発揮できればよく、それができる大きな要因は「握り」という概念です。この働き方に関しては、クライアントには理解してもらう「握り」をしていますし、アサインしているスタッフには、どの時間に連絡可能かの「握り」を常時している状況です。そんなの「約束」じゃんていいますけど、「握り」には強弱が存在し、そのバックボーンになるのが「信頼」です。勘違いしてはいけないのが、契約書などで交わすのは「信用」「与信」です。「信頼」には文書も存在しませんし、コミットもありません。

どうすればいいのか?ですけれども、これは時間経過とその成果における説得力でしかないので、今日明日で「信頼」はされません。しかも「信頼」を失うのは一瞬です。まさに持続力がない限り、発生しないものだと思います。とにかく、クライアントにストレスがかからないように、予測と予感をまとめて対策してある状態で日々を過ごしているだけです。

・公私混同による自由な働き方と属人性の利点

利点と言えば、別角度で考えるとセロトニンとドーパミンがバランスしやすいのも特徴です。とにかく外に出て太陽浴びて歩き回るんで、セロトニンが出て非常に良いモチベーションが保てるのと、なにせルーティンワークとは無縁で、初めてやる挑戦的な仕事が多く刺激が多いもので、ドーパミンも出て自己肯定感も高まりやすく。自分の機嫌は自分でとるのが肝心ですので、その活動内容自体が性に合っていたのは事実です。

定性的なようでいますが、やってることは定量で測れます。実際に仕事になってるわけですので。この辺は、理解できる人とできない人に分かれるところで、どっちが正しいという話ではないです。

例えば、あるクライアントは、プレゼンで私がそうそう負けないと思っています。実際あまり負けたことはないので。またあるクライアントは、何時に連絡しても普通にどこでもきてくれると思っています。実際、普段の移動は自分の車を使っていますので、夜11時に東京で連絡をもらって翌朝の大阪の8時の会議に出ることもできます。もちろんこれは、極端な例ではありますが、実際に行っていたことです。

こうなると、属人性の極みのようなものなので、リスクも立ち上がるんですが、もちろんそれも対策を考えてあります。リスクなんぞコントロールすればいいだけです。ハザードにならない領域に止めるようにコントロールするのも仕事、リスクコントロールです。あとは体力で持っていくだけです。

つまり、24時間365日働きながら遊びも混ぜ込む公私混同を行いつつ、自分でなければならない状態を維持しつつも、代わりをすぐに用意できるようにもしておく。私の考えるフリーランスの「自由」とはこういうものなのです。
え?いくら稼いだかって?気になります?
それは、私と飲んだ時に教えてあげられるかもしれないですが、もちろんサラリーマンのそれとは比較できるものでもないですし、経費などもあるので一概には答えにくいですねという逃げをしておきます。
仲良くなって「信頼」したら教えます。

・大事なのは体力

話はそれましたが、この公私混同と属人性は、もちろんある程度の能力水準、コミニュケーションスキル、なによりも体力が大きくものをいいます。
結局、体力がないと簡単に負けます。単純な身体能力もありますが、ストレス耐性もまあまあ高いです。でもこれも、体力なんですよね、結局。そして、状況や状態を他者のせいにはしないのが大事です。自分にボールがあれば、どうにでもなるんで、他者の責任追求はどうでもいいです。

性格で仕事をしているもので、あまり無理な感情も立ち上がりませんし、まあそのまんまです日常が。ある意味、わがままを通しているんだと思いますが、20代から変化もなく。知らないうちに迷惑はかけてるとは思いますが、知らないんで感じませんしね。
なんか、書いてて性格悪いんでは?と思いますが、客観的にどう思われようが、割とどうでもいいんですよね。経営者なので、ある程度の人格は破綻してるとは予想できますが、ふっふっふ。

・自己ブランディング

あと、あくまで個人的なものでいえば、「キャラクター」の立ち方です。
私に会った方は、わかると思いますが、一度会えば必ず覚えます。
ものすごくしゃべるので、その辺も相まって、かんたんに覚えられます。
別に気をてらった髪型でもないですし、全身ピンクや真っ赤でもないですし、特段おしゃれでもないです。男前でもないです。シャツにジャケットを着ているだけです。帽子はかぶっていますが、変な帽子ではないです。

ここポイントです。

このシャツ、ジャケットのスタンダードな格好は、場所をあまり選びません。仕事上の。
つまり、すぐに硬い場所にもいけますし、柔らかい場所にも無理なく入り込めます。しかも白いシャツはどこでも売ってるので、急な出張でも問題ないです。これは24時間365日の生活が長かったという経験が確かに関係しています。
あと、帽子と書きましたが、この何十年も私の髪型は坊主なので、帽子被っちゃえばすぐに出かけられます。髪型を気にして整える時間はかかりません。整髪料を使ったのはもう何十年も前です。

正直、現在は別にこのような状態を維持しなくてもいいようにも思えるんですが、今更感もあるのと、クライアントはこういう「形」の人間として認識してしまっているので、帽子被ってないだけで気づかれないこともあります。
自己ブランディングの一種ではあるのですが、さすがに30年もやってると定着通り越して、そういう生き物として認識されてる模様です。

・属人性のビジネスモデル

属人性の要素でビジネスを組み立てるならば

  • 専門家サービス:特定の分野で高度な知識やスキルを持つ個人を集め、その能力を提供する。

  • パーソナライズド体験:個別のニーズに応じたカスタマイズされたサービスを提供する。

  • パーソナルブランド:個人のキャラクターやストーリーを活かしたビジネス展開。

のようなものが簡単に考えられますが、顧客満足度などのCSをどう捉え続けているかが重要になります。フィードバックですよね。つまりは「聞く耳」「変化させる能力」です。属人性を突き詰めれば、そこに出現するのは、一人でも戦える人材です。私はそういう人を求めてやまないのです。

そして、一人で戦える(考えられる)からこそ、公私混同が効果的にその人の生活に馴染むんだと思います。結果的にストレスの軽減や、本当に自由に働けるようにもなると思います。
「個」を消して「個」を作り上げることができれば、もう自由ですよ、それは。

私はデザイナーであって、アーティストではないのです。
自分のわがままをお金にするより、他人のわがままを昇華させて表現して喜んでもらうことが
生き甲斐といえますし、単純に気分がいいのです。
それが一番のわがままなのかもしれないですが、ご愛嬌ということで。

・組織と会社の目指すもの

では、その私が作っている組織や会社は?となると、「属人性重視」をしながら「一騎当千」を目指してもらえるようにしたいと思っています。社員の個々が、私にとっては一人一人が重要になります。逆に、私に対してもそう思ってもらえるように刺激のある会社経営をしたいものです。その働きかたは、「自分のためになる」働き方をしてもらった結果、会社にとって有益であることで十分です。そしてトレードオフの原則として、何かを差し出さないと何も得られないことを感じてもらわなくては、スキルは上がっていきません。その話はまた別の機会に。

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