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【高卒支援会PTAだより】vol.10

PTAの皆さま

前PTA会長の池田です。前回「このPTAだよりも今回で最終回」と銘打ったにも関わらず、高卒支援会の先生方より「今後も続けてよい」との温かい承認をいただき、月1ペースで更新をさせていただくことになりました。装い新たに2021年度のPTAだよりをお届けします。

ところで私自身は4月末で22年間勤めた会社を退社し、独立に向けて準備中であり、vol.06で書いた計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)を地で歩んでいる最中でございます。

そんな感じで4月は保護者会にも参加できておらず、内容に沿ったことを書くことができないのは申し訳ないのですが、読んだ本や考えたことなどからある程度自由に書かせていただきます。今日のテーマは、不登校児への「登校刺激」についてです。

登校刺激、是か非か

最近読んだなかで、医学博士斎藤環先生の『ひきこもりはなぜ「治る」のか?』より以下の文を引用します。

不登校に対する対応として、ひところよく「登校刺激の禁止」みたいなことがいわれました。これは、もともとの文部省(当時)通達の文言には「不適切な登校刺激」はよくないと、ちゃんと「不適切」と入っていたのですが、途中から「登校刺激の禁止」という形で教条化されてしまったのです。
(ひきこもりはなぜ「治る」のか?32頁)

私の息子が不登校になり始めた頃、なぜ中学校の先生はほとんど来てくれないのか、お世話になったあの先生が来てくれたら何か違うかもしれないのにということを薄っすら考えていました。(来てくれるのは遠巻きに声を掛けるスクールカウンセラーの方でした)

その結果、いかなる登校刺激もすべていかんということになってしまいました。悪いことにこれが、不登校にかかわりたくない学校の先生方にとって、格好の口実を与えることになってしまいました。(同)

本書を読むと、どうやら全国的にそうなった経緯というものが見えてきます。

例えば担任している子どもが不登校になった場合「登校刺激は一切ダメだ」と思い込んでいれば「刺激しないで、ともかく見守りましょう」という話になるわけです。結果的に有効かもしれない家庭訪問もほとんどしないので、生徒とのかかわりがどんどん切れていくという結果になります。(同)

もちろんすべての学校、すべての先生に当てはまるわけではないと思います。しかし多くの公立学校において不登校生徒は「気に掛けてはいるがアンタッチャブル」な存在にされてしまっているのではと想像した次第です。

その点で高卒支援会は、初めから「訪問」を糸口にしています。その訪問の手法は不登校を経験し、そこから立ち直った同年代の生徒を同伴するというものです。我が家もそのおかげで、一度は学校に通うきっかけを掴むことができました。

高卒支援会の訪問は、共感的なアプローチや、叱咤激励系など、不登校の段階や本人の状態に応じて、より効果的な選択がされているのではないかと思います。その辺の詳細は私自身はわかりませんが。

いずれにしても「登校刺激」は絶対にダメとは言えないものなので、「そっと見守りましょう」というアドバイスを受けた方は、多少疑って掛かっても良いのではないかと。最終的には親の判断で、という結論になります。

なお前述の、誤解された文部省通達はのちに軌道修正が図られたそうです。

2003年に文科省で「不登校問題に関する調査研究協力者会議」が開催され、そこでの話し合いの結果として、登校刺激の禁止については大幅に見直しがなされました。(同)

以上、登校刺激の是非について書かせていただきました。これは身を持って分かったことでありますが、登校刺激にしろ何にしろ「親からのアプローチ」はほぼ100%反発を受けるか無視されます。適切なタイミングで適切な第三者の介入がもっとも効果的なのだそうです。

その適切を計るのが難しいのですが・・・

P.S.
トップ画像は今流行っている『ウマ娘プリティーダービー』から拝借しました。私も久々に面白い!とハマりましたが、なかなか時間が取れずに2週間で「トレーナー」を引退しました(笑)


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