第99回箱根駅伝1区の問題提起
おはようございます!ランニングコーチの大野です。
箱根駅伝非常に面白かったですね。
各区間にドラマがあり、楽しませていただきました。
そんな中で1区では学生連合の育英大学の選手が飛び出すような形となり、非常に話題となりました。
世間一般的には、学生連合が速いペースで飛び出したから後ろは前が速いからつかなかったという印象だったかと思いますが、僕は違うと思いました。
あれは、「速いからつけなかったのではなく、つく理由がなかったから」です。
これは、学生連合というチームの待遇、問題提起となった非常に大切なシーンでしたので記事にしていこうと思います。
それではいってみましょう!
なぜ、学生連合が飛び出す形になったのか
第99回箱根駅伝1区は学生連合の育英大学4年生の新田颯選手が序盤から1人飛び出す形となり独走状態となりました。
最終的には2人に抜かれ3番手で中継しますが、終始テレビを独占する走りは非常にインパクトがありました。
しかし、新田選手は自らの意思で飛び出したのではなく、ポツンと飛び出てしまったというのが事実だと思います。
詳しくみていくと、スタート後は非常にスローな展開でした。
なぜなら前に出て風よけに使われるのは嫌だし、失速するわけにはいかないからです。
そこで新田選手が集団のペースを上げるために少しだけペースをあげました。
普通は、ペースが上がると他の選手はついていき集団のペースは上がりますが新田選手のペース上げに誰も反応しなかったのです。
急激なペースアップでもないのに誰も来ない。
なぜ。
新田選手もまさか誰もついて来ないとは思っておらず困惑したと思います。
しかし、一度上げたペースを落としてまで集団に戻るくらいなら今のペース、今のリズムで行こうと腹をくくりそのまま独走しました。
新田選手も本来はみんなで集団で行きたかったと思います。
だが、誰もついてこなかったから仕方なく独走になってしまったというのがあの1区です。
では、なぜ誰もついていかなかったのか?
それは学生連合というチームだからです。
学生連合はあくまでOP参加で区間に順位がつきません。つまり、学生連合の選手が飛び出そうが他の選手が無理をしてまでついていくメリットがないのです。
学生連合が10以内に入れば、予選会枠が1枠増えるという制度がありますが、優勝を狙うチームには関係ありません。
監督からの指示
学生連合というチームの特性に加え、各チームの作戦も関わっています。
どういうことかというと、
例えば
駒澤大学の選手は「青山学院が出たらついていけ」
青山学院の選手は「駒澤大学が出たらついていけ」
という指示を受けていたはず。
つまり、各選手がチームから〇〇をマークするように指示を受けており、その結果各選手牽制するスローな展開が生まれました。
そして、学生連合は順位がつかないため先行させても問題はないから各選手は見送った。
これが今回の1区の背景だと思います。
学生連合のあり方
しかし、今回の1区は学生連合のあり方を問うような問題提起となったと言えます。
OP参加ではなく、順位をつけるべきではないか。
選手のモチベーションを考え、待遇の変化、チームのあり方を見直すべきではないか。
など考えるきっかけになったかと思います。
まとめ
今回は第99回1区で起きた出来事について触れてみました。
学生連合というチームのあり方を考えるいいきっかけとなったかと思います。
来年は100回大会で全国の大学が出走するかもという話もあるので今回の出来事を踏まえた上でより楽しい箱根駅伝となるように願いたいですね。
それではまた!
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