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アナ雪の言いたいことがやっとわかった

ニート中、アナ雪を少なくとも4回は観ました。

公開当時は私もスクリーンで観て漏れなく感動したし、挿入歌はよく友だちとカラオケで歌いました。レリゴーごっこもした。「有野ー、天野ー」ごっこもした。

でもなぜここまで人気なのか、真意を掴めていませんでした。
4回観て、ニート中の自分とも重ね合わせて、ようやくわかった気がします。

「ありのままで」いること大切さ、というメッセージのインパクトが強いけど、そこではないんですよね。エルサが問題を解決してハッピーエンドになったのは、雪山にこもってありのままで過ごすことを決めたときではないです。
1ステップ目が「自分を受け入れる」、その先にもハッピーエンドへ向かうためのステップがありました。

制御できない魔法から人々を守るために10何年も城に閉じこもったのに、結局爆発した魔力でアレンデール国が雪国と化して、アナから「アレンデールが危機なのよ」と伝えられたエルサは、

「なんてこと…今までは全て無駄だったの」「私にできることはもうない」
としっかり悲劇のヒロインをしています。

また殻に閉じこもろうとして、外界を拒絶すると魔力が負の力を発揮、アナと衛兵を殺しかけました。

その後、自身のアナへの愛情が凍ったアナの身体を溶かしたのを目の当たりにして、「愛情を持って人と接すること」「人を受け入れること」を理解、ようやくハッピーエンドを迎えました。
このステップが大事だったんですね。

その脈絡をやっと理解したあと(鑑賞4回目)、エルサの最後のセリフ、

「できるわよ!」(スケートはできないと言うアナに対してかけた言葉)
がとても光りました。

今まではなかった自信溢れる言葉を聞いて、うるっときました。元々緩い涙腺が最近さらに緩いです。

私は自信がないから…と閉じこもった態度が人を傷つけていた、これからは自分の幸せのためにも人を愛することを意識します、という内容のnoteを書いたのはついこの前のことです。

だからアナ雪を理解できるようになったのか。
ディズニーってすごいな。

「アナと雪の女王」って、悲劇のヒロインがエルサ、王道ポジティブヒロインがアナという対比があって、ポジティブ・アナのほうが道を開いていくというわかりやすい構図だったんですね。
もし、エルサが逃げた後にアナが、
「もう知らない。ほっとこう」
と言って姉を追いかけていなかったら物語は進んでいないです。

周りを拒絶するしかなかった孤独な生い立ちのエルサと、理由もわからず姉に拒まれ続けたアナの複雑な関係の間で生まれたオラフは、事実をそのままパッと口にする性格で、物事を複雑に捉えず単純化する役割をしています。かわいい。
小さい子の視点にもなっているから、幅広い世代で人気なのかな。

愛情溢れる純粋無垢なアナが道を切り開くけど、初対面で結婚を決めた他国の王子に利用されていたことなど、ちゃんと「誰を愛するか」を見極めて多少の猜疑心も抱かないといけないというシビアな描写が、この映画をただのおとぎばなしに留めないで、リアリティを持たせています。

じゃ、クリストフの役割は?
クリストフが親のように慕うトロルたちの歌が響いて、ここでも泣く。

「誰も完璧じゃない」
「あなたも完璧じゃない」
「当たり前のことさ」
「それを補うために必要なのは愛情」

エルサは冒頭で「上手くやるのよ」と決意の歌を歌っていましたが、不完全を一人で補おうとして、悲劇が始まりました。やっぱり人間は誰かに頼って迷惑をかけ合わないと生きていけないんだなぁ。

改めて、教訓がまとまった名作なんだなと思いました。
やっと言語化できてすっきりした。


…また観ます。




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