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詩からみるMyGO!!!!!の物語~前編~


1.はじめに

この感想文は、BanG_Dream!を推して四年目・MyGO!!!!!を推して二年目のオタクによるネタバレあり&要事前知識のものとなっています。もし、「BanG_Dream!」すら知らない状態で奇跡的にここに辿り着いてしまったのであれば、せめて「BanG_Dream! It's MyGO!!!!!」を全編見てから読んでいただけると楽しめるかなと思います。
9/1現在、最終回である#13に向けて特番や一挙配信も予定されておりますので是非そちらを。

9/3 10:30~「BanG_Dream! It's MyGO!!!!!」#1~#12一挙配信(ABEMA)

※9/3追記
配信は終わってしまいましたが、アーカイブが9/6 16:00まで残っています!

9/7 「BanG_Dream! It's MyGO!!!!!」#1~#12ダイジェスト特番 

2.テーマ

本感想文のテーマは、「MyGO!!!!!の楽曲からストーリーを深堀りしてみる」です。ただし、私の妄想爆発こじつけ多めで書いていますので、そのあたりはご容赦ください。

2-2.対象楽曲

ひとまず、本感想文で扱うMyGO!!!!!の楽曲を全て書き出してみます。「全部知ってるよ」という方はどうぞ読み飛ばしてください。

オリジナル曲

  • 迷星叫まよいうた

  • 名無声なもなき

  • 影色舞シルエットダンス

  • 潜在表明せんざいひょうめい

  • 音一会おといちえ

  • 無路矢のろし

  • 壱雫空ひとしずく

  • しおり

  • 焚音打たねび

  • 碧天伴走へきてんばんそう

  • 詩超絆うたことば

  • 迷路日々メロディ

  • (春日影はるひかげ)

全13曲、たくさんありますね⋯⋯オリジナル曲4曲でやってた3rd LIVE(初参戦)が懐かしいです。
なお、今回はカバー曲(歌ってみた)は対象外にしています。理由はそこまで含めると長くなりすぎてしまって私のやる気が続かないだろうと思ったからです。

3.#1~#3

一話ずつは骨が折れるので、ある程度まとめていきます。まずは、CRYCHICの解散とMyGO!!!!!メンバーが集まり始める序盤、#1~#3までです。
この三話に深くかかわる楽曲と言えば、もちろん『音一会』です。

3-1.音一会

震えるいびつな文字に羽をくれた
だから 前へ進む音の中で 顔を上げて うたいたい
この迷い声は ああ 君に届くかい

MyGO!!!!! 『音一会』

音一会の一番はまさに燈から祥子へのメッセージと言えるでしょう。実際、燈役の羊宮さんから「燈ちゃんは音一会の詩を明確な誰かに宛てて書いている」という発言がありました(音一会リリイベツアーアコライin東京にて)。
しかし、2番以降で詩を宛てている相手は(おそらく)祥子ではないため、この曲は今後も登場します。私は『壱雫空』が本作の表のテーマソングなら、『音一会』が裏のテーマソングであるとまで思っています。

3-2.無路矢

また、#3には劇中歌として『人間になりたいうた』という歌がありますが、この「人間になりたい」という思いは『無路矢』に込められていると考えています。

生まれた地球(ほし)にいる はずなのになぜか
本当は僕だけが 違う星から来たみたいなんだ

MyGO!!!!! 『無路矢』

僕だけが違う星から来たみたい≒僕だけが人間じゃないみたい、と解釈するならば、高松燈という少女は、途切れそうな信号(ことば)を繋いでくれる「誰か」を探していたのかもしれません。

3-3.その他挿入歌(八割くらいこじつけ)

また、この3話には「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」より下記の4曲が劇中歌として使われています。

  • Sasanqua / Afterglow

  • Sprechchor / Roselia

  • しゅわりん☆どり~みん / Pastel*Pallettes

  • もういちど ルミナス / Pastel*Pallettes

単なるファンサービスとして考えてもいいのですが、せっかくこのテーマで感想文を書いているので、少しこじつけて考えてみます。

Sasanqua
まずは『Sasanqua』です。

絆と共に 咲くはサザンカ

Afterglow 『Sasanqua』

Afterglowのすべての始まりと、「いつも通り」の在り方について歌ったこの歌が劇中歌として流れたのは、愛音がクラスメイトとバンドを組む想像をするシーンです。

のちの展開に触れますが、この時点で愛音は留学に失敗し、傷ついた状態で羽丘に転校してきています。困難に打ち克てず、ミーハーで一つのことにひたむきに取り組むこともおそらくなかったであろう彼女は、およそサザンカとは対極にあるともいえるでしょう。
しかし、先ほど引用した一節では、サザンカは絆と共に咲くと歌っています。彼女がこの先誰かと絆を結び、困難に打ち克つひたむきさを手に入れる、そんなメッセージであるようにも感じます。

Sprechchor
続いては『Sprechchor』です。
この曲が流れる場面は、燈が愛音に「一生、バンドしてくれる?」と問いかける、その少し前のシーンになります。(なんでこのシーンのカット素材ないんですかブシロードさん(小声))

変わることは 終わることじゃなくて
変わり続けることで 始まってゆく
The die is cast, Let's start it now

Roselia 『Sprechchor』

ここでもまたのちの展開に触れますが、燈が「一生」という言葉にこだわっていたのは「一生ではない≒変わってしまうことで傷つくのが怖かった」ためだという事が明かされます。
ですが、この曲では「変わり続けることこそが始まりなんだ」と歌っています。先ほどのように考えれば、変わることを怖れていた少女が、それを受け入れた時こそ始まりなのだ、というメッセージと捉えても不自然ではないと思います。

余談ですが、「The die is cast」とは「賽は投げられたAlea jacta est」という意味だそうです。この言葉を聞けば、とあるもう一つのバンドを思い浮かべる方もいるかもしれません。
「賽は投げられた、さぁ始めよう」というこの一節はすでに彼女たちも活動を始めているという暗示なのかもしれないと、そう感じました。

しゅわりん☆どり~みん / もういちど ルミナス
思ったより長くなっているので、続いてはPastel*Pallettesの2曲をまとめていきます。
まずは『しゅわりん☆どり~みん』ですが⋯⋯ちょっとこれはこじつけすらできなかったので単純にファンサの賑やかしという事にさせてください⋯⋯。ただ、この曲はアニメ「BanG Dream! 2nd Season」の#1でも六花が東京に来た直後のシーンで流れていました。本作「It's MyGO!!!!!」がMyGO!!!!!結成の物語とするならば、「2nd Season」はRAISE A SUILEN結成の物語なので、「新しいバンドの物語の幕開け」を象徴する1曲と考えてもいいかもしれません。
続いて『もういちど ルミナス』です。この曲は、のちにCRYCHICとなるメンバー5人でカラオケに行った際、睦が歌った曲ですね。

今はまだ 弱いままでも
光はそこに燈っているから

Pastel*Pallettes 『もういちど ルミナス』

今はまだ弱い光でも、仲間とならいつか遠くまで届く光になる。そう歌われているように、CRYCHICの4人となら、燈のまだ小さな光はいずれ大きな光になる⋯⋯はずでした。しかし、冷たい雨にすれ違ってしまったCRYCHICは解散してしまいました。小さな光は消えかけ、その光を燈していた少女は歌うことを諦め、迷宮ラビリンスに迷い込んでしまいました。彼女はふたたび想いを繋ぎ、もういちど 明るい光ルミナスのもとへ辿り着けるのでしょうか。

すれ違う温度 心がすり切れて痛い
諦めて楽になれるのかな⋯⋯きもちラビリンス

Pastel*Pallettes 『もういちど ルミナス 』

以上#1~#3までの劇中歌に関して書き散らしましたが、想像以上に「物語に関わっている」とこじつけられて自分でも驚いています。本来はこの時点で『君の神様になりたい。』や『二息歩行(Reloaded)』なんかにも触れたかったのですが⋯⋯対象から外しておいてよかったですね。

4.#4~#7

続いては#7までの4話です。燈・愛音・楽奈・そよ・立希の5人が(形だけだったとはいえ)集まり、初めてライブをするまでです。

4-1.碧天伴走

この4話を象徴する曲といえば#7にて初披露された新曲、『碧天伴走』でしょう。

「千早 愛音」というキャラクターを掘り下げたこの4話において、燈が愛音のために書き起こした詩⋯⋯というよりも、傷ついた姿を曝け出して、それでもなお「一緒に迷う?」と自分を励ます愛音を見た燈の心の声であるこの曲は象徴として相応しいと思います。それだけでなく、この詩ではCRYCHICの5人ではなく、今ここにいる五人と一緒に碧い天のもとで歌いたいという燈の決意が歌われているとも感じます。この決意がなければ、五人がバラバラになってしまったとき、燈が必死に絆を繋ごうとすることはなかったのではないでしょうか。

逃げてもいい 道が見えなくても
迷っても 君と走っていたいんだよ
一緒に

MyGO!!!!! 『碧天伴走』

4-2.潜在表明

また、『潜在表明』も「千早愛音」というキャラクターを表している部分がある曲なのではないかと感じています。

僕へと打ちつけられた 憫笑 冷評
倒れないようにするのに精一杯で
その一つ一つが痛くて怖いのに 流せなかった涙のことを

MyGO!!!!! 『潜在表明』

#5にて愛音の過去、イギリスへ留学した際の様子が描かれます。そこで彼女は自分のイメージと現実のギャップに打ちひしがれますが、無力感に落ち込みため息を吐くのみで、涙を流す様は描かれていません。かつての同級生に出会った際も同様に、動揺こそしたものの泣き出すことはありませんでした。
これまで、燈たちバンドメンバーに出会えたことを喜び、立希の言葉に怒り、(演奏や練習はともかく)バンド活動を楽しんでいた。けれど、哀しみの感情だけは美味く表に出せない。
他人の評価を気にして、感情が追いつかないままによろよろと彷徨う、そんな心を歌ったこの歌は、愛音のキャラクターにも通じるところがあるのではないかと思います。

余談ですが、この曲には「地下鉄」「地下通路」「深く潜った」「地上へ出る」(「モグラ」もそうでしょうか)などの「地下」を連想する言葉が多く使われています。「地下」を英語にするとundergroundですが、愛音が留学していたイギリスには世界最古の地下鉄があり、「The underground」と呼ばれることがあるそうです。

5.次回に続きます

#7までの感想を書きましたが、思ったより長くなってしまったので一度ここで切ろうかと思います。
次の感想も早めに上げたいけどこの熱量で書いていくとそこそこ時間がかかってしまいそう⋯⋯

※追記:次回はこちら→https://note.com/aiora_i0lite/n/n3b43ec53b60b

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