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アイノテごはん雑記

今日、池田町は『百音』(モネ)さんでランチを提供した。
(なんと最近、印象派モネの画集をよく観てたじゃないか!)

献立は、

酵素玄米
大根のブイヨン
香茸の佃煮
香のもの
豆の甘露煮
カリカリ梅ひじき
メルヘン南瓜のサブジ

精進料理、薄味、お正月のおせちの一部のような献立。
家で仕込みを考えているとき、少し胸が高鳴る。
一般的にカフェでヴィーガンとなると、カレーかメインに揚げ物とか強目のものが来る。けれど、あえて主となるものは避けた、横ならびのお惣菜。

「満足してもらえるだろうか?」
そんな気持ちが時折、顔を出していた。
いざ来てくれた人たちに料理を並べると、疑問はスルスルと溶けていく。
初めて見る懐かしい食卓。
簡単に言ってしまえば、『ありそうでない定食』なのだけども、
それが妙に心地よく、自分の意志を語っているようで嬉しかった。

きっと、このような構成になったのも数日前に気さくな淑女の出会いから。
初めてお会いしたのに家に招いてくださり夕食をご馳走になった。
(文体が尊敬語なのは、それはそれは素敵な80歳の女性だからだ。)
「これなんていかが?」と、
彼女がツトツトと食卓に並べる料理たちの気の通ったこと。
友人とゆっくりと食したその時に多くの感銘を受けた。

今回のランチの料金はドネーション。寄付、贈与という意味。
お金を出す人が心地よい料金を出してもらう事が僕には性に合っている。
その空間が僕は好きだ。これはなんとも言葉では伝え切れないのだが、、、

その昔、震災による原発事故がきっかけで僕は家族で沖縄に移住し、
ジャングルの中で子育てをし、保育の手伝いをする事になった。
震災からの危急の気持ちから新しい何かを自分に課すことを決め
保育の給与は各家庭に物々交換でお願いした。

届くものは、薪窯のパン、農家さんの野菜、心尽しのお料理、初めて育て採れた立派なモーウィ、フラワーエッセンス、ボディワーク。
たまには、コーヒーフィルターやクローブの粉末などもあり底知れない。
けれど粉末では生きていけない焦燥感も感じたりで、経済のなんたるかを肌身に感じる暮らしぶりでもあった。

その日々が僕の今の暮らしの喜びにも繋がっている。
現代のお金に感じる絶望と希望。
それはTaoの太極図のようにはっきり分かれたものではなく、
太極図の二つの点に棒を突っ込んでグルクルと掻き回して
描いたマーブル状の模様の中で未来の経済は姿を現していくのだと
僕は見据えている。

それはまるで、銀河の渦巻く腕のように美しい。



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