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「母乳が勢いよく出過ぎて、赤ちゃんがうまく飲めない」時に、すぐできる3つの対策

「こんなに母乳が出ているのに、赤ちゃんが、うまく母乳を飲めない」
「抱っこして、何とか飲ませようとするけど、嫌がってしまう」
必死になればなるほど、赤ちゃんが激しく泣いてしまって、「私だって、泣きたいよ」と涙がでてしまうこと、子育てをしていると良くあります。

今回は、「生後1ヶ月ころ。母乳が勢いよく出過ぎて、赤ちゃんがうまく吸えずに泣いてしまう」ときに、すぐに工夫できる3つの対策について紹介します。

①「30秒間」待つ。

赤ちゃんが「おっぱいが欲しい」と泣いていると、「早くしなきゃ」と焦ってしまいます。
ですが、授乳の準備が整ってから、赤ちゃんの口に乳首をくわえさせるのを「30秒」だけ待ってみましょう。おそらく、ポタポタと乳首から母乳がたれてくるので、それはタオルに吸わせてしまうか、搾乳カップや清潔な哺乳瓶などに受けても良いでしょう。
シャーッと母乳が出る時間は、吸わせはじめの「30秒間」です。
「シャーッ」と母乳が出てくるのは、「射乳(しゃにゅう)ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が作用するからです。
赤ちゃんが乳首を吸う刺激で、「シャーッ」と母乳が出てくることを「射乳反射(しゃにゅうはんしゃ)」と言います。
実はこの「射乳反射」は、それほど長くは続きません。
30秒間ほど、乳首に刺激を与えずにいると、収まることがほとんどです。

赤ちゃんが「おっぱいが欲しいよ~」と泣いている間の「30秒間」を、じっと待つのは気がせいてしまいますが、深呼吸をしたり、赤ちゃんに「ちょっと待っていてね~」と声をかけたりして、しのいでみてください。
射乳反射がおさまり、赤ちゃんが吸いやすい状態に落ち着いてから、授乳をはじめてみます。すると、スムーズに授乳できることが増えるでしょう。

②高脂肪の食べものや飲みものを、一時的に控えめにする


何か特定の食べものが、「おっぱいが張る」「おっぱいが詰まる」原因になるわけではない、ということが、研究で明らかにされています。
ですが、脂質やカロリー過多だとおっぱいは「張りやすい」傾向にある様です。
母乳分泌が過多の傾向にある人は、赤ちゃんがうまく母乳をのみ取れるようになり、赤ちゃんが飲む母乳の量と、お母さんの乳房が作りだす母乳の量のバランスが整うまでは、高カロリーになりやすいものを控えめにすると良いでしょう。

③気持ちを誰かに聞いてもらう

赤ちゃんと一緒にすごすことは、「初めてのこと」「うまくいかないこと」「どうしていいか分からないこと」の連続です。特に生後3ヶ月ころまでは、お互いに睡眠や授乳のペースを掴むだけでも、四苦八苦。
しかも、「出産中からの睡眠不足が解消されないまま、数ヶ月経過していた」なんてことも多いです。
産後は、母乳育児に関しても、順調でも、そうでなくても、悩んだり泣きたくなったりすることが誰にでもある時期です。
誰か、身の回りにいる信頼できる人に、今抱えている気持ちをそのまま出して受け止めてもらうだけで、とてもスッキリできるでしょう。
パートナーさん、実父母、義父母、お友達、新生児訪問の保健師さんなど、「この人になら、お話できそう」という人がいれば、ぜひ頼ってみてください。
もしも、「話を聞いてくれそうな人が身近にいない」という場合は、近くの助産院の「母乳相談」や「産後ケア」にぜひお越し下さい。一緒に授乳の練習もできますし、「どうしたらお互いに楽だろう?」を考えることもできます。
多くの場合、その助産院で出産をしていなくても、「母乳相談」や「産後ケア」が受けられることがほとんどです。まずはお電話で、ご確認ください。

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産後3ヶ月以降は、「赤ちゃんが欲しがる母乳の量」と「お母さんが作る母乳の量」のバランスが取れてくることが多いです。
赤ちゃんの身長や体重も大きくなって、「一口量」も多くなりますし、飲み方も上手になります。
「いつまで、この大変な状況が続くのだろう?」と感じることもありますが、母乳育児が軌道にのるまでの大変な時期はそれほど長くはありません。
困ったときには「こんなことで、相談してもいいのかな」と思わずに、お近くの助産院の助産師にぜひご相談ください。

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毎日、子育てをしてくださって、ありがとうございます。
助産師hana【心をハグして、あたためる。】
4人の子どもと暮らしながら、助産院で妊婦健診、お産の立ち合いや産後ケア、子育て相談などの助産師活動をしています。
妊娠出産・子育てを、安心してすごすための情報発信をしています。
ぜひ、フォローよろしくお願いします。

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助産師hanaが住む宮城県仙台市では、「森のおひさま助産院(青葉区)」「とも子助産院(泉区)」で母乳相談・乳房ケアをお受けしています。助産院で出産していなくても、ケアを受けることができます。まずは、お電話ください。
また、「仙台市産後ケア事業」では、宿泊型、デイサービス型、訪問型の産後ケアサービスを受けることができます。ご利用には各区役所に申請が必要になりますので、ぜひお問い合わせください。


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