石破政権で起きること
増税や国防や改憲については別の機会に書くことにして、今回は参議院の選挙制度について
➀石破さんは鳥取県知事の息子で、鳥取県の小選挙区で当選
現在、参議院改革協議会で合区の廃止について論議されている。合区になっている鳥取県などの知事や副知事から速やかに合区を廃止して欲しいという要望が出ている。合区に於ける投票率も低下。石破さんが地元のために動く可能性はある。
➁合区廃止の方法
(1)改憲
都道府県ごとに、必ず一人は議員を選出できるように憲法を改正する案が自民党から出ている。だが、維新が反対、公明党も不必要と主張。この改憲案の成立は緊急事態条項導入や9条改正より困難と思われる。
(2)国会法改正
立憲民主党は国会法改正で対応すると主張しているが、改正国会法が最高裁判所により違憲とされる可能性が大きい。
(3)定数増員
最高裁は格差が4倍台だと違憲状態、3倍だと合憲判決を出している。
合区を廃止すると2ヶ所で4人、廃止により格差が拡大し、是正する必要が生ずる選挙区が(4倍の格差になる選挙区)が6ヶ所で12人、全て合計すると、16人定数を増員しなければならない。これは多すぎる。
(4)比例区から定数を回す
16人も回すことができるかどうか。比例議員と比例区に組織内候補を擁立する圧力団体(自民党なら農協、医師会、特定郵便局長会議など)の反対が予想される。
(3)と(4)を組み合わせることが考えられる。議員の中には元の定数(参議院は定数252だったが248に削減した)まで、戻せばよいとの声もあり、252に戻せば、4増えるので、残りの12を比例から持ってくる案も考えられる。
そうなると、比例を12減員となり、半数改選なので、一度の選挙で6削減となるが、これだと各党1議席ずつ当選者が減るような結果となるだろう。だが、都道府県の方をその分増員すれば、減った当選者を回復することは可能だ。
合区を廃止して鳥取選挙区が復活した場合、格差が4倍台になるのは、次の6ヶ所
1人区→宮城、新潟
3人区→千葉
4人区→神奈川、大阪
6人区→東京
宮城、新潟は2人区だったが、定数是正で1人区にしたため、格差が拡大。ともに人口が200万台なのに1人区になったので、人口が50万人の鳥取県と比較すると、格差が4倍台となる。
千葉は人口が600万台で3人区なので、鳥取と比較すると、やはり4倍台。
神奈川は人口900万、大阪は人口800万で、それぞれ4人区なので、割ると200万人台で鳥取の4倍台となる。
東京都は人口が1390万人おり、これを6て割ると200万人台となるから、鳥取の4倍台。
➂結果
合区をやめれば、合区だったところは、自民党が当選するだろう。
宮城、新潟を2人区に戻すと、この2か所は自民党と野党が交代で当選してきたが、2人区ならどちらも当選可能となる。1人区の時は、野党統一候補にするため、無所属にしたが、2人区なら、その必要もないので、公認候補となるだろう。いまの情勢なら立憲民主党が候補を立て当選すると思われる。自民党は毎回、当選するだろう。
千葉は3人区のため、公明党は候補者を立てなかったが、4人区は、現在、全て候補者を立てて当選しており、千葉が4人区になれば、候補者を立てると考えられる。そして当選する可能性は高い。
神奈川は4人区から5人区にした場合、前回の参議院選挙では5人目が立憲、前々回は共産だったので、同様な結果なら立憲、共産が増える。大阪は前回、前々回とも5人目は共産党だったので同様な結果なら、共産が増える。
東京は6人区だが、7人区にした場合、前回の7人目は維新、前々回は立憲だったので、同様な結果なら、維新、立憲が増える。
前回や前々回と同様の結果が出るとは限らないが、各党とも比例削減での減少分を都道府県の選挙区で補う程度のことはできるので、実現する可能性はあるだろう。
お読みいただき、ありがとうございました。