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【藍染】そもそもどんなの作れるの?

部屋と同じく、思いつきで色々書いて話を散らかすのが得意なので、そういえばそもそも『うち』でどんなの取り扱ってるのか書いてないような気がした。誂えものなので、実際にはやろうと思えば出来るを入れてしまうと色々なんだけどやってみないとわからないというのもあるので、とりあえず現状で取り扱ったことのあるものについて。
ただし、染色技法(ジャンル)とかでも書いたとおりその製品でも工場によって出来たり出来かったりするので詳しくはお問い合わせを。実のところ、藍染の誂えものでそれなりの量やっているところは少ないので、あちこち相見積もり出した注文がいくつも最終的にうちに見積もり回ってきたなんてケースもよくあります。

いままでの注文では基本的に『祭半纏』(袢天・半天・どてら・法被…)
他にはざっくり
『庭師半纏』(鉄砲袖のやつとか)『消防半纏』『鯉口/アロハシャツ』(手拭生地)『暖簾』『手ぬぐい』『反物』『ハンカチ』『コースター』『布マスク』
あたりだったかな・・・?(写真などはウェブサイトを

ただし、小物は仕立てに時間がかかり手が足りないことがあるので注文状況と納期次第では厳しいことも。仕立ての当てがある/自分でやるからこういう反物染めてくださいみたいな注文は結構気軽に受けられてます。生地の伸び縮みがあるから細かすぎる指定は難しいけれど、概ね柄の付け方は希望に沿ってやれるので。ケースによっては問屋さんなど通すよりも細かく相談に乗れることもあるかもしれません。問屋さんのほうが詳しい部分もあるかもしれないので、工場に直接とどっちがいいとは簡単には言えないけど。
半纏もオーダーによる受注生産なのでカスタマイズは可能。作る側としてはあんまり細かすぎると間違えやすくなるので大変なのだけど、例えばどこにポケットつけてほしいとか、肩当・袖口の生地にこの手拭い使ってほしいなんてのはよくあります。伝統的なお祭り以外でも染屋さんの仕事絆纏とか、何かのイベントでファンがオリジナルの大紋(背紋)・襟文字作って有志の少数で着てるとかいうケースで半纏作っていることもありますね。今年はお祭りがない分、庭師さんの半纏やる機会が増えている気がします。
その時の『文字の図案化』などもやってます。(江戸文字・角字など)そもそも、『江戸文字』という呼称を作ったのはうちの工場で二代目に当たる相澤兼吉ということで文字の本もうちから出していました。もちろん、単に呼称の話であって江戸文字と言われる文字自体はうちが作るよりもっと昔からありますが。

図案は昔の日本の文字でないといけない理由なんてないので、やろうと思えば色々出来ます。漢字も組み合わせで新しい漢字を作って図案化したり出来ますし、まだやったことないですが例えばルーン文字使った半纏衣装なんかも出来るでしょう。例えばほら、魔除けの指輪に刻まれたルーン文字の銘文を腰柄に、とか。実際には銘文となると字数多いからちょっと工夫を考える必要があるけど。(角字の漢字だと前に二文字後ろ三文字くらいが丁度いい)百福(福関係の数々の漢字を散りばめた柄)の要領でルーン文字の総形付けるのもいいよね。総柄で手ぬぐい染めてシャツに仕立てれば普段使いでも使えるでしょう。
…うん、自分がちょっと欲しい気がしてきた。ルーン文字の本は趣味で持ってる。なんなら指輪物語の追補編も持ってるのでエルフ語の文字も調べられる。そういうのも面白そう。
それはともかく、文字以外でも絵でもなんでも出来ます。ただ、柄に染技法に見合った制限があるのでなんでもってわけにはちょっといかない。何が出来るかって言ったら切り絵のイメージがいいかな?ああいう抜いたところと抜かないところの2色で成り立つ柄ならだいたいできます。ちょっと線が細すぎると対応できなかったり、逆に切り絵では無理なつながってない部品があっても対応できたりしますし、一定の条件下では別の色を入れることも出来ますが。どこかでクトゥルフ系の図案を捺染染めしてた人が居ましたね。ああいうの好き。絵心ないので自分ではちょっと真似できないけど。

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