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自分を信じて作りたいものを作る

以前行ったところの記録
向井酒造
2018/01

京都府伊根町にある向井酒造を1月に訪ねました。女性杜氏の久仁子さんと以前交流があり、1月の忙しい仕込みの時期にもかかわらず、蔵の中を案内して頂きました。

※冬場の仕込みの時期は、基本的に蔵見学はお断りしてるそうです。見学に興味のある方は、事前にお問い合わせした方がいいと思います。


◆日本一海に近い酒蔵
向井酒造は京都丹後地方の伊根湾を囲む舟屋群の中にあり、目の前が海、すぐ後ろに山が迫っています。この環境が良質の水を生み出すように思います。

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湾から見た向井酒造の写真です。海とは思えない穏やかな水面に面しています。対岸からおっちゃんがボートに乗って酒を買いに来ることもあるそうです。


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創業は宝暦4年(1754年)江戸時代から260年あまり続く酒蔵です。立派な松が印象的です。なんとかって言う大名が泊まったこともあるらしいです。忘れちった。

細い通りを挟んで山側に母屋、海側にはなれがあり、道路の下に管を通し母屋とはなれを繋いでるんだそうです。


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洗米中


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一階にお酒のタンクがあり(↑)、タンク上の二階の床が抜けた状態(↓)で作業するようになっています。
上の写真が一階。下の写真が二階です。
山と海にはさまれ、狭い土地に建てられた酒蔵ならではの工夫ですね。

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やってるふりはお決まりのポーズみたいなものです。


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出来上がる前の段階のお酒をタンクからすくって飲ませて頂きました。

糖分が残った状態で美味しいです。こういうのも売り出せば良いのにと思ったのですが、アルコール化する前の火入れ前の状態なので、デリケートな温度管理なども必要なようで、なかなか難しいようです。

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温度管理されたタンクの中です。

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分析用の酒母も味見しました。


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窓から見える湾の景色。すぐ前が海です。


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主力商品の1つでもある赤米からつくられた伊根満開を久仁子さんが燗にして来てくださいまして美味しく頂きました。伊根満開は古代米を原料としていて、ロゼ色の甘酸っぱい日本酒です。夏はロックでも美味しいです。

久仁子さんとの話の中では、埼玉の神亀さんでの実習の話なんかも出てきて楽しかったです。


◆最後に・・・
世の中の日本酒売り上げ高のトレンドをみると吟醸香のあるお酒が売れ行きを伸ばしているのですが、向井酒造さんのお酒は、しっかりした味わいのものが多く、漁師さんがグッとやってるような、昔ながらの日本酒好きが好むタイプのものが多いと思います。

久仁子さん自身、少しは人気のトレンドを気にした方が良いんじゃないかと悩まれたこともあったそうなのですが、最終的には作りたいものを作ると言う、ブレのない姿勢で今のお酒があるようです。

人気だから作るとか、売れそうだから作るではなくて、自分を信じて作りたいものを作る姿がかっこいいと思いました。

とても勉強になりました。

◆おまけ
せっかくなので、伊根の他の様子も少し。

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舟屋の風景。一階部分が船のガレージになっています。


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ボートで湾内を案内してくださった方の奥様。手前にあるカゴに生きたまま魚を入れて夕飯時にさばいて食べたりするんだそうです。自宅に天然の生け簀があるようなもんですね。


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運良くマグロがあげられているのを見ることが出来ました。伊根マグロですね。

東京、京都間が新幹線で2時間ちょっとですが、京都駅から伊根まで、電車とバスで3時間位かかります。遠いんです。

何もないところで本当にいいところなので、何もないのが好きな方はぜひ行ってみてください。本当にいいとこ。

もし、いわゆる世間が言う観光地、お土産屋があったりするようなのが好きな方は、むかないかもしれません。あるのは、海と山と舟屋だけ。美しいです。


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