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【読書会記録】孫子の兵法②

先日より始めた、大学院の友人と、人生初の「読書会」。
「孫子の兵法」について下記の本をベースに読み進めています。

▼読書中図書

『最高の戦略教科書 孫子』守屋淳 著  日本経済新聞出版


第2回目は

  • 第二章:敵と味方の比べ方

  • 第三章:戦いにおける二つの原則ー不敗と短期決戦

  • 第十三章:そもそも戦略と戦術とは、どう違うのか

  • 第十四章:試行錯誤ばかりしていたら心が折れそうなんですけど

の4つの章を読みました。
(前半が原典解説、後半が応用方法の考え方が記載されているため、変則的な読み方をしています。)
第2回読書会と原典の章立てとの呼応表は以下の通り。

▼印象に残ったフレーズ

◆"負けない"努力は超重要!

勝つべからざるは己に在るも、勝つべきは敵にあり

面白いなと思ったのは、孫子が「勝つ」or「負ける」の二項対立ではなく、「負けない状態でいること」に重きをおいている点。

不敗の態勢を作れるかどうかは、自分の努力次第だけど、勝てるかどうかは敵の態勢如何にかかっている。

そういえば、最近読んだ本では、ストア派の哲学者エピクテトス(西暦50年頃~)も「自分の権内(=自身のコントロール可能な範囲にあるもの)と権外(=自身ではコントロールできないもの)を適切に見極めよ」と言っていました。洋の東西を問わない物事の本質なんだなあと感じますね。

コントロール可能な範囲内で、リスク管理を行い、負ける要素を徹底的につぶしておけば、少なくとも負けることはない。一見、後ろ向きにも受け取れますが、競争の激しい環境下でライバルに負けないためには、環境に適合して不断の努力を続けることが必須なわけで、それってすごく大変かつ重要なことだなと思いました。

◆五事七計って、マネジメントシステムと一緒じゃない!?

孫子は、自身と敵を比べるにあたって考慮すべき基本要素を五事七計として記しています。特に五事。友人が、MBA的に変換してくれたのですが、まさに経営戦略の分析フレームワークそのもの!!2500年も前に見極めている孫子、やっぱりすごすぎるー!

▼五事
「道」民とリーダーを一心同体にさせる理念 →ビジョン
「天」季節や天候、タイミングなどの時間的条件 →外部環境
「地」地形の有利不利などの地理的条件 →外部環境
「将」知謀、信義、仁慈、勇気、威厳などの将軍の器量 →リーダーシップ
「法」軍の編成、職責分担、軍需物資の管理などの条件 →内部環境

ちなみに七計では、将の器量や軍の鍛錬度合いなどを比較項目として挙げつつ、「賞罰が公正に行われていること」も戦いを有利にする条件とされています。"人間はインセンティブと性格の奴隷"と言葉を友人から教えてもらいましたが、これも大昔から変わらない人間の性なんですね。

◆どんな状況もポジティブ変換できると良いな・・!
孫子の兵法ではないのですが、解説編で引用されていた孟子の言葉に勇気をもらいました。

天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ず先ずその心志を苦しめ、その筋骨を労し、その体膚を餓えしめ、その身を空乏にし、行うことその為さんとするところに払乱せしむ

『最高の戦略教科書 孫子』

天がその人に重大な仕事を任せようとする時には、まず心身共にどん底に落とし、試練を与えるものである(そして、試練を通してその人を強くするのである)。

友人にはドMすぎる!と言われましたが苦笑、大変で辛いことも、次の大きな仕事への布石になると思えば、どこかで意味のあることと楽しめるような気がしました。・・・少なくとも、そういうメンタリティを持てるようになりたいなって感じかな。

次回は『最高の戦略教科書 孫子』の第二章&第三章+解説を読みます!


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