aimikumi短編小説集その1「暴走」
この作品について
1.aimikumi短編小説集とは
aimikumiがついに中学校を卒業したためその時書いた漫画を短編小説に直し、投稿するシリーズもの。
2.数
だいたい10作品くらい?
本編
登場人物
中川響 新聞記者。納豆を手作りしている。有名大学を首席で中退。
SQUERE HEAD ロックバンド「クラフツ」のメンバーでドラムを担当。魚を釣ったら水槽などで増やしてから食べる。マインクラフトの村人に似ている。
岩清水春人 姿が猫に似ている。一級建築士。
車田好男 サラリーマンで平社員。車好き。
DJ STEEVE ロックバンド「クラフツ」のDJ。
本編スタート
…これはねぇ…いつだったかな?20年位前だと思いますけど、20年以上たってるかな?まだ若くてピチピチの新入社員だった頃の話なんですけどね。
とある怪事件の取材に言ったんですよ。
車関連でね、原型分からないくらいにぐちゃぐちゃになってた。かろうじてわかるのが、緑の車だったこと。
警察によるとですね、まず、
無人の車が暴走していたらしい。でもねぇ、どこにもぶつからずに正確に走っていたそうなんです。それこそ、誰か乗っているみたいに。
そしたらどこからか火種が落ちてきたってんです。工事現場も何もない一本道で、です。
その車が燃え上がる瞬間を友人(SQUERE HEAD)が見ているんですよ。うっかりよっ火の車!って言ったみたいなんですけどそれどころじゃないって気づいて、通報してたら見失っちゃったみたいなんですよ。でね、そのしばらく後に別の人が見たみたいなんです。
で、空き地にさしかかったところで爆発したというんです。
…で、こうなっている(冒頭部分)んですがね、これにはね、なんと前日談があるんですよ。
この車のオーナー、いや、元オーナーって言ったほういいかな…が中古で飼ったのがこれなんですって。
それから3年くらい経って洗車中、事が起きたんです。
車の暴走で、オーナーさんがひかれちゃったみたいなんですよ。
かわいそうに、オーナーさんは首が飛んじゃってね…それはそれは凄惨な光景だったみたいなんですよ。
で、その車はそのまま暴走し続けて、さっきの話(3段落目以降の話)につながるってわけなんですわ。
でもって空き地の向こうには友人の同僚(DJ STEEVE)が森の近くで写真を撮っているときにその瞬間をとっていたみたいなんですね。
ま、その人調べるために携帯没収されちゃったんですけどもその写真の中、
爆発の中心あたりに車をにらみつける男の顔が映ってて、それが何と亡くなったオーナーさんと瓜二つだった…
__取材の後、暴走が起きた現場と彼のお墓に行ったんです。手を合わせてきました。お墓には大好きだったという缶コーヒーを置いて、手を合わせた時だったんです。
ふと頭の中に、ものすごくすがすがしい顔で笑っているオーナーの顔が浮かんだんです。
で、帰りの車の中で、嗚呼、あの人が暴走を止めたんだなってわかったんです。
でも、警察どころか誰も信じてくれないだろうってことで今日までこのことは誰にも言ってきませんでした。で、今自室でPCにこれを打っているわけですが…
20年くらいたった今でもねぇ、ふと思い出すんです。あの時のことを。
車好きとして、死んでなお暴走する車を止めたんだと。
~Fin~
あとがき
ここまで読んでなんか稲川淳二さんの話し方と少し似ていたことに気づけましたでしょうか。稲川淳二の本を読みまくっていたため影響されてこうなったんです。故意ではありません。
原作、原文ママバージョン
これはねぇ…20年位前かな?とある怪事件の取材に行ったんですよ。
車関連でね、粉々になってたんですよ。
警察によるとね、まず、
無人の車が暴走していたらしい。でもねぇ、どこにもぶつからずに走ってたみたいです。それこそだれか乗ってるみたいにね。
ほいたらどこから火種が落ちてきてね。
燃え上がる瞬間を友人が見ているんですよ。
通報した後、見失ったみたいで、
でね、そのしばらく後別の人が見たみたいなんです。
で、空き地にさしかかったところで爆発したというんです。
…で、こうなっているんですがね、これには前日談があるんですよ。
この車のオーナー、いや、元オーナーかな…が中古車で飼ったのがこれなんですよ。
それから3年くらいかな、洗車中に事が起きたみたいなんですよ。
車が暴走してオーナーさん、ひかれちゃったんですよ。
可哀そうにオーナーさん、首が飛んじゃってね…
そのまま暴走して、右2コマにつながるわけです。
で、空き地の向こう、森のとこで写真を撮っていた人がその瞬間をとっていたんですよ。爆発の中心あたりににらみつける男の顔が映ってて、
それが何と死んだオーナーさんと瓜二つだった…
取材の後、現場とその人のお墓に行ったんです。お墓に大好きだったコーヒーを置いて、
手を合わせた時だったんです。
ふと、頭のん赤に、ものすごくすがすがしい顔で笑っているオーナーの顔が浮かんだんです。
帰りの車の中で、嗚呼、あの人が暴走を止めたんだなってわかったんです。
でも、警察も誰も信じないだろうし、今日まで誰にも言ってきませんでした。
20年たった今でもねぇ、ふと思い出すんですよ、あのことを。
車好きとして死んでなお暴走する車を止めたんだと。
~Fin~
最後に
最後になりましたが、自分の拙い文章を読んでくださり、ありがとうございます。またいつか投稿してゆく予定です。ちなみに改行は基本的にコマに合わせています。ではまた!!
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