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結婚式を挙げなくなった時代の合理的な結婚式のカタチ 〜あいみん夫婦編

こんにちは!あいみんこと角田藍美です。
親孝行のサポートサービスをつくっています。

今回は去年の投稿「マッチングアプリで100人に会って結婚相手を決めた話〜婚活は採用と同じだった」の続編、結婚式について書きます!

私たち夫婦は、22年10月に結婚式を挙げました。

さんざんコロナに振り回されながらも、「結婚式不要論」を理解しながらも、合理的に判断して「結婚式を挙げる」と決定

最小限のリソースで、「親を喜ばせたい」という目標を達成した、というお話です。ぜひ最後までお付き合いください。

こんな方にお読みいただけると嬉しいです。
・最小限のリソースで目的を達成したい人
・結婚式を挙げるか迷っている人
・「結婚式をあげるのは負担が重い」と感じている人

【1】コロナに振り回されまくった 〜え、式場が倒産?!

プロポーズを受けたのは2019年のクリスマス。
両親への報告をしつつ、結婚式場を探し始めたのは2020年の1月頃。

そう、私たち夫婦が結婚式の準備を始めたのは、2020年の2月から新型コロナウイルスが急拡大する直前でした。

最初に予約した式場は、なんと倒産
次に予約した式場も、コロナでリスケを繰り返し(なんと5回!)、気づけば入籍から2年以上経過してしまいました…。

再三のリスケに疲れ、あんなに楽しみにしていたはずの結婚式を「面倒くさい」とすら感じるようになってしまいました。

【2】改めて考えたのは「結婚式って、何のために挙げるんだっけ?」

何だか自分自身を滑稽に感じ、「そもそも結婚式って、何のために挙げるんだっけ?」と考えるようになりました。

昔は漠然と結婚式に憧れていたし、「結婚したらやるもんだ」と考えていました。ただ、入籍してから2年経つと新婚気分はとうに過ぎ去り、「ロマンチックなイベント」としての結婚式なんて小っ恥ずかしくて無理!

世間からちらほら聞こえてくる「結婚式不要論」も理解できる。
一瞬、「結婚式を挙げない」という選択肢も頭をよぎりました。

夫は一貫して「結婚式を挙げたい派」。私だって当初はそうでした。でも一度腰が重たくなってしまうと、何か理由付けをしないと実行できない。

そこで改めて、結婚式を挙げる目的を考えてみました。(下記の図参照)

こうして整理してみると、「ゲストに楽しんでほしい」と「親孝行のため」はあるかもしれない。

後者の「親孝行のため」については、深堀りして考えてみる必要があると思いました。というのも、私の両親は下記スタンスのため、「結婚式を挙げない方が、親に迷惑や負担がかからないかもしれない」と考えたから。

<親のスタンス>
・「結婚式は挙げても挙げなくても、どっちでもいいよ」と。
・ 両親は北海道在住のため、式のために上京すると交通費や宿泊費などのお金がかかる。(「結婚式に行くための交通費や宿泊費は、子どもには出させない」と決めてくれていました)

【3】結婚式が親孝行につながるのかを考えてみた

「結婚式を挙げるか挙げないか、どちらが親のためになるか」を深堀りするにあたり、少し話がそれますが母の話をします。

うちの母は、よく昔話をします。私や姉が小さい頃のことばかり。
2022年に帰省した時も、近所で3歳くらいの子どもが走り回ってるのを見た母は懐かしそうに「あいみが小さいときも、本当に楽しかったなあ」と。

私は目の前にいるのに。

これはなぜか。
「人生の刺激が少なくなって、人生がルーティン化していることが背景にあるのでは」と私は考えました。

子どもが自立すると、親は子ども関連のライフイベント(毎年の誕生祝いや入学式や卒園式など)が一気に減り、大人主体の生活に戻ります。

母はテレビをつけても似たような番組ばかりで飽きてしまっているし、大好きな韓国ドラマもほとんど見尽くしてしまった。新しい出会いや人間関係もほぼ無いので、話す相手と言えば父親だけ。

私も人生で「新しい刺激が足りない」時期は、昔の武勇伝や思い出話ばかりを話していた時期があった(!)けれど、これに近いのかもしれない。

32歳の私ですら、人生に既視感を感じている。60代の親はもっとそうでしょう。

平和な毎日ほど尊いものはないけれど、たまには刺激を求めるのが人間というもの。

親の生活に刺激が少ないのなら、私が親に与えられる刺激は、徹底的に与えまくるしかない。親にライフイベントがないのなら、私のライフイベントに巻き込もう!

そんな脳内会議の結果、「結婚式を挙げる」と決定しました。
(脳内会議のおかげで、「結婚式は親のために挙げる」の解像度が上がりました)

そして、結婚式を「親孝行コンテンツ」、目的は「親に喜んでもらう」に設定。よし、実行だ!と動き始めました。

【4】鍵はリソース配分にあり 〜ミッションは「限られたリソースで親の満足度を最大化せよ!」

いざやると決めたら、行動は早いほうが良い。

2022年7月初旬に結婚式の日程調整に動き出し、3ヶ月後の22年10月中旬に式を挙げると決めました。(結婚式の準備期間は平均8ヶ月間なので、なかなかの強行スケジュールです)

準備期間は短い。そして、ただでさえ多忙な私たち夫婦。私も夫も仕事人間で、平日はほぼ顔を合わせません。休日の夜ごはんだけ一緒に食べる生活スタイル。

結婚式の準備に使えるリソースはかなり限られています。

限られたリソースのなかで、親の満足度を最大化するミッションに向けて施策を打ちました。

4-1)  こだわりポイント以外は 「アウトソーシング&割愛」

まず、これまでにゲストとして参加した友人たちの結婚式を分析しました。

大枠の流れとコンテンツはみんなほぼ同じですが、どの式もすごく素敵で幸せな気持ちになったし、最高に楽しかった。

ということは。自分の結婚式においても、オーソドックスな結婚式を再現すれば、良い式になるはず。

当然ながら、私たちは結婚式の初心者です。オーソドックスな結婚式なら、ブライダルのプロにお任せすれば理論上は時間がかからない上に、クオリティが高くなるのではないか。そう考えました。

そこで、こだわりポイント以外は、積極的に式場にアウトソーシング&割愛することにしました。(私も夫も仕事柄プロジェクトマネジメント系のタスクが多く、アウトソーシングすることに慣れています)

<アウトソーシング>
装花やBGMなどの細かいものは、式場に「お任せします」、「良い感じのやつでお願いします」と依頼しました。

<割愛>
ゲストへのメッセージカードと、自分が一部手を動かす必要のあるプロフィールムービー等は思い切って割愛。ゲストへの感謝は、後日食事に誘うなどして、直接伝えようと考えました。

この結果、式場との打ち合わせ時間は平均の半分になりました!
そして、結婚式の準備は想像していたよりはるかに楽でした。

また、想定外の恩恵もありました。式場への「お任せします」という依頼に、スタッフの方はやりがいを感じて腕を振るってくださったことです。
ゲストも、他のスタッフの方も驚くくらい、とっても素敵なブーケを用意して作ってくださり感激でした。

ブライダルのプロにお願いするのは、本当に良いことづくめでした。(式場のみなさま、本当にありがとうございました)

4-2) リソースの集中先は「親孝行コンテンツ」 〜自分と親の、心が交わるポイントを探る

徹底的にアウトソーシング&割愛した分、結婚式のテーマ「親孝行コンテンツ」と、「親を喜ばせる」という目的にリソースを割り当てることができました。

花嫁からの手紙、バージンロード、ベールダウン。

定番は一通りやって、それ以外に何かできないかな。

当日、新郎新婦は常に忙しいので、親とゆっくり話す時間はなさそう。となると、結婚式の定番コンテンツに何かを組み込むしかない。

まず、自分が一緒に過ごせない時間の記録を残すため、「家族専属のカメラマン」を手配しました。

この他に、忙しい私でも準備に時間をかけずにできることはないか。

自分と親の、心が交わるコンテンツはないかな。たくさん考えて、行き着いたのはピアノの演奏でした。

4-3) 親子の思い出がたくさん詰まった「ピアノ」を演奏しよう

幼稚園の頃のピアノの発表会の写真

私は4歳から中学までの10年間、ピアノを習っていました。
ピアノには私の成長の歴史、親との思い出がつまっています。

小さい頃は母と一緒に練習し、母に褒めてもらうのが嬉しくてがんばったこと。姉とピアノを取り合ったこと。当時の懐かしい記憶を今も覚えています。

今思えば、親の負担も大きかったと思います。月謝は安くはなかったはずだし、車の運転が苦手な母にとって、10年間の送迎も大変だったはず。(北海道の冬の道路はツルッツル!)

それにも関わらず、両親が私にピアノを習わせてくれたことにとても感謝しています。

ピアノを習わせてもらったおかげで、小中の学習発表会や卒業式、合唱コンクールで活躍できたし、社会人になってからはバンド活動を経験しました。

ピアノという特技があったからこそ、広がった世界があった。
ピアノから得た自信や勇気は、人生の重要な場面で底力となり、「今の私」に繋がった。

サプライズ演奏を通してこの感謝を親に伝えたい。親はきっと喜んでくれるはず、そう考えました。

4-4) サプライズ演奏 準備の効率化

結婚式でサプライズ演奏すると決めた時、同時に「練習には時間を使わない」と決意しました。

かの有名な三木谷曲線的には「最後の0.5%の努力が成果に大きく影響する」とされていますが、今回は低リソースを重視し、0.5%までやり切るのは困難であると結論づけていたため…。( ←そう、言い訳です)

三木谷曲線(こんな使い方をしたら怒られそう・・・)

4-5) 選んだ曲は、親子の思い出が詰まった曲

曲を決めたのは、式の約2週間前。
直前になったのは、前述のとおり練習はほぼしないと決めていたものの、「このクオリティなら演奏はやめるべきでは?」という不安が頭の片隅から離れず、先延ばししまくったため…。

ピアノを習いたての頃に練習した曲や、一緒にライブに行ったポルノグラフティの曲。私の成長や、親子で過ごした時間を振り返ってもらえるように3曲選びました。

一緒に過ごした時間を辿ってもらう選曲を。

練習は前日と当日、ほぼぶっつけ。当日のリハーサルでも、想像以上に弾けない。通し練習では一度も成功しないあり様。

「もっと練習しておけばよかった…」と心の底から後悔しましたが、ここまできたらやるしかない。

今日の演奏目的は、完璧な演奏をすることではなく、親に感謝の気持ちを伝えること。ハラハラしながらも自分にそう言い聞かせ、結婚式本番に臨みました。

【5】 母の涙 結婚式を挙げてよかった

5-1) 結婚式スタート

いざ、結婚式当日。すべてがあっという間に過ぎていきました。

リハーサル(ここまで直前に行うものだとは知りませんでした…)は自分も親も冗談半分で笑っていたし、本番の教会のドアが開いた瞬間もやっぱりピンとこない。

それでも母親が嬉しそうな顔で、うるうるしている表情を見たら、もうこの時点で「結婚式を挙げてよかった」と思いました。

当日の写真

5-2) サプライズ演奏 本番

式は進行し、いざ本番のサプライズ演奏へ。

「今から両親への感謝を込めて、ピアノを演奏します」と言った瞬間、母は顔に手を当てていました。驚きなのか、感動なのか。はたまた「あんた大丈夫なの?」という心配なのか。これがどういう意味だったのか分かりません。

緊張しまくりの中の演奏はミスも目立ったけれど。

母はピアノに合わせて口ずさみ、夫のお母さんも一緒に口ずさんでくれ、「穏やかで和やかなひと時だったよ」と後からゲストが教えてくれました。
きっと喜んでもらえたことと思います。

5-3) 花嫁からの手紙

ピアノの演奏が終わってほっとしたのも束の間、最後は「花嫁からの手紙」。式の前日にゼクシィwebの見本を見ながら書いたもの。

両親の顔を見たら絶対泣くので、極力見ないようにして読みました。
感動してくれたようなので、頑張って書いてよかったです。

【6】 結婚式を終えて 

結婚式の後。電話する度、母の口からこぼれるのは結婚式の話題ばかり。どうやら「親を喜ばせたい」という私の目標は達成できたようです。

本当に迷ったけれど、私達夫婦の場合は結婚式をあげてよかったです。少しは親に恩返しできた気がします。

あくまで個人の考えですが、結婚式はじめ、様々なことは従来通りのやり方に固執する必要はないと考えています。

「実施したいけど、何かしら障壁があってできない」という方も、目的を明確にした上で、無くても良いものは削ぎ落とし、従来のスタイルの何かを変えたら実現できる場合が多くあります。

もし「式を挙げるか迷ってる」という方がいたら、個人的には背中を推したいです。

これから式を挙げる方にとって、結婚式がご夫婦や家族の人生の大切な思い出となりますように。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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