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サイレント妊婦さんの存在

これを書いているのは3月17日の20時。
公開するのはいつにするか決めていないけど、たぶん4月くらいになるのではないだろうか。(※流産にビビりまくった結果、5月になりました)

今から遡ること3週間弱、毎月ほぼ順調だった生理が予定日より1週間ほど遅れ、2月28日に妊娠検査薬で陽性反応が出た。
これ以前にも一度薄く反応が出たような気がする…くらいのときはあったものの、「これって陽性か??」と思っていたその日のうちに生理がきたこともあって、あまり感動はなくどちらかといえば不安で、「あなた、できたみたい!(CV加藤みどり)」「本当かい!?(CV増岡弘)」なんてこともなく、「こういうわけで、いよいよもって病院に行こうと思う」と夫に伝えた。

婦人科を予約、いざ出陣

かかりつけの婦人科は完全予約制で、最速で3月3日の朝の診察になった。
2月29日は推しのバースデーイベント(グッズ即売)があったので朝から渋谷へ出かけて、お付き合いくださったフォロワーさんと寒いなか行列に並び、1日と2日も普通に過ごしたが、どこかでずっと「妊娠か…」という思いがチラチラときらめいていた。

3月3日までなんとか生理は来ず、婦人科の内診台で「胎嚢が見えますね、大きさは3.8mmです」と言われた。

え、この黒いのが? マジで? 妊娠してんのわたし??

何もなければ次の検診は2週間後、と言われたが、少し出血があって不安なので、と1週間後の10日に予約をとって自宅へ戻った。

夫は火曜日が休みなので家にいて、帰ってきたわたしを出迎えて昼食の準備などをしてくれた。婦人科へ行くとは言ったものの、何と言って報告しようか、どう受け止められるだろうか、と考えながらわたしはキッチンで夫の料理する様子を眺めていた。

「いやそれで、病院行ってきたんですけど」
「うん」
「いや、だから」
「え、どうだったかって聞いていいの?」
「5週だってよ」
「!?!?!?!?」

夫は思ったよりも大きいリアクションをとってくれた。たぶん2パターンのリアクションを考えていて、もう一つは「そっかぁ(まぁ俺は気にしてないよ、また次だね)」みたいなやつだったんだと思うけど、思いのほかそっちじゃない方のリアクションをすることになって彼も驚いたことだろうと思う。
後に聞いたところによると、わたしが「妊娠したかも」とは言っておらず、妊娠検査薬を見せたりもしなかったので、そんなに妊娠の可能性が高いことを感じていなかったのだそう。みんな、夫には「妊娠したかも」と伝えようね。
そのあと、前日に「これ、陽性に見える?」と判定薬の写真を送ったところ「見えへん」と返してきた母にもひとまずの報告をして(楽天のお買い物パンダがはしゃいでいるスタンプが返ってきた)、気が早いというのに夫は義父母にも報告をして、両家の親がそろってなんとなく浮足立った雰囲気になった。

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ここから始まる不安の日々

胎嚢があまりにも5週のわりに小さいので「次の診察こそ流産のお知らせでは…」と震えながら1週間を過ごし、スマホの検索履歴は「妊娠5週 胎嚢 平均」とか「胎嚢 小さい 流産」などの文字に埋め尽くされたが、3月10日にはものすごく小さく点滅する心拍を確認した(わたしは半信半疑だったが、医師はこれが心拍ですよと言っていたので信じることにする)。ネットでは卵黄嚢が見えると書いていたけど、黒い胎嚢の中に白い点があるだけだった。
気になってクリニックの助産師さんに尋ねてみると「まぁそういうことも珍しくはない」という曖昧な回答をもらった。

早くマタニティマークをもらいたくて(駅などでももらえるようだけど、母子手帳の交付とともにもらえるやつ)「母子手帳はまだ大丈夫ですか」とも聞いてみたが、助産師さんは「そうねぇ、まぁ次かな。うちは分娩やってないので、分娩したい病院で分娩予約と、初診の予約をしてきてね。次の検診でうちでの診察はおしまいですよ」とこれまたあいまいな回答だった。

【母子手帳の交付について】5月29日追記。
母子手帳といえば妊娠がわかる=もらえる、だと思っていたけど、実際にはやはり初期流産も少なくないことから、8~10週あたりで医師から「次までに母子手帳をもらってきてくださいね」と指示が出るそう。わたしは予定日が確定した3月25日(8週)に指示がありました。

つわりはほとんどなく、もともと好きではなかった肉がますます嫌いになり、生ハムや海鮮をはじめとした好物がほぼ・または全て禁止になったことのほうがショックだしストレスだ。

またとんでもなく眠く、仕事とオフのスイッチの切り替えが今まで以上にうまくできなくなってしまった。いっそ、毎日出勤せねばならない仕事をしていれば様子は違ったように思う(ただ、なんとなく気持ち悪かったり座っていたくないときもあるので、それはそれで違ったつらさがあるのだろうとも思う)。

17日の時点で、妊娠したことを伝えたのは家族とごくわずかな知人・友人だけだ。近々に会う予定があって伝えた人、仕事の都合で伝えた人がほとんどで、それ以外の人には安定期に入ってからお知らせしようと思っていた。

が、どうしても納得できないことがあってこのnoteを書いている。

マタニティマーク、全然もらえない問題

わたしは今、まだ確定していないもののおそらく妊娠8週(週数は、胎児の大きさがある程度「このサイズ」という基準に達したタイミングで「9もしくは10週」になるらしく、それまではけっこうフレキシブルに動く。これまでにもらったエコー写真はいずれも「5週」の扱いだ ※後日注:のちに確定した予定日から逆算すると、このときは7週でした)だが、まだ母子手帳をもらっていないし、マタニティマークも持っていない。
でもちょっと考えてみてほしい。つわりは5~6週から始まるのだ。
母子手帳もなくマタニティマークもないのに、つわりに悩まされ、食事を制限され、そんなハードモードなことってあるか。

取材の打診があってもまだ何も言えない(言ってもいいけど、あとあと何かあったときに大変気まずくなるだろう)ので、現場でも平気な顔をして寒い場所に立っていなければならないこともある。

もちろんお腹も膨らんでいないので、電車で席を譲ってもらえるわけもなく、お年寄りやお腹の大きな妊婦さんに席を譲らなければ白い目でも見られるだろう。わたしは体調がさして悪くないので構わないけど。

妊娠という経験を初めてしたので「今が一番つらい」が更新され続けているせいか、本当に今がつらい。

妊娠しているとはっきり宣言することもできない、かといって妊娠していない人のように無茶もできない(私は発車ギリギリのバスを走って追いかけるのをやめた)。

そんな女性が、今もあちこちにいるかもしれない。
別にそれを察しろとか、そんな「エスパーになれ」みたいなことは言わないのだが、どうしてもこの今の気持ちを書き留めずにいられなかった。

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