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「起こることは、全てベスト」は本当か?

先日、尊敬してやまない元上司と食事に行った。出産やらコロナ禍やらで、約2年ぶりの再会。彼は相変わらず素敵な仕事をしていて、プライベートも充実していた。「やはり、この人は只者じゃないな」と心の中で思っていた私に、彼が言った。

「これまで色んなことがあったけど、福井が言ってくれた言葉に何度も助けてもらったんだよね」

「え?私、なんて言ったんですか?」

起こることは、全てベストって。一見、不幸に見えることや、辛い出来ことでも、それは自分にとってベストな出来事なはずだって」

確かに言った。常日頃からそう信じている言葉のひとつ。そして、そう信じて生きてきた彼は、人とは違ったキャリアを歩み、そして、人とは違ったスピードで成長している。それに、とても幸せそうだ。

その晩、この言葉について思い出し、少し考えてみた。彼にこの言葉を発した当時の私は、自分自身に言った言葉だったんだと思う。起業して間もない頃、仕事も必死で、プライベートもぐちゃぐちゃで、健康も害した。そんな大変なことが続いた時に、そう思ってないとやってられなかった。こんな辛い出来事にもプラスの意味があるはず、と。

そうやって頑張ってきて、いろいろなご縁に恵まれて、今のわたしがある。でも、ちょっと待って。。。本当に「起こることは全てベスト」なのだろうか。

「ベストじゃないこと」を発見

「起こることは全てベスト」だったか、過去を振り返ってちょっと考えた。そうしたら、沼にハマってしまい、さらに考えて、考えて、考えた結果。「ベストじゃないもの」を発見した。

当時、働きすぎと暴飲暴食の結果、免疫の病を発症した。それまで当たり前だった「健康」が、当たり前じゃないことを実感した。働き方を変え、食生活を正し、飲酒を減らして、規則正しい毎日が日課になった。そういう意味では、病気になったことに意味はあったし、学びや気づきも得た。

だから今日の今日まで「病気も乗り越えた!」と思ったけど、考えてみたら薬の量は昔より増えている。もっというと去年の夏、帯状疱疹になり、先生に「働きすぎね」と言われた。なんと、12年前と同じことをしてたことに、今さら気づいてしまったのだ。。。

病気は一生付き合わなくてはいけない病気の一種なので、そこは百歩譲って仕方ないとしても。薬が増え、また働きすぎで新たな病気(帯状疱疹)になったということは、何かが間違っているはず。免疫不全の病気になる人の多くは、責任感が強く、頑張り屋らしい。私も心当たりはある。
「もっと頑張らなくちゃ」
「もっとできるはず」
と、思いがち。そして、自分を褒めるのが苦手。
他人から褒められると「そんな、まだまだっす」っと本気で思ってしまって、100%素直に受け止められない。昔よりはマシになったけど、これが根深く残っているんだろうと、改めて気づいた。

悪いものを引き寄せる、悪い癖

人の思考には必ず癖があると思う。おそらく、誰しも良い癖と悪い癖を両方持っていて、良い癖は良いことを引き寄せ、悪い癖の方は悪いことを引き寄せるのだ。私の場合は、「もっと頑張らなくちゃ」と思う悪い癖を持っている。そうすると「もっと頑張らなくちゃいけないこと」がどんどん舞い降りてくる。そして、さらに頑張り続け、身体を壊すという最悪のパターン。今回は、軽い帯状疱疹で済んでよかった。

でもね、今でも「起こることは、全てベスト」だと信じてる。それはこれまでの自分の選択を自分が肯定してあげることでもあるから。でも、たまには「あれから、どうなったっけ?」「ベストだった?」と見直すことは必要なんだと再発見。よくないことが繰り返される時、引き寄せているのは間違いなく自分だから。

私も最近は「あ、この感じはやばいな〜」と分かるようになってきた。身体の限界より前に、自分の心が不快だと教えてくれる。何より、それを信じることができるようになってきた。そういう時は、頑張らずに、できる準備を早めにしたり、誰かに助けを頼んだり、時には断ることも。

経験上、「自分が心地よいか」、「快適かどうか」で判断する方が間違えないことが多い。「思考」は、結構間違える。

最後に、自分の経験から、自分の子どもたちは、たくさん褒めてあげようと思っています。褒めるというか、認めるというか。
褒められ/認められ慣れていないと、大人になってからしなくてもいい苦労をします。私がそうだったので。家庭や、地域や社会で、たくさん、褒めて、認めて、共感して、楽しく子育てできればいいですね。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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