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侵入者!?

タッタッタッタッ…。

眠っていたら、足音が聞こえた。
おそらく四足歩行の動物っぽい音だった。
目は瞑っていたが、その音をきっかけに意識だけはなんとなく起きた。

あー、まるお(猫)がまたそこら辺を歩いてるんだなー

ぼんやりとそんなことを考えていた時に、ハッとした。
自分の右半身が温かい。
右手を少し動かしてみると、身体をビヨーンと伸ばしてピッタリとくっついて寝ている「まるお」の感覚がある。

…え?じゃあ、さっきの音は何だ?

動物の幽霊?
昔そういえば、この家でばあちゃんが飼っていた犬がいたな。たまに出てきてたりするのかな。
そんなことを考えていたら、また音がした。

タッタッタッタッ…。

横で寝ていたまるおがガサゴソと動き出して起きてきた。おそらく、まるおにもこの音は聞こえている。
時間を確認すると朝4時50分。

あ、違うわ。これ、幽霊じゃないわ。

ハッキリと輪郭のある音が聞こえる。
まるおが布団から音のする方に飛び出していこうとするのを抱きかかえて制止する。
もしそこら辺に「何か」いたら、まるおが危ない。

まるおを抱きかかえたまま、部屋から出る。
とりあえず、玄関や階段周りの明かりを全て点けた。
その上で、しばらくその場で立ったまま待機。
すると、

ダッダッダッダッ…

かなり近い。
ふと、まるおがこちらを見てくる。
「この音、なんなの?」という表情をしてくるので、「俺が知るかよ」という表情で返した。
まるおと初めて会話ができた気がした。

音のする方を隈なく探したが、とりあえず部屋の中にはいない。それは分かった。
ただ、その音は確実に移動している。
可能性としては、屋根裏が濃厚だと思った。
その音は6時過ぎには無くなり、またいつもの朝が訪れた。

…野良猫かな。
今朝はかなり冷えていたので、寒さをしのぐために入りこんできたのかもしれない。
それを追い払うのは忍びないが、そもそも入ってこれる穴か何かがあることが問題だ。
そもそも猫かも分からない。
屋根裏が糞尿まみれになる可能性もゼロじゃない。

…塞ぐ…か。
…いや、誰が?
…俺が? 
…屋根裏を?

えー…

大家に相談しよ。

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