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なんか色々見誤った話

世の中で絶対に信じてはいけないものがある。
それは、女性の「なんでもいい」という言葉だ。

あれは3年前。
奥さんの誕生日に起きた出来事。
当時で既に夫婦となって6年目を迎えていた。このくらいの時間が経過すると「誕生日」や「記念日」のプレゼントに関して、ネタが尽きてくる。
付き合っていた頃から考えると、想定される大体のモノはプレゼントしてきた気がする。

毎回似たようなモノをあげるのも「なんだかなぁ」と用意する自分のテンションも下がってしまうので、ある程度は被らないように気を付ける。
ちなみにここで「誕生日のプレゼントは何がいい?」と聞いてみたりするのだが、結果「なんでもいい」という言葉が返ってくるので、もう迷路だ。

3年前のあの日。
「なんでもいい」という樹海に迷いこんで、迷いに迷った挙句「staub」の鍋をプレゼントとして贈った。
ちなみに、staubの鍋ってこんな鍋↓

プロも愛用する万能アイテム「ストウブ鍋」
ひとつひとつ手作りで作られるストウブ鍋は、プロのシェフも愛用する人気商品。機能性の高さとおしゃれなデザインが何よりの魅力です。密封性の高さとピコと呼ばれる突起物、デコボコした形状のマットエマイユ加工により、焦げ付きにくく無水調理を可能にしています。
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フランス生まれの調理器具で、そこそこ良い値段がする鍋だ。当時、普段使っていた鍋が古くなっていたのもあり、それが新しくなるといいかなと思ったことと、「料理がこれで捗れば幸い」くらいのテンションだった。
ただ、これを贈った時、相手の反応はコチラの予想を越えるものだった。

「…なんで鍋なの?」

明らかにイライラしている声のトーン。
この時、瞬時に悟った。
プレゼントを完全に見誤ったということ。
そして、もう何を説明しても無駄だということ。

ただ、やっぱり説明は必要だ。
理由も添えて、ストウブの鍋を贈った経緯を語った。
でも、やっぱり無駄だった。

相手のイライラはおさまらない。
というか、増したようにすら感じる。
始めはプレゼントを外したことに落胆していたのだが、相手からイライラされている状況と相手からの感謝の「か」の字も感じない言葉に、今度はコチラがイライラしてきた。

…ってかさ、「なんでもいい」って言ったよね?
文句を言われる筋合いはなくない?

はい、ドーン。
夫婦ゲンカ勃発。(※喧嘩の様子は割愛)
奥さんの誕生日が一転、夫婦ゲンカの日になってしまった。

そんな喧嘩をした日から早3年。
なんだかんだありながらも、ストウブの鍋は我が家の料理時のレギュラーメンバーとして地位を確保している。
そして、今夜の晩御飯はその鍋を使って作るカレーだ。久しぶりに自分がキッチンに立って具材をぐつぐつと煮込んでいる。鍋をぼんやりと眺めている途中でふと気付いた。

明日は3月14日。ホワイトデーだ。
奥さんからはずっと前に「お返しはいらないからね」という言葉はもらっている。

鍋の火を止めてカレーをおたまですくって、少量味見をしてみる。
…うまい。
今夜の晩御飯はバッチリのはずだ。

そして、もう今度は見誤らない。
そう誓ったホワイトデー前夜。

※とても面白そうな企画を拝見したので、参加させてもらいました。

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