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一つ一つを積み重ねて

その書店にいたお客さんの中で、誰よりも心拍数が高かったのは僕だと思う。

…あった。

お目当ての雑誌を見つけると、ゆっくりと手に取った。都市部では2月1日に発売されているのだが、陸の孤島宮崎ではいつも入荷がズレる。

都市部の人達は、既に結果を知っているんだよなぁ。

緊張しながらページをパラパラとめくっていく。

宮崎市の中心部にある書店。
探していたのは「ブレーン」という広告クリエイティブの専門雑誌だ。その中に自分の名前が載っているか、いないか。今日の焦点は、そこだ。

去年の9月末から受講している「コピーライター養成講座 東京教室」。この講座の中で、雑誌ブレーンとコラボした企画があった。

実際の企業の方を講座にお呼びして、商品サービスについてのオリエンテーションを行う。そして、受講生はそれについてのキャッチコピーを制作。優秀作は雑誌に掲載される、という企画だ。

オリエンテーションを行ったのはバタンダイナムコという企業。商材はゲームの「鉄拳」。

「鉄拳シリーズに興味を持ち、試合を観てみたくなる。そして実際にプレーしてみたくなるコピー」を書くというお題だった。

普段、鉄拳のような格闘ゲームとは縁遠い自分。お題が出てから提出まで、ひたすら「鉄拳」と向き合った。YouTubeでゲームの試合の様子を見てみたり、思いつくままにノートに言葉を書き散らしたり。
朝の仕事前、夜の寝る前など空き時間を利用してコピーを書いては消し、書いては消しを繰り返した。そして、ようやく出したコピー。その結果がこの瞬間に分かるのだ。

該当ページを開く。
まずは最優秀の金賞が目に入ってきた。

…違う。自分のじゃない。

続いて、銀賞。

…これも違う。あぁ、ダメか。

やや諦めムードでページ内で視線を移していく。その中でふと、見たことあるコピーが目に入った。

…あ!あった。自分のだ。

結果は「銅賞」。
受講生が出した約500本のコピーの中から選ばれた上位8本。その中に入ることができた。

狙っていた1位ではなかった。
でも、やっただけの結果は残せたと思う。

地道にひとつひとつ積み重ねる。
それしか、遠くへ行く道はないのだと改めて知った。目指すは、もっと先。この結果を足元に打ち付けて、これを自信にして更に前へ進もうと思う。

そんなこんなで、広告専門雑誌ブレーンという全国誌の3月号に小さくですが名前が掲載されてます。もし書店などでお見かけしたら、よろしくどうぞ。

(note更新377日目)

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