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おみせやさんごっこ
部屋に入ると、こども達の「いらっしゃいませー!」という声が聞こえた。思っていた以上に活気がある。部屋の中にお店らしきものは14店舗。こども達はざっと15人くらいか。上級生と下級生で店員とお客役を交代しながらやっているようだった。
6歳の息子が通う児童クラブで「おみせやさんごっこ」が開催されるという連絡があったのは先週のことだ。今年初めての試みだという。
お店で出す商品は全て手作り。そういえば、息子が折り紙で「カメラ」と「時計」を量産していると聞いていたが、このためだったのか。
ただ、このイベントが開催されるのが平日の朝8時〜10時。保護者が行くには、なかなか厳し時間帯だ。さて、どうしようか。
今年初の試みで、おそらくこども達はたくさんの商品を準備しているのだろう。これで保護者が誰もいかないのは、寂しいし悲しい。
児童クラブからは、前日の夜にわざわざ「明日もし良ければいらっしゃってください」と連絡が来るくらいの力の入れよう。
「おみせやさん、来てね!」
そして、息子からの無意識の圧。
…行くか。
少し悩んだが、行くことにした。
時間は、つくるもの。
仕事は、どうにかするもの。
そんなことを言い聞かせて児童クラブへと足を運んだ。
会場では、たくさんの手作り商品が並んでいた。
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すごい!の一言に尽きる。
こども達の発想力や企画力のすごさに素直に驚いた。
そして「おみせやさんごっこ」と称する通り、手作りのおもちゃのお金を使って買い物をする。
必然的に足し算、引き算を駆使することになり、こども達はそれだけで十分に勉強にもなる。
楽しんで学べるという、この仕組みも上手いなぁと思った。児童クラブの先生達の企画力にも頭が下がる。
会場を訪れた保護者は僕ともう1人。同じく一年生の子を持つお母さんが来ていた。自分1人じゃなかったことに少しホッとしながら、みんなで「おみせやさんごっこ」を楽しんだ。
今日一日が終わり、仕事から家に帰ると息子が言った。
「きょうは、きてくれてありがとね」
これだけで、児童クラブに足を運んだ意味があった気がした。もちろん、仕事には支障をきたさないように全力で調整した。
家族も大事。
仕事も大事。
バランスを取りながら、毎日を走り抜けていく。
でもまぁ、嫌いじゃないのよね。
こういうの。
(note更新241日目)
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