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カッパとブイヨン

会ってみたかった犬がいる。
いろは出版という京都にある会社に居た「カッパ」と、ほぼ日の糸井さんの愛犬「ブイヨン」だ。

最近PCを買い換えたのだが、古いPCから新しいPCにうつしたデータのほとんどが写真だった。高校生のときの携帯の中身さえ残っていて、驚いた。とっくに忘れていたのに。

そこに200枚くらいの写真が残ってフォルダ分けされていたのが、「カッパ」だった。ブルテリアという犬種で、残されている写真は、かっぱのわっかのようなものを頭にのっけていて、こっちをみているものが多かった。大学のときに京都に行ったときに会いたくて、お散歩ルートを通ってみたいです、と会社宛てにメールを出した記憶がある。そのときには、ちょうど会社は夏休みだったようで、会えないけれどまた会いにに来てくださいね、という返信だったように思う。

私のなかの犬の記憶は、父方の祖父母が12年ほど飼っていた、チワワの顔をした、しかし5~6キロほどある、特に祖母と親子以上の仲を築いていた犬だ。家族で祖父母の家に行くときには、犬と会えることがとてもうれしかった。ただ、みているだけで飽きなかった。愛おしかった。
妹の成人式の日に、家族写真を撮るために祖父母の家に晴れ着をきた私たち家族が集まったことがあった。犬は、もちろん真ん中に陣取って、祖父母のことを笑顔にしてくれる役割を担っていた。せっかくだから、と祖父母と犬の写真もたくさん撮ってもらった。普段は写真嫌いであまり笑った顔を撮らせてくれない祖父も、このときの写真では笑顔をたくさん見せていた。

犬は、ごはんが好きで、祖父母のことが大好きで、脱走しても帰ってくる犬だった。そんなことを、写真フォルダと、ほぼ日の糸井さんの文章から思い出した。ブイヨン、カレンダーで数年間追いかけて、勝手にいつか会えると思っていたな。今も、赤いボールをくわえて原っぱでこっちを向いて笑っている。

愛のかたちをした、いきものたちと、いつか暮らせる日を夢みて、仕事に励む。彼らと人生を共にしたいな。たのしみだな。

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