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【プロンプトあり】 本番レベルのプレゼンをChat GPTと作る方法

毎週水曜日は「起業家のためのAI"秘書室"入門」
このシリーズでは起業家が本当に使えるAIツールの使い方を教えます


前回は「本番で使えるプレゼンをAIと共に作る」ための考え方としてAIDMAの法則をお伝えしました。

今回は早速、本番レベルのプレゼンをChat GPTと一緒に作っていきましょう。

この記事を読むべき人

本番で使えるプレゼン資料をAIツールを使いこなして高速で作りたい。
・プレゼン資料作成に時間を取られて困っている。
・いつもプレゼンがうまく作れなくて悩んでいる。


※この記事ではすべての作業で「Chat GPT-4o」を使っています。



相手を説得するためのプレゼンの型


AIDMAの法則で説得プレゼンを作る

まずは前回お伝えしたAIDMAのおさらいしましょう。

AIDMAとは「相手の説得をするためのプレゼン」に使える型でした。
この型に沿ってプレゼンを構成することで「相手に取ってほしい行動」を自然と説得することができます。

Attention(注目)
Interest(興味)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)

今回はこの型に沿ってChat GPTと一緒にプレゼンを作っていきます。


「ねえChat GPT、AIDMAの法則を知ってる?」

早速Chat GPTと会話をしていきましょう。
そもそもChat GPTはAIDMAの法則を知っているのでしょうか?
知らなければ一からこの法則について説明するところからはじめなくてはなりません。

そこで以下のように会話をはじめてみました。

プロンプト

あなたはAIDMAの法則を知っていますか?

すると次のような回答が。

Chat GPT

はい、AIDMAの法則はマーケティングにおける消費者の購買行動モデルの一つです。AIDMAは以下の5つのステップの頭文字を取ったもので、消費者が商品を知り、最終的に購入に至るまでの過程を示しています。

Attention (注意): 消費者が広告や商品に注意を引かれる段階です。視覚的なデザインやキャッチフレーズなどが重要です。
Interest (興味): 消費者が商品に興味を持つ段階です。商品の特徴や利点について知りたくなります。
Desire (欲求): 商品が欲しいという欲求が生まれる段階です。消費者は商品の価値や魅力を感じます。
Memory (記憶): 商品やブランドに対する記憶が形成される段階です。この記憶が後の購買行動に影響を与えます。
Action (行動): 実際に商品を購入する行動を取る段階です。購買決定がなされます。

このモデルは、消費者の心理的なプロセスを理解し、効果的なマーケティング戦略を立てるために活用されます。最近ではデジタルマーケティングの進展により、AISAS(Attention, Interest, Search, Action, Share)などの新しいモデルも提唱されています。

おー、これは期待できそうです。
「知っている」とのことなのでプレゼンの中身を作る作業に入っていきましょう。


5ステップでChat GPTとプレゼンを作る


Chat GPTにプレゼン作成の5ステップを伝える

プレゼン作成は次の5つの段階を踏むべきであるとお伝えしました。
つまり、5W1Hを明確にした上で具体的なプレゼンの内容を作っていくべきであるということです。

Chat GPTにも、この5ステップを共有して作業を進めていきましょう。

プロンプト1

#指示

私は経営者や起業家に向けたAI時代を生き抜くための経営知識を教えるブログサービスの営業提案のプレゼンを作成しようと考えています。プレゼンは次の5つのステップで構成します。理解をしたら「はい」とだけ出力して下さい。

#プレゼン作成の5ステップ
①目的を明確にする
②聞き手を理解する
③アウトラインを考える
④コンテンツの制作をする
⑤一部、ビジュアル要素に置き換える⑥推敲をする(デザインやビジュアルを整える)

Chat GPT

はい

自分で言っておきながら、返答が「はい」だけだと少し寂しいですが続けます。早速Chat GPTに相談をしていきます。

プロンプト2

#指示
このプレゼンを作るための質問を出力して下さい。

#条件
・必ず一つの段階を踏まえて次にいけるように、質問を一つずつ順番に出力すること。
・私の回答は最後にプレゼンを作るために記憶しておいて下さい。


Chat GPTとプレゼンの下準備を進めよう

さて次のプロンプトで5ステップに沿ってプレゼンを作るための一問一答をChat GPTからステップ・バイ・ステップで出力してもらいます。

Chat GPT
わかりました。それでは順番に質問をお伺いします。

①目的を明確にする
このプレゼンの最終的な目的は何ですか?

プロンプト3

ターゲットである起業家や経営者に自分のブログサービスをフォローしてもらうことです。


ここでは自分の事業のターゲット短い文章で伝えていきましょう。

返答をすると次の通り、「メモリを更新しました」との表示され、私の回答をChat GPTが記憶してくれていることが分かります


続いて、次のようにChat GPTの質問が続きます。

Chat GPT

②聞き手を理解する
プレゼンの対象となる経営者や起業家の具体的なプロフィールはどのようなものですか?

プロンプト4

小規模事業を展開している企業の経営者か、これから起業を考えている起業家です。 特に先端技術に興味を持ち、イノベーター理論でいうところの「イノベーター」から「アーリーアダプター」に位置する顧客を想定しています。具体的には以下の2者を主に想定しています。

・AIの質が高まるにつれて起業のチャンスが広がると考えている起業家
・AIが市場に浸透していく中で経営課題が生じると敏感に感じ取っている優秀な経営者


再び「メモリを更新しました」との文字が。
便利なだけではなく、一人での作業よりも進んでいる感覚を得られるのもいいですね。

続けましょう。

Chat GPT

③アウトラインを考える
プレゼンの主要なポイントやセクションは何ですか?

さてこの質問は、いきなり答えるのは難しいです。
そこでChat GPTに相談してみましょう。


Chat GPTとプレゼンの骨子を作っていこう

ここまでくれば自分が作るプレゼンに必要な情報は整理されてきています。
そこで、ここからはプレゼンのアウトラインをChat GPTと共に作っていく工程に入っていきましょう。

プロンプト5

この「主要なポイントやセクション」については一緒に考えてほしいですが可能ですか?

AIDMAの法則に従ってプレゼンを構成したいと考えています。

Chat GPT
AIDMAの法則に従ってプレゼンを構成するのは素晴らしいアイデアです。それでは、以下のようにセクションを構成してみましょう。

イントロダクション

Attention (注意)
自己紹介とブログサービスの概要
AI時代における経営の重要性
目を引く統計データやトレンド

Interest (興味)
AI時代の経営課題とチャンス
経営者や起業家が直面する具体的な課題
市場環境の変化とAIの影響

Desire (欲求)
ブログサービスの内容と利点
他のサービスとの差別化ポイント
成功事例やユーザーの声

Memory (記憶)
継続的な情報提供の重要性
コミュニティ形成とネットワーキングの利点
定期的なアップデートと最新情報の提供

Action (行動)
フォローの仕方と登録手順
初期の特典やキャンペーン
今後の展望と成長戦略

質疑応答
聴衆からの質問に答える時間

このアウトラインをベースにして、各セクションで具体的に何を伝えるかを一緒に考えていきましょう。まずは、Attention (注意) のセクションについて具体的な内容を決めていきましょうか?

AIDMAに沿って、かなり具体的な内容が返ってきましたね。
細かく直しを入れる箇所はありそうですが、アウトラインとしてはこれでよさそうです。

プロンプト6

はい、お願いします。


するとAIDMAのうちAttention(注意)セクションのプレゼンを構成するための質問が次の通り返ってきました。
ここまで来ればこれらの質問に答えていくだけでアウトラインができあがっていきます。

Chat GPT

Attention (注意)
目的: 聴衆の注意を引き、興味を持ってもらう

コンテンツのアイデア

1 自己紹介とブログサービスの概要
短くインパクトのある自己紹介
ブログサービスの名前と簡単な説明
プレゼンの目的を明確に伝える

2 AI時代における経営の重要性
AIがどのように市場を変えているかの概要
経営者や起業家にとってAIの理解が重要な理由
「AI時代を生き抜くための知識」がどれほど重要かを強調

3 目を引く統計データやトレンド
最新の市場データや統計情報
AIの普及率やその経済効果
大企業の成功事例(AI導入での成果)

質問
・自己紹介とブログサービスの概要について、どのような内容を伝えたいですか?
・AIが市場を変えている具体的な事例やデータはありますか?
・経営者や起業家にとってAIの理解がどれほど重要かを強調するためのメッセージやストーリーはありますか?

まずはこれらの質問にお答えいただければ、それを基に具体的な内容をさらに練り上げていきます。


このパートのアウトラインを完成させるためのより詳細な質問がさらに返ってきました。これらの質問に答えていきましょう。

ちなみに最後の質問だけ良く分からなかったので、どのような回答をするべきか教えてもらえるようなプロンプトにしています。

プロンプト7

#質問への回答

あなたの質問に以下の通り回答しました。

・ブログサービスの概要について、どのような内容を伝えたいですか?
AI時代の経営者・起業家必読! 先行きが見えない時代… AI革命で起業・経営の成功法則は大きく変化。 このnoteでは「AI時代の新しいMBA」をコンセプトに経営戦略、技術、働き方などAI時代の経営・起業に必須知識を全網羅でお届け。


・AIが市場を変えている具体的な事例やデータはありますか?

①マッキンゼーの調査によれば生成AIが与えるインパクトに従来のディープラーニングによる効果などを足し合わせると、「17.1-25.6兆ドル」の世界経済への潜在的経済効果がある。

②既に銀行業界といったAIの影響が大きい産業分野において具体的な事例も見られている。例えばバンク・オブ・アメリカとアントファイナンシャルが比較が良い例である。バンク・オブ・アメリカが20万9000人の従業員により6700万人の顧客に限られた商品・サービスを提供している一方で、AIファースト企業であるアントファイナンシャルは1万人に満たない従業員で7億人を超える顧客に幅広いサービスを提供している。

・経営者や起業家にとってAIの理解がどれほど重要かを強調するためのメッセージやストーリーはありますか?
これは具体的にどのような答えを想定した質問ですか?

Chat GPT

素晴らしい回答をありがとうございます。最後の質問についてもう少し具体的に説明します。経営者や起業家にとってAIの理解が重要であることを強調するためのメッセージやストーリーを考える際には、以下のような要素を含
めると効果的です。

メッセージやストーリーの要素

1 個人的な経験やエピソード
あなた自身の経験や他の経営者・起業家の具体的な成功事例
AIを活用してビジネスを改善・成長させた実際のストーリー

2 業界の変革
AI導入前後でどのように業界が変わったか
AIがどのように競争優位性をもたらすか

3 将来の展望
今後AIがどのようにビジネスの在り方を変えるか
AIを導入しない場合のリスクや競争における遅れ


具体例の回答

個人的な経験やエピソード: 「あるスタートアップがAIを導入した結果、業務効率が50%向上し、売上が2倍に増加したという具体的な事例があります。この成功は、AIの理解と活用がいかに重要であるかを示しています。」

業界の変革: 「バンク・オブ・アメリカとアントファイナンシャルの例からもわかるように、AIを導入することで、従来のビジネスモデルを超えるスケールと効率を実現できます。これにより、競争優位性を大幅に高めることができます。」

将来の展望: 「今後、AIの進化とともに、ビジネス環境はさらに急速に変化します。AIを導入しない企業は、競争において遅れを取るリスクが高まります。AIを理解し、活用することは、将来の成功の鍵となります。」


次のステップ
上記のメッセージやストーリーを含めたコンテンツを「Attention (注意)」のセクションに組み込みます。次に、「Interest (興味)」のセクションについて具体的な内容を考えていきましょうか?


このようにChat GPTとの会話を繰り返すことで、プレゼンのアウトラインが完成してきました。ここまでの手順に従って、「2.Interest (興味)」以降の内容も作っていきましょう。

もしも、この工程の中でChat GPTの質問に答えられない箇所があれば必ずそこで一旦立ち止まってください。ここで一度事業に関して調べ直したり、自分の考えをまとめてみましょう。

自分一人で資料を作成しているだけでは気付けない事業の「曖昧な箇所」「ウィークポイント」が浮き彫りになるのもChat GPTと作業をする良さです。

あくまでプレゼンの本番はあなたが担当し、人を説得することになるためです。AIと共にプレゼンを作っている時にも、人を動かすのは「AIではなく、あなたである」ということは常に意識しておきましょう。


まとめ

さていかがだったでしょうか。

今回はChat GPTに相談しながらプレゼン資料のアウトラインを作る方法をお伝えしました。重要なことは以下の通りです。

今回の内容

・Chat GPTに5ステップを伝え、ステップ・バイ・ステップでプレゼンを作るように一問一答を作ってもらおう。

・Chat GPTに質問されて答えられなかったことはアップデートのチャンス。調べたり考えをまとめてから再度、Chat GPTとコミュニケーションしよう。


次回はここまでの内容を元に、本番で使えるレベルのプレゼン資料として仕上げる方法についてお伝えします。

明らかにAIが作成したと分かってしまうような資料とは一線を画す、「本番で使える資料」の作成法を分かりやすく解説します。
更新は6月18日(水)。

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