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【リアル】 本番で使えるプレゼンをAIと最短で作る方法

毎週水曜日は「起業家のためのAI"秘書室"入門」
このシリーズでは起業家が本当に使えるAIツールの使い方を教えます

今回は本当に使えるプレゼンをAIと共に作る方法を考えていきます。
「本当に使える」というところがポイントです。

Xを見ていて「このプレゼン資料を◯分で作成できた!」みたいな投稿流れてきたことありませんか?

東京AI起業家キャンプを説明したプロンプトでAIが作成したプレゼンの表紙


「...こんなプレゼン資料、本当に使えると思ってんのか?」


失礼、口が悪くなってしまいました。

私が最初に見た時に思った第一印象はこれでした。正直、現段階で本当に数秒や数分でプレゼン資料を作成できるAIツールは存在していません。


XなどのSNSで言及されることが多いのはGammaとCanvaです。
正直言ってこれらのツールを使っても、あなたのプレゼンが「たった数分」でできるということはあり得ません。

あなたは、さきほど見たようなプレゼンを「重要な会議」で使おうと思いますか?
…正直しないと思います。

じゃあ現状のAIツールを使ってプレゼン作成を高速化することはできないのか?

それはできます。ただし、AIツールの使い方とプレゼン作成に関する考え方の転換が必要です。今のうちにAIツールの使い方に慣れておけば、進化していった時に本当に「数分でプレゼンを作ることができた」という未来も夢ではないと言えます。

そこで今回は、スティーブ・ジョブズの伝説のプレゼンを引き合いにAI時代のプレゼンの作り方を考えていきます。

ぜひ最後まで記事をお読み下さい。

この記事を読むべき人

本当に使えるプレゼン資料をAIツールを使いこなして高速で作りたい。
・プレゼン資料作成に時間を取られて困っている。
・業務レベルのAI使いこなし術を知りたい。


本当に使えるプレゼンテーションをAIと "共に" 作るための考え方

結論からいうとAIツールを用いて本当に使えるプレゼンを作るためには次のことが大切です。

「プレゼンの作成過程を "5ステップ" に分けて、各ステップに最適なAIツールを使いこなす」

つまり、プレゼンを作る手順を細かく分解し、それぞれのタスクに最適なAIツールを取り入れることで質が高いプレゼンを高速で作成できるようになるということです。

この方法を取り入れたことで、私自身も普段10時間程度かけて作っていたプレゼンを1時間で完成させることができました。どこでも使えるプレゼンをいつでも高速で作れるようになれば、プロダクトがなくとも数億円の投資を引き出せる可能性もあります。


プレゼン作成の5ステップ

さて、本当に使えるプレゼンは次の "5ステップ" を踏む必要があります。

プレゼン作成の5ステップ

①目的を明確にする
②聞き手を理解する
③アウトラインを考える
④コンテンツの制作をする
⑤一部、ビジュアル要素に置き換える
⑥推敲をする(デザインやビジュアルを整える)

これまでのAIツールを用いた数分でのプレゼン作成の方法は「プロンプトでスライドの内容を指示する」といったもの。これは①から⑤をすっ飛ばしていきなりAIにスライドを作れということを伝えていました。

これでは正直使えないスライドが出力されても仕方ないと思います。

あなたが本当に業務で大切なプレゼンを作る時にそんな中途半端なことはしないはずです。無意識であっても、①から⑤までをしっかり考えながら進めていくと思います。

AIツールを使うからといって、この手順を崩すのは得策ではありません。

AIツールの精度が期待よりも低いこともありますが、この乱暴なプレゼンの作り方がプレゼン自体のクオリティを下げていることも事実だと思います。


あなたのプレゼンの目的は何か?

それでは早速プレゼンを作っていきましょう。
まずはそのプレゼンの目的を明確にするところからです。

プレゼンの目的は3つに分けられます。

(1)説得パターン: 相手の行動を目的に沿って変える(セールス・投資など)
(2)説明パターン: 相手に題材を理解してもらう(授業など)
(3)報告パターン: 相手に自分の行動を伝える(営業報告など)

この中で特に「プレゼン」と呼ぶ場合に多いのは、「(1)説得パターン」でしょう。起業家や経営者であれば尚更、「人を説得する機会」が多いため、「誰々に〇〇という行動を起こしてもらうためにプレゼンをする」という目的が基本になると思います。

そこでこの記事では基本的に「説得パターン」のプレゼンを作る方法を考えていきます。


説得プレゼンは "AIDMA" で構成しよう

説得をするためのプレゼンは「AIDMA」と呼ばれる型が最適です。

Attention(注目)
Interest(興味)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)

もともとはマーケティング用語でしたが、営業やセールスライティングの分野でも使われることが多くなった顧客の購買プロセスです。このAIDMAに従って構成することでさせたい行動へと自然と説得していくプレゼンテーションを作ることができます。


スティーブ・ジョブズのプレゼンを参考にする

今回はスティーブ・ジョブズのiPhoneを初めて発表した「伝説のプレゼン」を参考に、「説得パターン」のプレゼンの流れを考えましょう。

余裕のある方は動画を見ながら照らし合わせて読んでみて下さい。


Attention(注目)

2年半、この日を待ち望んできました。
数年に一度、すべてを変えてしまう画期的な製品が現れます。

数年かけて「すごいものを作った」ということを最初のメッセージにして、
その上で、そのプロダクトが世のすべてを変えてしまうと伝え、プレゼンへの期待感を高めています。


Interest(興味)

本日、このような革新的な新製品を3つ発表します。
1つ目は「タッチ操作のiPod」、2つ目は「革命的携帯電話」、3つ目は「画期的ネット通信機器」。
そして、この3つは独立した機器ではなく、1つの商品なのです。

名前は「iPhone」。

本日、Appleが電話を再発明します。

集めた注目を興味へと変換するフェーズです。

革新的な3つのデバイスの発表であると見せかけて、それが一つのプロダクトだと伝えています。そしてこのフェーズの締めとして「Appleが電話を再発明する」というキラーフレーズを伝えることで、興味を一層引き立てる設計になっています。

なお、この段階では聴衆の信用を獲得はできていません。当たり前のことですが、革新的であれば革新的であるほど「本当?」と疑心暗鬼になるのが人間だからです。

したがって信用をさせて人々の欲求を引き出す必要があります。
それが次の「Desire」段階です。


Desire

タッチ画面:iPhoneはボタンを取っ払い指で扱える高品質なタッチディスプレイを搭載

デザイン:見た目は美しく、手のひらに収まるサイズ
電話の再発明:数タップで電話をかけることが可能
インターネット:モバイル端末でもPCのようにネットを閲覧

実際にジョブズがデモをしながら、iPhoneが持つ革新性と、そのコスパの良さを強調していきます。革新的な商品の具体的なユースケースを見せることで聴衆のiPhoneへの購買意欲を強烈に刺激していることが分かります。


Memory

社名はApple ComputerからAppleへ。

聴衆が今回のプレゼンを忘れないように社名を変更するという方法を取りました。何度もできる方法ではないですが絶対に忘れないですよね。


Action

あなたの人生をあなたのポケットへ。
価格は音楽プレーヤーと携帯電話を合わせた499ドル。
2つの製品を買うのと、iPhoneを買う値段は変わりません。

最後に「あなたの人生をあなたのポケットへ」というキャッチーなフレーズとともに、多くの人の手が届く値段であることを伝え、iPhoneの購入を決意させる構造になっています。



ジョブズのプレゼンが熱狂を生んだ

このプレゼンを見ると持っている今でも、iPhoneが欲しくなります(笑)
もしも投資家であれば、Appleに投資したくなるでしょう。

このようにAIDMAの法則に従ったプレゼンにより、iPhoneは発売から店外に列ができるほどの熱狂を生みました。

起業家として一度でいいからこんなプレゼンをしてみたいと思いませんか?

AIDMAの法則とAIツールを使いこなすことができれば、こうしたプレゼンを作ることも夢ではないと言えます。


まとめ

さて、今回の記事でお伝えした通り、現状のAIツールを使いこなして生産性を高めるためには、「プレゼン資料をAIで一発で作ること」ではなく「プレゼン資料をAIと一緒に作る」ことを目指すべきです。

次回は今回お伝えしたAIDAMAを用いて、ChatGPTと共にあなたのプレゼンを構成していく方法をお伝えします。

更新は6月12日(水)です。
ぜひフォローしてお待ち下さい。


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