見出し画像

具体へのシフト

1.抽象の限界

私が以前通っていた道場では色んなことを学びました。

合気道の面白さや人間関係の重要さや組織運営など。

その道場に通われている方も尊敬できる方が多く、

非情に充実した合気道ライフを送れたと回顧しています。

しかし、技術的な継承という観点で語ると、

少しウィークポイントが多かったのかなと思います。

現にそこの先生は凄い方でしたが、

その先生の技術をしっかりと継承出来ている人はいなかったと思います。

とは言え、他と比較してもその方の教え方の上手さはトップレベルだったと思います。

では、何が問題だったかと言うと、抽象論に依存していたということです。

もちろん、抽象論を否定している訳ではありません。

最終的に技はイメージでかけるので、抽象論は非常に重要です。

2.抽象から具体へ

現代は非常に情報過多な世界です。

現代人が1日に捌く情報量は江戸時代の1年分、平安時代の一生分と言われています。

それほど多くの情報を捌く上で重要なのは論理性なんですね。

論理的に合理的に情報を捌き、その本旨をいち早く掴むことが重要です。

先日、電車の広告でこのような本を見かけました。

最近、このような〇〇冊分の内容を纏めてみたという本が多く見かけるようになりました。

この状況からも明らかなように、

より現代人は客観的なデータ、またサンプル数の多さに重きを置いてると思うんです。

つまり、そのデータに求めていることは論理的かつ合理的であるかということです。

話が少し逸れましたが、この現状を見ると、

やはり抽象論だけで指導するのは限界があるということなんですよ。

抽象論でその場では技が出来ても、

継続的にその技の再現率を保てるかは別の話です。

この社会的趨勢を鑑みると、

先ずは論理的に説明をして左脳を納得させる必要があるんです。

3.共通言語を使う

相手と一体になるんだよ!と言われても正直分からないですよね(笑)?

宇宙と一体になれ!と言われたら多分、ある意味SNSで話題になります(笑)

ただ、もちろん最終的にこのような抽象論は極めて重要です。

詳しくはこちらをご覧ください。

しかし、先述の通り先ずは論理的な説明をする必要があります。

その上での共通言語は、やはり私は科学だと思うんです。

科学であれば武道をやっていてもいなくても

殆どの人を網羅することが出来ますよね。

相手と一体になるという表現は合気道をやってる人ならまだしも、

他の武道経験者、増してや武道を経験してない人からしたら??です。

ですから、相手と一体になるという表現は換言すると、

相手との接点に圧力変化を起こさないということです。

圧力変化が起きた時点で相手は直ぐにその動きを察し抵抗するからです。

つまり、その時点で相手との繋がりは切れてしまっています。

逆に言えば、圧力変化を起こさなければ、

相手と一体になっていると言えます。

では、相手に動きを悟られないようにすればどうすればいいか?

それは、接点以外の場所から動き始めるということです。

そうすれば、相手は接点からの情報が無いので、抵抗の余地がありません。

いきなり、相手と一体になれ、と言われるより、

遥かにこっちの方が納得できませんか?

これが先述した、左脳を納得させる作業なんです。

ある程度、左脳が納得すれば、

相手と一体になるという表現を使っても問題ありません。

つまり、人を選びましょうということですね。

具体へのシフトは、これから武道に求められる一つの課題になるかなと思いますね。

あわせて読みたい


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?