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鳥インフルエンザ 茨城県の条例

2023年4月1日から『茨城県鳥インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止に関する条例』が施行されると茨城県から説明がありました。

法律の原文を読み解くのは私達素人には難しいですが、以下のように解釈をしました。

条例の『発生予防及びまん延防止の措置』は大きく以下の3つ。
1.殺処分をすることを想定して鶏舎設備の基準をつくったので、大規模養鶏家及び養鶏団体は、今後作る農場に対してそれに協力をすること。
2.大規模養鶏家及び養鶏団体は、殺処分をすることを想定して人や資材がどれくらいだせるか予め計画を出すこと。
3.県が養鶏関係に従事するものに教育を施すので、大規模養鶏家は研修に従業員を出席させること。

要約すると、『発生予防及びまん延防止の措置』としながらも、内容は、研修会を開くこと、鳥インフルエンザ発生後の後処理について養鶏家に改善をもとめるものでした。

私はこの条例を読み、正直、心から残念に思いました。全国で約100件、約1,800万羽の家禽を殺処分に追い込んだ鳥インフルエンザウィルス。地域の養鶏業界、観光業界、そして行政を機能不全にさせました。すべての関係者の受けた精神的、金銭的な苦痛は計り知れません。鳥インフルエンザウィルスは世界中に増殖をしながら拡散し、地域によっては常在化しつつあります。農場における発生リスクは年々増加しているのです。

今するべきことは、数年後に起こる殺処分の準備ではなく、鳥インフルエンザによって殺処分をする鶏を無くすことだと思います。突然現れたコロナウィルスに人類が立ち向かったように、現在猛威を奮っている鳥インフルエンザウィルスH5N1と向き合い解決策を見つけるべきときだと思います。

過去の成功体験に基づいた法律に従順に従い、鶏を殺処分していくことだけでは、みんなが不幸になるのではないでしょうか?養鶏家も、養鶏業界の多くの人も、殺処分に関わってくれた行政関係者も、みんな鳥インフルエンザウイルスの被害者なのです。

愛鶏園100年の歴史は鶏病との闘いでした。その中で得た教訓は自然界のウィルスに対峙する人間の最後の手段は衛生管理とワクチネーションしかないということです。鳥インフルエンザウイルスをワクチンでコントロールするには、多くの課題があります。簡単ではありません。しかし、業界、国・県が力を合わせて見つけ出していく必要があります。

日本一の鶏卵産出額をほこる茨城県だからこそ、全国の養鶏家のために、そして、全国の職員のために、本質的な『発生予防及びまん延防止の措置』を国に働きかけて欲しいのです。

言うだけでなく私も非力ですが動きます。まずは4月にIECに出席しヨーロッパの動きを調べてきます。どうやらフランスはワクチネーションに踏み切ったようです。EUはどうでるでしょうか?


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