どうやってカミングアウトしたか。皆の反応は?+アドバイス。~母編~
最初に母と一番仲の良かった同僚2人共に受け入れてもらった私は、他の親友数人にも話すようになりました。(前回の記事⇩参照)
幸運にも皆に受け入れてもらえ、その後自由の国アメリカに移住した事により私は更に調子に乗り、誰かれ所構わずカミングアウトするようになり、今はもはやいちいちカミングアウトもせずに「うちの彼女がさ〜」と会話に普通にぶち込むようになっていきました。
そこで今回と次回では、
カミングアウトしたいけど不安。
カミングアウトってどうするのか知りたい。
体験談を聞きたい。
という方々のお役に立てればと思い、
LGBTQIA+のL歴18年間(初めて彼女が出来た時から数えて)で、カミングアウトという概念さえ無くなる程たくさんカミングアウトをしてきた私の実体験を元に、
・どうやってカミングアウトしたのか。
・その時の皆の反応は?
・私からのアドバイス。
のお話をさせて頂こうと思っています。
本日は母編、次回は友人/知人/親戚編を予定しております。
私のプライベートなんて興味ないかもですが、私の感覚は少しおかしくて参考にならないかもしれませんが、もしかしたら誰か1人位の参考になるかもしれないので、シェアさせて頂きたく思います☆
母へのカミングアウト。必要に迫られて。
24歳の時。
そろそろ言う時かな、と思っていました。遊びに行く度に誰とどこに行くのかの報告をしなければならなかったので、正直に言う必要性を感じ始めていたからです。デートともなれば遅くもなるし泊まりがけの時もあります。付き合っている若いお熱いカップルな訳ですから、割と頻繁に。それに対して毎回色んな友達の名前を使ったり、「オールナイトのダンスイベントに行ってくる。」という嘘をついていた訳ですが、さすがに無理が出てきていました。
元々そんなに友達と遊ぶキャラでもないし、毎朝7時からの仕事だったのにそんなにしょっちゅうオールナイトイベントなんて怪しい。不可能だろうと。
嘘に母も気付いていたのかもしれませんが、母との喧嘩が増えていました。
「またか!?」「一体いっつもどこふらついとんねや!?」と。
24歳にもなる人間が一般的なデートをしているだけなのに、ものすごく悪い非行少年みたいな扱いをされて、私もすごくストレスが溜まっていました。
真剣に交際している人で親にちゃんと紹介もしていていれば、親も少しは安心出来たでしょうが、どこで誰と何をしてるのかも分からない当時の状況では、母がそう怒りだすのも無理はありません。
よって、「自分のメンタル、当時の相手との交際、母との関係」この3つを保つ為には、カミングアウトをする必要性が出てきたのです。
自分が性的マイノリティである事が悪い事だとかは全く思っていませんでしたが、それでもストレートの人からすれば、特に孫は欲しいと言っていた母からすれば非常にショックだろう、、、なのでもしかしたら見放されるかもしれないという不安はもちろんありました。
なので、同性愛ネタを小出しにして反応を探ってみる作戦を実行。
ちょろっとずつ小出し、反応探り作戦 ⇒ いざカミングアウト
<小出し① オネエタレント>
テレビで活躍していたいわゆるオネエタレントさんの話を会話に積極的に導入。しかし母からの彼らに対する否定的な言葉などは全く無く、普通に他のタレントさんの話をしている時と全く同じような感じでした。母はおもしろい人が好きなので、おもしろい人が多いオネエタレントには好印象を持っているように感じました。
<小出し② ゲイバー/イベント>
「この前行ったゲイバーがおもしろかった。」
「大学にゲイの友達がいて、イベントに連れていってもらった。パフォーマンスがすごかった!」
実際に私が行っていたのはレズビアン専門バー/イベントが多かったのですが、「ゲイ」という言葉に変えて、あくまでストレートとして遊びに行っておもしろかったという話にして、時折話してみました。
すると母の反応は、
「ママも行きたい。連れてけ。」
「ママも若い時ゲイバー行った事あるけどおもろかった。
ママがオネエに間違われたわ、働かせてくれるかな?ケラケラケラ笑」
と、大分と斜め上に場外ホームランでした。
こういう小出しを何度か繰り返しましたが、毎回好印象。
「きっと大丈夫だろう!」と思いました。
なので、次に母が私に彼氏の有無を聞いてきたタイミングでもう言っちゃえ!と思いました。
そしてその時は、超地元の家から自転車で5分の居酒屋で起きました。
母「ほんで、どうなっとんのや?誰もおらんのか? 割と可愛く産んだつもりやねんけどなぁ?」
私「てかまぁずっとおらんおらんって言ってきたけどさぁ、。」「結構前から相手いるのよね。女やけど。」
母「おぅ!?」 (←母流の「え!?」です。)
私「女ばっかりやけど今までそこそこ相手いたよ、可愛く産んでくれたお陰様で笑。」(←ふざけてみましたが、内心少しどんな反応が返ってくるかドキドキ。)
母「まぁ、十人十色やからな。」「十人十色っちゅーのは、色んな人がいて、それで良いってこっちゃ。」
無事、認めてもらえました。
「十人十色」というパーフェクトアンサーと共に。
ちなみに、孫を見たいという母のショックを和らげるため、一応この時は男女共に恋愛対象となる「バイセクシュアル」という事にしておきました。嘘でしたが。
とりあえずこの時は、同性が恋愛対象になる事を受け入れてもらえれるだけで万々歳だったので、時と共に忘れてもらうか、次第に諦めてもらおうという魂胆で、嘘をつきました。
そしてそれは成功したと思います。男性も将来いけるかもという事を聞いて母も少しほっとしていました。母のショックが和らいだ様子をみて私もほっとしたのと同時に、内心、「やっぱり男が良いかぁ、。」と少し悲しくもなりましたが、同性愛を受け入れてもらえただけで有難い事です。次第に諦めていってもらいましょう。(←当時の魂胆。ごめんねママ汗)
実際に今ではもう私に対して結婚や孫など何も期待していないそうです。
親へのカミングアウトアドバイス
私だけではなく多くの経験者が言っている事なのですが、
・少しずつ小出しにしていく事、ヒントを散りばめていく事。
・自分の欲だけを言い散らかすのではなく、親の気持ちを考える、親の立場になって考えてみる事。
・自分が幸せになる為に、認めて欲しいと伝える事。
が大事です。
小出しにしていく事は上記のように反応を探るだけではなく、同性愛ネタに慣れさせる、もしくは自分が当事者だという事をほんの少し匂わせて親に心の準備をしてもらう、などなど、色々と使えます。
親も人間であり、知らない事に戸惑いを持つことは当たり前です。ましてや私達の親世代は、同性愛は通常ではないと言う概念の元に育ってきたのですから。なので、「認めてよ~!!!!ギャ~~~!!」と小さい子供のように駄々をこねるだけではなく、しっかりと親の気持ちや考え方をくみ取って、安心して納得してもらえるような説明の準備が必要です。
小出しにしながら親御さんの反応/性格/考え方をじっくり考察し、「自分の親は大丈夫そうか、もしくは反対するか、するならその理由は?(⇒それに対しての説得力ある回答の準備。)」「自分の親にはどういう言い方が良いのか」、等々じっくり考えて親に何をどう突っ込まれても納得してもらえるような知識/回答を準備しておいて下さい。
親が反対するのは、心配だから/子供には幸せになって欲しいからという親心が理由の時が多々あります。
なので、「認めてもらえないと幸せにはなれない。認めてもらえれば、幸せになれるんだ。」という事を、納得のいく説明と共にお伝え出来るようにして頂きたく思います。
(⇩こちらでそれらの知識や回答への参考になる事をまとめていますので、是非ご活用下さい。)
*決して感情が爆発して感情まかせに一気に言ってしまった!という事だけは避けて下さいね。これだけは絶対にお勧め出来ません。
終わりに。 母の言葉を引き継いで。
つい最近、当時の事を母に振り返ってもらいました。
母は母なりにやはりショックはあったそうです。しかし、悲しいショックというよりは「あんたもか!?最近よくテレビで見るけど!」という、もっともっとシンプルな驚きだったそうです。
そんな中で一瞬で出た返答「十人十色やからな。」には、母の懐の大きさを感じずにはいられません。(母自身、偏見や差別や見た目だけで判断されてきた経験があります。だからこそ、その人の中身、根っこの部分が何よりも大事という事を知っており、人への偏見やフィルターなど全く無いのでしょう。)
声や表情には出さなかったものの、当時私はその言葉がとても嬉しく、ものすごく安堵したのを今でも覚えています。
「世の中色んな人がいるもんで、それで良い。それが十人十色の意味。あんたが自分の娘である事に変わりはない。」という母の想い。
この時、母から「十人十色」という言葉をもらったからこそ、今私は「”異”を受け入れよう」「他の人が自分と違うこと、自分が他の人と違うことは日常的で当たり前。」「色んな作風や作者の想いを知れるアートで自己/他人肯定感アップ。」などと言って、このように活動しているのだと思います。
この母の言葉を自分の一番の基盤、コアマッスルにしつつ、これからも活動していきたく思います。
一人でも多くの人の為になることを願って。
次回のLGBTQIA+記事は、「どうやってカミングアウトしたか。皆の反応は? ~友人/知人/親戚編~」です。
本日もありがとうございました。
良い一日をお過ごしください☆
Aika.
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