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1浪、2留、3流大卒業。遠回りから始まったWEB制作のキャリア

私が20歳の時に見ていた未来は、真っ暗でした。
今、こうしてWEB業界で働いて、まともに暮らしていけているのは、まさに奇跡だと思います。

私の学歴は、一応、大学卒です。
中学・高校では、グレてるわけでもなく、本人は普通に勉強しているつもりなのに、成績が悪い。なんとも、残念な生徒でした。
大学を中退した親父から「大学出とらんと、やりたいことがあった時に、どうしようもないこともあるけん、大学だけは出とけ」と何度も言われ、その言葉に便乗するかたちでなんとなく大学を受験しますが、当然、結果は不合格。実家から予備校に通う浪人生活が始まります。

運を鍛えた浪人時代

はじめは、学力を上げて、上の学校を目指す勢いで、講師から英文法を教えてもらいながら、英単語を覚えていた浪人生活は2ヶ月後には、悪友からパチンコの立ち回りを教わり、パチスロのリーチ目を覚える日々に変わっていました。
そんな受験勉強の結果ですから、高校卒業時よりも劣った貧弱な学力と1年間鍛えあげた「運」で、受験した大学にギリギリで合格したのでした。

自由が加速するキャンパスライフ

大学は国際ビジネスを学ぶ学部に在籍。サークル活動などはあまり活発ではない大学でしたが、それなりに友達はできました。
受験で得た圧倒的自由な時間を、予備校で学んだパチスロとゲーム、軍資金を集める為のバイトに費やした結果、なんと、2年も留年してしまったのです。
はじめはたくさんいた友人もどんどん辞めていき、留年がきまるとその人数はさらに減っていきました。
それでも、親心でなんとか卒業に、マジ親に迷惑かけた本当に。

就職活動

なんとか卒業の目処がつく頃、まわりを見るとすでに就職活動は終盤。
ここで、目の前に迫る真っ暗な社会人生活というものに対峙します。
何かやりたいことがあるわけでもなく、何ができるわけでもない。
見た目も中身も薄っぺらすぎる25歳の私。
リクルートスーツに背を向け、私は慣れ親しんだパチスロ台を無心で打ち続けるのでした。

パチスロで勝ったある日。その膨らんだ財布をもって、時間を潰す為のゲームを買いに、大橋駅内のゲームショップに立ち寄ったのです。
そこで、中学時代の同級生とバッタリ遭遇します。

偶然の再会

「ぉお~、アイジ君やん、なんしよ~とぉ!?」
久しぶりの再開で盛り上がる二人。そのままノリで向かった居酒屋で、私は「WEBデザイナー」という職業を初めて知るのです。

その人はすでにWEBデザイナーとして、バリバリ仕事をしていて、ウェブサイトを作るお仕事について、色々と話してくれました。

私自身も、親父がパソコンなどが好きな人で、早い段階からパソコンにも触れる機会があったり、パチスロのデータや攻略サイトは誰よりも利用していたので、「これからの時代、パソコンが人並み以上に使えて、ウェブサイトが作れたりしたら、食いっぱぐれることはないんじゃないか?」
「しかも、WEBデザイナーって、ちょっとオシャレやし。ラフな格好で、ガラスの机とかに座って、楽しげにミーティングして‥とか、えぇやん!!」と感じた私は、ゲームショップで偶然であった彼に「それって、どげんしたらなれると・・・?」と安直な投げかけに、彼は、WEB制作の流れと技術、そして、当時開校されて2年くらいのデジタルハリウッド(福岡校)を教えてくれました。

WEB制作は、私にとって、深い穴に差し込んだ、まさに一筋の光でした。
人生で溺れかけていた時に、流れてきた藁でした。

その後、デジハリを卒業して、なんとか、WEB制作会社に拾ってもらって、なんとか、WEBデザイナーとしてのキャリアがスタートします。

3年間の遠回り

自由きままに過ごした3年という時間。
順当に大学を卒業していれば、1999年には社会人になっていたはず。
その時にそのまま社会に放り出されていたら・・・・・・と考えるとゾッとするのです。

私がお花畑でチョウチョを追いかけて走り回っているこの3年の間(1999年~2002年)に、世の中は大きく変わっていました。
IT業界は一気に広がり、それとともにWEB制作という市場も大きくなっていました。
そんな偶然が偶然を呼び、薄っぺらいWEBデザイナー志望の私でさえ、この仕事につけた。
ほら、まさに奇跡じゃないですか。

そんな奇跡的な出来事は20年たった現在も進行中です。始まりはどうであれ、飛び込んだ先であがけば、良い仕事や良い仲間、そして良いお客様と出会い、役に立ちたいと強く願い続ければ、自分を必要としてくれる環境に辿り着く。

ときどき足が止まりそうになる時はありますが、あの25歳の時に見た真っ暗な未来を思い出すと、私はもう少し頑張れる気がするのです。



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