小さなカメラ

コンパクトデジカメを初めて買ったのが20代になったばかりの頃
ちょっとした臨時収入があって、思い切って栄のカメラ屋で新品を買ったのだった。名古屋公演で長期滞在中だった。銀色で四角くて、小さな覗き窓がついていた。以来、ずっとカメラが趣味です。
写真が趣味じゃないの？撮るのはもちろん好きなのだけれども、カメラのメカに惹かれるというのもあるので「カメラが趣味」。

最近、手持ちのシステムを全部下取りに出してカメラを買い替えた。久しぶりに旅公演に参加して、荷物をコンパクトにしたくなったのがいちばんの理由だ。
ミラーレスに移行してからオールドレンズやレンジファインダーのレンズを集めているので、そいつらを活かせるようにフルサイズにした。前のカメラはAPS-Cだったので、本来の画角で撮れなかった。足回りは確実に前の方が良かったが、小ささ優先。

オートフォーカスが効くレンズも2本用意したが、大抵は手持ちのマニュアルレンズコレクションを取っ替え引っ替えやっている。昔の一眼レフ用の単焦点を扱うには、これくらいのボディサイズがちょうど良く感じる。

小さなカメラは、日記をつけるみたいに写真を撮れる。気になったものを綺麗に残せる。スマホのカメラはオートで綺麗に、ちょっと盛って撮れるけど、ミラーレスはいじりがいがあって楽しい。明るさや絞りを変化させるだけじゃなくて、色合いをセッティングして撮ることまでできる。あとから加工するのとはまた違うのだ。

シンプルで直線的で、写真機というより撮影デバイスみたいな済ました顔をしているが、つけるレンズはとてもアナログ。自慢のAF機能はほとんど使われない不憫なやつです。でもこのミスマッチ感もかわいい。