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OpenAIの試練: 赤字経営からの脱却は可能か?

 昨夜紹介した以下の英文記事には、OpenAIアルトマンCEOが米上院公聴会で何を言及したかについて書かれています。この公聴会に関しては、日本語の記事もでていますが、日本の記事は内容が浅いので、世界的にクオリティーペーパーとして認められているニュースソースがどのような報道をしているか原文を紹介しました。
 
 近年は英語が分からなくても、GoogleのWEBサイト翻訳などでかなり高い精度で翻訳ができるので、英語が苦手な方でも、英文記事を自分で読むことを試してみてください。

  ところで、この公聴会ではニューヨーク大学のマーカス名誉教授も証言していますが、マーカス教授は企業の無責任、広範な展開、規制の欠如、本質的な信頼性や、企業の使命が漂流する可能性や、ハイテク業界を信頼することに慎重であるべき点などを指摘しています。
 
 さらにマーカス教授は、OpenAIを名指しで人類全体に利益をもたらすよう進化させるという当初の使命宣言からの逸脱していることも指摘しています。また、OpenAIとマイクロソフト社の関係についても批判し、両社がAI業界を不適切な方向性に持ちびいていることも辛辣に批判しています。
 
 日本ではOpenAIが世界最高のAI技術会社だと勘違いした報道が目につきますが、技術的には、OpenAI社の自然言語処理AI開発能力は、それほど優位というわけではありません。
 
 これはChatGPTの中核となるトランスフォーマーアーキテクチャ自体が、2017年にGoogle社が開発している物であるということからも明らかです。ChatGPTよりNLP技術の進んでいる企業は世界中に幾らでもあります。
 
 同じ公聴会に呼ばれていたIBM社もOpenAIよりも格段に上のAI技術を持っていることは、IBMのサイトを訪問すればわかります。
 
 この公聴会にはIBMのプライバシー・信頼担当責任者で米国国家人工知能諮問委員会のメンバーであるクリスティーナ・モントゴメリも出席しており、彼女はAIツールがどう開発されるかではなく、どのように使われるかについての精緻な規制を導入することを、主張しています。
 
 これは、IBMが古くからAI倫理に力を入れて取り組んでおり、AI倫理分野で先駆け的な存在となっている欧州委員会が発表した『信頼できるAIに関する倫理ガイドライン』による信頼できるAIの『法的規範を遵守する』、『倫理的である』、『堅牢である』という条件を満たしており、社内ではさらに厳密なAI倫理やセキュリティー対応ができている自信の表れだと言えます。 

IBM:AI 倫理の実践 信頼できる AI 実現へ 全社的取り組みを
https://www.ibm.com/downloads/cas/0QJY9J4D

  ChatGPTが世界で一世風靡したからと言って、OpenAIの事業が持続可能かどうかは、未知数な部分が多いです。
 
 ChatGPTで世界が変わると勘違いしている人は、ピコ太郎のPPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)や、小島よしお(おっぱぴー)の『そんなの関係ねぇ』や、ひろゆきの論破芸で世界が変わると考えるのと大差ないでしょう。
 
AI無知倫理学的観点からOpenAIアルトマンCEOの存続戦略を分析

1.『AI無知』の日本政府のような国家から資金を調達する。
2.『AI無知』の日本政府のような国家に対して高額なサービスを提供する。
3. 米国主導で新たなAI監督機関を設立させ、OpenAIが有利な状況を作り出す。(GAFAMは既に大量の個人情報を取得しているため、新たなAI監督機関が強力なプライバシー保護条項を盾にすれば、OpenAIはGAFAMに対して有利なポジションを取ることが可能)
4. 新しいAI倫理ガイドラインをOpenAI社に有利な方向に誘導することで、GAFAMやその他の企業が、GPT-4よりも強力なNLPサービスを一般消費者向けに展開しにくい状況を作り出す。
5. 赤字しかないOpenAIは失うものがない強みを活かし、GAFAMに対抗できる体制を整える。
6. OpenAIがAI監督機関や米国のAI倫理ガイドラインに準拠してビジネスを展開することにより、訴訟された場合の責任転嫁し易い環境を整える。

 OpenAIが以上のような戦略に失敗した場合、その破綻リスクは極めて大きくなります。そして、ChatGPTのサービスが維持できなくなると、ChatGPTを活用しているアプリビジネスも連鎖倒産の危険に直面するでしょう。

 日本政府は日本国内のNLP技術を蔑ろにして、ChatGPTありきで、様々な政策をゴリ押ししていますが、その背後で暗躍しているのは誰でしょう?

 内閣府は2023年5月11日に『AI戦略会議』を開催していますが、この会議の座長は松尾君です。松尾君は数あるNLPの中からChatGPT一点張りを主張しているようですが、彼が株式会社neoAIの大株主であることは、果たして偶然なのでしょうか?

AI戦略会議 構成員名簿
松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授【座長】

https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/1kai/kousei.pdf

テーマ1:「ChatGPT」は一時的トレンドか技術的転換か
松尾 ChatGPTは一時的なトレンドなどではない。

生成AI特化の東大松尾研発スタートアップneoAI 約5500万円の資金調達を実施
〜生成AIのモジュール・プロダクト開発を強化〜

株式会社neoAI
2023年4月24日 09時50分
 生成AIに特化したソリューションの提供と自社サービスの運営を行う東大松尾研発スタートアップの株式会社neoAI(本社:東京都文京区、代表取締役:千葉駿介)は、PKSHAアルゴリズム2号ファンドをリードインベスターに、松尾豊氏ら個人投資家から総額約5500万円のシードラウンドの資金調達を実施したことをお知らせいたします。

株式会社neoAI 大株主
経営陣、PKSHAアルゴリズム2号投資事業有限責任組合、松尾豊

株式会社neoAI / neoAI Inc.

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