見出し画像

AI技術の分類と応用について

 AIが既に我々の生活のあらゆる場面で活用されており、AIが何であるかを定義することは困難な状況です。一般的にAIとは、人間のような知的な処理や問題解決が可能になる技術や学問分野のことを指し、様々なタスクや機能を自動化し、人間の知能を模倣し、あるいは超えることを目指しています。

 一部の学者やAIに特化したサービスを提供している企業などでは、『AIが人間を超えることはあり得ない』とか、『AIが人間を超えることはあってはならない』という主張をしていることがありますが、このような議論は、何のAIを指して議論しているのか定かでないと、まるで噛み合わない議論となってしまいます。

 AIには家電製品の制御からレーシングカーや飛行機の自動操縦、更には戦闘機やミサイルや精密機械を制御する能力は、既に人間の能力を遥かに上回っています。また、自動翻訳ソフトですら、一般的な日本人の英語力を遥かに上回っています。

 英文学を専攻してきた学者と翻訳AIが、以下にシェークスピアの文章を、より正確に日本語に翻訳できるかと言った限定的な条件下では、まだ、人間が翻訳した方が正確だと言える側面もあります。しかし、シェークスピアのことのみを生涯掛けて研究しているような英文学者が、医療専門用語や、ナノテクノロジー専門用語や、情報学専門用語を、翻訳AIよりも正確に翻訳できるかというと、これらの専門知識を持たない英文学者が、翻訳AIよりも正確な翻訳ができるとは限りません。このようにAIの適用分野によっては、既にAIの能力の方が遥かに人間を凌いでいるのが現実です。

 AIが人間の能力を超えるかどうかの議論は、特に #汎用AI #AGI :Artificial General Intelligence)に関連しています。AGIは、人間の知能の広範な範囲をカバーし、あらゆるタスクに適応的に対応できるAIを指します。そのため、AGIが人間の能力を超越できるか否かは、現在の技術開発や研究の中心的な焦点です。AGIと #人工超知能 #ASI :Artificial Super Intelligence)の違いを理解していない人も多いですが、ASIの定義は議論の一つの焦点です。哲学的な観点からは、 #古代ギリシャ哲学 の時代から現代に至るまで、 #知能の定義 自体が議論の対象となっています。そのため、AGIとASIの定義を明確にすることは、非常に困難な問題です。

 そこで、本章ではどのAIについて論じているかを理解し易くするために、AIが持つ様々な性質について、以下の観点から分類してみました。

(1)アプリケーション領域別分類
 AI技術が応用される領域や業界によって分類します。例えば、医療AI、自動運転AI、金融AIなどがあります。

(2)自然言語処理型AIの分類
 AI技術の中でも特に自然言語処理に特化したAIを分類します。例えば、機械翻訳、文章生成、感情分析などがあります。

(3)AIのアプリケーション領域別分類
 AI技術が応用されるアプリケーションやサービスによって分類します。例えば、音声アシスタント、チャットボット、画像認識ソフトウェアなどがあります。

(4)AIのタスク別分類
 AIが解決するタスクの種類によって分類します。例えば、分類、予測、最適化、生成などがあります。

(5)AIの技術別分類
 AI技術の基礎となるアルゴリズムや手法によって分類します。例えば、機械学習、深層学習、強化学習などがあります。

(6)アプローチ別分類
 AI技術の開発や研究におけるアプローチや哲学によって分類します。例えば、シンボリックAI、コネクショニズム、進化的アルゴリズムなどがあります。

 これらの分類を通じて、AIの様々な側面や性質を理解し、議論を進める上での基本的な枠組みを提供できます。それぞれのAIについての適用分野や性能に関する議論は、このような分類をもとに明確にされるべきです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?